松茸と近江牛を“あばれ食い”!甲賀~湯の山温泉グルメツーリング|多聞恵美ルポ・滋賀県

旧近江国甲賀の滋賀県甲賀市は甲賀流忍術の発祥の地として知られる。この忍者の里で人気なのが、松茸&近江牛の食べ放題“あばれ食い”お茶の町のリニューアルしたての道の駅や名湯・湯の山温泉など鈴鹿スカイラインを走って食欲の秋&ツーリングの秋をダブルで満喫!

■ BikeJIN vol.272 2025年10月号
写真/石村英治 構成/平尾慎一(シン・オフィス)
取材協力/
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甲賀の里から湯の山温泉へ食欲を満たす秋ツーリング

まだまだ暑い日が続きますが、暦の上ではもう秋。秋といえばスポーツ、読書、芸術……といろいろありますが、うまいもん担当の私としては、やっぱり「食欲の秋」が一番!

ということで、今回のうまいもんは“秋の味覚の王様・松茸”と“日本三大和牛の一つ・近江牛”の食べ放題へ! 場所は甲賀流忍術発祥の地、滋賀県甲賀市。大阪から名神高速道路と新名神高速道路を使って約1時間ほど。残暑の中でも気軽に行ける絶妙な距離感のグルメツーリングコースだ。

子供の道路への飛び出しを注意喚起する「飛び出し坊や」の看板。じつは滋賀県の東近江が発祥で、滋賀県内では東近江を中心に、さまざまな姿の看板が存在する。忍者の里として知られる甲賀町には忍者姿の「飛び出し坊や」の看板がある

新名神・甲賀土山ICを降りると、すぐに甲賀市。まずはリニューアルしたばかりの「道の駅 あいの土山」に立ち寄る。ここ土山町は、土山茶という銘茶の産地として知られており、建築家・隈研吾氏が設計したユニークな建物内には、お茶を使ったスイーツやお土産がずらり。人気は、土山茶を贅沢に使ったプレミアムソフトクリームやラテ。どれも程よい甘さと豊かな風味で、お茶好きにはたまらない逸品だ。ちなみに筆者は「抹茶ソフト盛り放題」に挑戦。自分でコーンに好きなだけ盛れるという夢のようなシステムで、さっぱりした甘さが暑さを吹き飛ばしてくれた。

道の駅 あいの土山

お茶の町として知られる土山町の道の駅が、今年8月1日にリニューアル。建築家・隈研吾氏が設計した建物の中には、3軒の飲食店や、土山茶をはじめとする地元の特産品がそろう物産品コーナーなどが入り、施設の充実度もアップ。お茶を使ったスイーツなども要チェックだ
気軽に自宅で抹茶を楽しめる抹茶シェイカー(1250円)&抹茶スティック(250円)や、茶葉を一晩寝かせて香りを引き出した土山一晩ほうじ(写真は一晩ほうじ茶PREMIUM浅1000円&深1000円)など、お茶製品がいっぱい
土山こがしほうじ茶ラテ:580円
土山ほうじ茶を丁寧に焙煎した香ばしいラテ。館内の土山茶房カフェ&スイーツで販売
土山プレミアム抹茶ソフト:540円
香り高い土山茶を贅沢に使ったソフトクリーム。程よい渋さと甘みが広がる。館内の土山茶房カフェ&スイーツで販売

DATA
滋賀県甲賀市土山町北土山505-13
TEL0748-66-1244
営業時間:9:00〜17:00、
飲食店11:00〜15:00(LO)
定休日:火曜(祝日の場合は翌平日)
https://ainotutiyama.co.jp

口の中が爽やかになったところで、いよいよメインディッシュ「松茸&近江牛の食べ放題」へ。向かったのは、道の駅から15分ほどの場所にある「魚松 本店」。 “一生分の松茸と近江牛が食べられる”という豪快なキャッチフレーズで知られる人気店だ。

