
「子どもが生まれたから大型バイクを買う」ライダー夫婦の選択。XSR900が教えてくれた最新技術の恩恵
第一子誕生を機にヤマハXSR900へ。日本限定カラーの美しさと、短時間でも満足できる圧倒的な走行性能。育児とバイクを両立するライダー夫婦の「ベストバイ」をレポート
デザインと走りの結晶。XSR900が日常を「特別な時間」に変える理由
ライダーにとって一番胸が躍る買い物といえば、やはりバイクそのものだろう。昨年第一子が誕生したことをきっかけに、我が家ではV-Strom650をXSR900へと買い替えた。「子どもが生まれたからバイクを買うなんて、普通は逆だろ」というツッコミが入りそうだが、まぁ、ライダー夫婦とはそういうものなのだ。
XSR900を選んだ理由は「大型バイク」「短距離でも楽しいスポーティな性格」「最新技術の搭載」「ネオクラシックなデザイン」「車両重量200kg以下」という5つの条件をすべて満たしていたから。特にデザインに関しては、今回購入した日本限定カラーのセラミックアイボリーが圧倒的に美しく、文句の付けどころがなかった。正直なところ、候補に挙がった時点でほぼ心は決まっていたと言っても過言ではない。一目惚れに近い購入だった。
さて、購入直後はデザインのウエイトが大きかったXSR900だが、乗れば乗るほど「見た目だけじゃない」と気付かされる。まず、音がイイ。エンジンをかけた瞬間、心のボルテージが一気に上がるようなキレのある低音が響く。3気筒特有の、スムーズでありながら獰猛さを感じさせる音だ。そしてスロットルを回せばレスポンスよく、伸びやかな高音へと変化する。ヤマハのこだわりが感じられるサウンドデザインで、甲高いうるささとは無縁の、迫力がありながら心地良い音だ。この音を聞くだけで、いつもヘルメットの中でついニヤけてしまう。
走り出せば、その魅力はさらに深まる。スロットルに対して素直に加速するパワフルさ、荷重移動に応じて気持ちよく曲がるコーナリング。大型バイクにしては軽い部類とはいえ、それでも実際には重いはずの196kgという重量をまったく感じさせない、まさに人車一体のアグレッシブな走りが味わえる。結果的に短時間のライドでも満足度が高く、たとえ自宅から最寄りのコンビニへ行くだけでも、そのわずかな道中が特別な時間へと変わるのだ。
またヤマハ独自のYRC(YamahaRideControl)モードやクルーズコントロールといった電子制御も使いやすい。お恥ずかしながら昔は「バイクに電子制御なんて不要」なんて思っていたが、実際に使ってみるとコレが便利。適切にサポートしてもらえることで天気や路面に左右されず安心して走れるし、体力も温存できる。まだ試せてはいないが、ロングツーリングの際も心強い相棒となってくれることだろう。なんと便利な時代になったことか!
唯一欠点と言えるのは、ハンドルの切れ角の少なさからくる取り回しのしにくさだろうか。XSR900の最小回転半径は3.5m。これでも先代よりは改善しているはずなのだが、狭い場所でUターンをする際には「何度切り返せばいいんだ?」と顔をしかめることもある。我が家はバイク用にガレージを契約しているため駐輪に苦労することはないが、これがもしマンション内の奥まった駐輪場を利用していたなら……想像するだけで嫌な汗がにじむ。
ちなみに足着きについては、身長156cmの私は片足で背伸びして届く程度。車体が軽いため問題はないのだが、サイドスタンドを払う左足がかなりギリギリなので、今後改善をしようと考えている。
……とまぁ些細な不満はありつつも、XSR900は間違いなく我が家のベストバイ。家族が増えたことでバイクに乗る時間は減ったものの、限られた時間をどう楽しむかという「質」を大きく変えてくれたのがこの1台。景色のいい場所で写真をとるもよし、短時間で集中して走るもよし、電子制御の力を借りてロングツーリングするもよし。XSR900は、欲張りなライダーの願いを叶えてくれる上質なマシンなのだ。
YAMAHA XSR900

価格:132万円~
全長/全幅/全高:2155 ㎜/ 790 ㎜/ 1160 ㎜
シート高:815 ㎜ 車両重量:196㎏
総排気量:888 ㎤
最高出力:88kW(120PS)/ 10000r/min
最大トルク:93N・m(9.5㎏f・m)/ 7000r/min
燃料タンク容量:14L( 無鉛プレミアムガソリン指定)

操作しやすいボタンと視認性に優れたTFTディスプレイ
電子制御などの各種機能は、すべてハンドルスイッチで操作する仕組み。必然的にボタンの数は多いのだが、レイアウトやディスプレイの視認性が優れているため、グローブを付けていてもスムーズに操作できる

日本の風景に合うネオレトロスタイル
スポーティさとクラシカルさを両立した美しいデザインで、パーツのひとつひとつにも高級感が漂う。日本の風景によく馴染み、なにげなく撮影するだけでも非常に映える。写真が上手くなったように感じるかも!?

愛車を守るカスタムパーツ
ノーマルらしさを大切にしつつ、ライドを快適にするためのカスタムも取り入れている。ヘプコ&ベッカーのエンジンガードは、身長の低い私でも安心して扱えるよう取り付けてもらったパーツだ

夫婦で上手に共有するコツ
主なオーナーは決めているが、6台あるバイクはすべて夫婦で共有している。コツというほど大したものではないが「なにがあっても相手を責めない覚悟」と「相手の車両を絶対に雑に扱わない責任感」があれば、気持ちよく貸し借りできる

ライター:高木はるか
夫婦で合わせてバイクを6台、クルマを3台所有するフリーライター。これまでは単気筒・2気筒を愛車に選ぶことが多かったが、XSRの力強い走りに全身の血が沸き立った

