希少なリトルカブラをレストア!

2025年のある時、編集部に一通のメールが来て、「もう乗っていないという不動のカブを貰って欲しい」ということに。ではそれをレストアしてカブonlyミーティングで再開させようという試みになったのです!

■ カブonly19
PHOTO & TEXT:NANDY KOSUGE(Office NANDY)

珍しくて可愛いリトルカブが来た~

編集部に連絡を頂いたときには「赤いカブがある」という情報のみだったので「もしや通称赤カブこと史上最強カブ50の5.5PSを誇るスーパーカブ50SDX(1982年)かな?」と思ったのですが、予想の斜め上を行って『リトルカブラ』でした!!「これは希少だし、可愛いから直して街乗りに使いたい!!」となり、積み込んできたのが2/1。そこから4/26-27のカブonlyミーティングに向けてジックリ直して行こうと!

長いこと動かしていなかったのは間違いないので、とりあえずバッテリーは新品に変更。キャブレターはクリーナーを使って何回も掃除を試みるが、スロージェットの詰まりが取れない。しつこくキャブクリーナー漬けしたり煮たりとやり方はあるんですが、手っ取り早くスローを新品交換で無事にエンジン始動。今後珍しくて可愛いリトルカブが来た〜もサビ取りしたり外装を磨いたりと手を入れて行こうと思います!

茨城県ひたちなか市にお住まいの志鎌淳子さんから連絡が来まして、大洗から近いということもあったので大洗サーキットで偶数月第1土曜日に開催している『大洗ガレージセール』の帰り道に寄らせて頂きました。ガレセ帰りでかなり怪しい風体のダットラ3人乗りでしたが、優しく対応して頂けて感動です!
コロナの時に中古で購入されたもの。その後、乗らなくなり不動に。タイヤも純正だし、走行4528kmは実走と思われる。年相応だけど外装の感じは比較的良い塩梅だ
エンジン不動ということだったのでピストン&シリンダー交換は覚悟していました。最悪はクランク交換だけど、そこまでやるなら中古エンジン買った方が早くて安い
外装の一部に傷が入ってたりもしますが、25年前の車両としたら愛嬌程度のもの。しかし外装を作ったホンダアクセスは「細かい部分までなかなかやりおる」と感心した
ホイールには若干錆が浮いているけど、マフラーなどは穴が空いているワケでもなくまだまだ大丈夫。プラグホールからオイルを少しだけ入れてキック踏んでみたら……イケそう
それじゃ~外装外してみっか~!
まずはリトルカブラの最大の特徴でもあるサイドカバーを外してみたら、サイドカバーの中にリトル純正サイドカバーが入ってた。なるほどね、二重になっているのか

レストアスタート!

①まずはバッテリーを新品交換して電気系統のチェック。ニュートラルランプが無事に光ったことで一安心です。ウインカーもテールも光ったし、ライトレストアでイケそうだ
②いつもグズグズになったタンクばかり見てきているからタンクの中を確認したら全然錆びてないことにむしろビックリ! でも、ガソリン入れてみたらキャブからダダ洩れ!!
③エンジン始動しないのはキャブに原因があるとみてキャブをオーバーホールします。キャブにコックが付いているカブをイジるなら、タンクからガソリンが流れ出ないようホースクリッププライヤーは必須です!

④キャブの中まではガソリンが行っていることを確認出来ましたがガッツリ茶色! フロートチャンバーの底で『溜まっては気化』を繰り返した後のガソリンの慣れ果てだ!

⑤ジェット類もフロートの底同様にドロヘドロ状態。でも固着はしてなかったので取り外すのは特に問題ありませんでした

⑥取り外したキャブの内部パーツは隅々まで苔生し状態。フロートの底には見事なくらいのコーティングが施されていてほぼ地層だったので、キャブクリーナーに漬ける前に擦り取る

⑦何度もキャブクリーナー漬け&パークリ清掃を繰り返しましたが、スロージェットだけでは詰まりが取れなかったので新品に交換します。各部パッキンはそのうちに新品交換ですね

⑧スーパーカブ専用オイルPOWER RED『SUPER HABU』のデラックスを奢ってみました。キックを踏んだら一発始動! まずは走るようになったので一安心。これで大洗に帰ろう!

完成
志鎌淳子さんにはカブonlyミーティングにも来て頂き「カブラが動いていて嬉しかったです。ありがとうございました」とのお言葉を頂きました。今後もチョイチョイ手を入れながら可愛がっていきたいと思います‼

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