店内に入ると、忍者屋敷のような雰囲気の中に漂う松茸の香りが食欲を刺激する。名物「あばれ食い」は、その期待を裏切らない豪華さ。目の前には山盛りの松茸と霜降り近江牛! すき焼き鍋で90分、好きなだけ食べ放題という贅沢ぶりだ。松茸は香り・食感ともに最高で、その肉厚さに感動。近江牛もとろけるような旨さで、箸が止まらない。しかもお代わりを頼むと、店員さんが豪快に松茸を鍋にドバッと投入! “わんこそば”ならぬ“わんこ松茸”状態に突入。まさに「一生分」どころか「来世分」まで堪能できる満腹体験だ。

魚松 本店

名物あばれ食い:9800円(要予約)
一生分の松茸と近江牛が食べられる「名物あばれ食い」が人気のお店。忍者屋敷のような店内で、滋賀が誇るブランド牛と秋の豪華食材がすき焼き鍋で、なんと90分間食べ放題。お代わりをすると豪快に鍋へ入れてくれる松茸&近江牛は圧巻の迫力。帰りは自家製松茸昆布のお土産付きと言う太っ腹な内容だ

近江牛専門店から仕入れるサシがたっぷりのロースと松茸をすき焼き鍋で食べ放題。もちろん鍋の野菜や卵、さらには松茸ご飯もお代わり自由。松茸の土瓶蒸し&季節のデザートまで付く豪華な内容。10800円でしゃぶしゃぶあばれ食い(要予約)も用意

DATA
滋賀県甲賀市甲賀町神2376
TEL0748-88-2206
営業時間:11:00〜21:00
(最終入店19:00)
定休日:不定休
※秋は無休
http://www.uomatsu.co.jp

お店の三代目主人・廣岡利重さん曰く「割下の味を少し薄めにして食べるのが、たくさん楽しむコツ」とのこと。なるほど、これなら最後まで飽きずに食べ続けられる。

満腹を通り越して“ギブアップ”状態で店を後にし、次に向かったのは三重県の名湯「湯の山温泉」。滋賀と三重の県境にそびえる鈴鹿山脈を抜け、鈴鹿スカイラインを走ること約40分。標高1212m、御在所岳の麓に広がる温泉地に到着。

鈴鹿スカイライン
鈴鹿山脈一帯に広がる鈴鹿国定公園を横断する山岳道路。1997年11月に無料化。標高約800mのトンネルを最高地点に滋賀県・甲賀市と三重県の湯の山温泉の東西に延びる全長約12㎞の道は、急勾配とタイトなカーブも多く、走り応え満点。毎年12月中旬〜4月上旬は冬季通行止めなので注意

10軒以上の宿が立ち並ぶ温泉街の中で、今回は「ホテル湯の本」へ。御在所ロープウェイのすぐ近くにあるこの宿の人気は、四日市や伊勢湾まで一望できる絶景露天風呂。レンタルタオルなども充実しており、手ぶらで日帰り入浴を楽しめるのが嬉しいポイント。美肌効果が期待できる泉質は肌触りが優しく、長湯しても疲れない。湯に浸かりながらツーリングの疲れを癒やす至福の時間を過ごせた。

ホテル 湯の本

開湯1300年を誇る湯の山温泉。御在所ロープウェイ湯の山温泉駅前にあるこの温泉ホテルでは、美肌効果もある名湯を日帰りで楽しめる。御在所岳麓の自然に囲まれた露天風呂から望む四日市や伊勢湾などの景色は、湯の山温泉随一の絶景。2つの貸切風呂も完備する
流星
緑山

DATA
三重県三重郡菰野町菰野8497
TEL059-392-2141
営業時間:日帰り入浴11:30〜17:00(最終受付16:00)
貸切風呂は11:00〜15:15(最終受付)
定休日:不定休
料金:
日帰り入浴1000円、
貸切風呂2750円(45分)、
1 泊2 食付1 万5400 円〜
https://www.yunomoto.jp

夜には、四日市の夜景を見ながら入浴できるという。今回は日帰りだったが、宿泊して翌日伊勢・志摩方面へ足を延ばすルートもおすすめだ。

甲賀市へは新名神高速道路甲賀土山ICからアクセスすると便利。甲賀市から湯の山温泉への鈴鹿スカイラインは、タイトなカーブも多いのでオーバーランや対向車などには注意。湯の山温泉からの帰りは菰野ICから新名神高速道路へアクセス

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