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ライテクQ&A【ライディグフォーム・街乗り編】|元モトGPライダーが一問一答!

ライディングフォーム編

自分流になりがちなライディングフォームだけど、プロライダーは明確な意図を持ってフォームを作っている。彼らのマネをすることがライテク上達の近道と言える。ここではそのコツなどを指南してもらおう!

Q1:ストレートで伏せると首がつらくて前が見えなくて・・・・

A=Nakano:シートの前後長を最大限に生かしましょう

お尻をシートのどこに置くかで伏せやすさは変わってきます。前寄りに座ると、伏せたときにタンクがお腹につっかえるし、首の角度もきつくなります。なので、お尻を後方に引き、アゴをタンクの上に付けるイメージで伏せると良いと思います。

A=Aoki:両足でタンクを挟み、猫背にする意識を持とう!

両足でビシッとタンクを挟むところから始まります。上半身は腹筋を使って猫背にするイメージ。体格にもよりますが、背中が真っ直ぐだとカッコよくないし、少し丸い方が空気抵抗も減り、スピードが伸びる気がします。

ヒジとヒザはできるだけコンパクト。これも空気抵抗を減らすためです。あまり前方に着座するとヒジやヒザがカウルからはみ出しやすくなります。着座位置はヒジやヒザが畳みやすい程度に後方がいいと思います。

首がつらいのは……仕方ありません。こればかりは慣れるしかないと思います。

前乗りだと収まりにくい。
カウルの中に収まるように!

Q2:右コーナーでリアのブレーキペダルをどう踏む?

A=Aoki:かかとをヒールガードに押し付け、小指で踏む

頑張って踏みます(笑)。足首の可動度合いやブーツによるので一概に言えませんが、私はカカトをヒールガードに押しつけ、ステップにはほぼ足を置かず、右足の小指あたりでペダルを踏んでいます。

A=Nakano:ブレーキングの後に踏み換えています

正直、私も苦手(笑)。ほとんどの場合、ブレーキが終わってリーンする際に踏み換え、つま先をステップに乗せています。どうしても使う必要があれば、写真のように足裏を車体側に向けて置きます。

Q3:下半身ホールドが苦手! バイクとの一体感はどこで感じる?

A=Aoki:エンジンとリンクしたとき一体感を感じます!

私がバイクとの一体感を感じるのは、スロットルワークとエンジンのレスポンスがビシッと連動した時ですね。エンジン性能を100%近く使っている時、「バイクを操っているなあ!」と思えます。一体感はバイクと接している部分ではなく、スロットル操作で得ているんです。

一体感は右手で感じる

A=Nakano:ライディングフォームがすべてだと思います

下半身ホールドと言いますが、私の場合マシンの挙動は「腰」で感じています。腰で感じられるフォームが出来れば良いですね。着座位置が前過ぎるとリアが思うように沈まず、腰で感じられませんね。

次ページ【街乗り編】

街乗り編

レーシングライダーだってツーリングもするワケで、公道でのライテクにも一家言あって当然。そこで、街乗りで使えるテクニックや意識の持ち方などを質問してみた。すると、実はサーキットで役立つような回答もあった!

Q1:Uターンが苦手です!

A=Aoki:半クラとリアブレーキで上手く調節しましょう

私も苦手です(笑)。半クラッチとリアブレーキを使う練習をしましょう。ベテランのようにクルッと小さく回らなくてもいいです。最終的にバイクの向きが変わればいいのですから、降りて押すのもアリ。

リアブレーキで速度を調節

A=Nakano:スロットルは一定でクラッチで速度調整

まずは両足を着いてコツを掴んでいく感じでしょうか。ヨロッときたら焦ってスロットルを開けてしまいがちですが、姿勢が崩れて不安定になります。2ストみたいにクラッチワークで進む方がいいでしょう。

半クラッチで進む方が安心。

Q2:公道でもサスペンションセッティングはしていますか?

A=Aoki:基本的には標準の設定のまま乗っています

私はしませんね。公道では飛ばさないし、セッティングも基本的には「吊るし(スタンダード)」のまま。いじったとしても減衰を少し緩める程度でしょうか。サーキットではもちろんセッティングします。

A=Nakano:最近の電子制御サスペンションは優秀。おまかせでも良いでしょう

近年のバイクはよく出来ているので、あまりしないです。SSならスポーツ走行用に少し硬めなので柔らかくして、乗り心地や足着きをよくすることはあります。あとはある程度ブレーキのかけ方や乗り方でカバーします。ライディングモードに連動する電子制御サスペンションはプロの目から見ても秀逸。走りながらでも変更できるので、イジると楽しいですよ。

電子制御サスペンションなら、バイクにおまかせ。

Q3:サーキットの経験で公道に活かせることは?

A=Aoki:公道の危険性を知り安全意識が高まります!

安全性に配慮されたサーキットを走ることで、公道がいかに危険か分かります。公道の怖さに気付くことが、もっとも有意義な「サーキットでの経験」ですね。テクニックとしてはブレーキングです。公道ではハードブレーキングは原則的にありません。でもサーキットでは超高速~極低速へと減速しますので、「こんなにかけられるのか!」という経験ができます。これが公道でのいざという場面で役立ちます。

逆に、公道でサーキット走行のため練習ができるのもブレーキングです。赤信号などで停止する直前、できるだけ丁寧なタッチでレバーをそっと握り、完全に停止した時にもフロントフォークが伸びないくらいゆっくり止まる。これは有効な練習になります。

A=Nakano:バイク操作にまつわるあらゆることです!

前後ブレーキの掛け方や体重移動などなど、活かせることは本当に多いです。高速域で出来ることは、公道の低速域でも出来る。危険予知や安全マージンの取り方も、サーキットでの経験が生きています。