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[多聞恵美ルポ・香川県]うどんがうまい四国・讃岐国で麺ロードツーリング

かつて讃岐国と呼ばれた四国の香川はツーリングの人気エリアの一つ
その香川ツーリングで、ぜひ食べたいのが讃岐うどん
その昔、弘法大師が中国から持ち帰ったのが始まりだと伝わるうどん
県内で何百軒もの讃岐うどんの店が点在する香川は
いまや名実ともに日本一のうどん県として全国的にも知られる
“かまたま”&“ぶっかけ”発祥店から“釜あげうどん”の人気店まで
絶景が広がる瀬戸大橋を渡って、讃岐国で讃岐うどんを食べまくり!

絶景の瀬戸大橋を渡り いざ、うどんの国へ!

毎年のことだけど、お正月などで味の濃いものが続いたので、この時期ってあっさりとした食べ物が恋しくなる。というわけではないですが、今回のうまいもんのテーマは〝うどん〞。うどんといえば、やっぱり四国・香川、讃岐国。そう、日本一のうどん県です。それでは早速、讃岐を目指して出発しま〜す。

関西方面から四国へは、明石海峡大橋、大鳴門橋を渡る淡路島経由と、瀬戸大橋を渡る山陽自動車道経由が代表的なルート。調べてみると、どちらのルートも時間や高速代があまり変わらなかったので、今回は久々に瀬戸大橋を渡って行くことにします。旅のパートナーは、ホンダ・ADV150。排気量は少し小さいけど、高速道路はもちろん意外と長距離もヘッチャラ。ライディングポジションの関係なのか、アイポイントが高くて、何度も渡ったことのある瀬戸大橋だけど、なんか遠くまで景色が見渡せる感じ。天気が良かったせいか、今まで見たなかで一番瀬戸大橋からの景色がキレイに感じました。

瀬戸大橋は本州(岡山県)と四国(香川県)を結ぶ10の橋の総称。全長約12㎞の橋の上からは瀬戸内海の多島美が広がり、快適な走りが楽しめる。橋の途中には与島PAもある

そうこうしているうちに、1軒目のお店「山越うどん」さんに到着。この山越うどんさん、なん百軒ってある香川の讃岐うどんのお店のなかでも超有名なお店。じつは一度食べてみたかったお店の一つなんです。まだお昼前なのに、ドンドンお客さんがやってくる。

表側(!?)からちょっと道に入った所がお店の入口。入るとすぐにカウンターがあって、ここで「かまたま1玉!」って注文します。そう、山越うどんといえば、絶対に食べたいのが〝かまたま〞。いまでは讃岐うどんの代表的な食べ方の一つのかまたまうどんですが、じつはこの店が発祥だそうです。なんでも昔、常連さんが生卵を持参して釜あげ(うどん)に混ぜていたのを、試しに食べてみたら美味しかったそうです。それが、そのままメニューになったとか。

釜から茹でたてのアツアツの麺に、生卵をかけただけのとてもシンプルなうどん。これを受け取って、庭のような所にある席で食べるのが、この店のスタイル。テーブルに置いてある、かまたま専用のダシ醤油をかけて、いただきま〜す! 製麺所直営のお店というだけあって、麺が絶品。そのアツアツの麺に生卵が絡んでめちゃ旨! ダシ醤油との相性も抜群で、なんかめちゃくちゃ美味しい卵かけご飯みないな感じ。1玉なんてあっという間に完食。しまった、大(2玉)にしとけば良かった!

山越うどん

1941年創業の製麺所直営のお店。開店と同時に行列ができるほどの人気ぶりで、その大半の人が注文するのが“かまたま”。釜から茹でたてのアツアツの麺に、生卵を絡めた“かまたま”はこの店の発祥。専用のダシ醤油を軽くかけるて食べると、驚くほど美味

DATA

香川県綾歌郡綾川町羽床上602-2
TEL087-878-0420
営業時間:9:00〜13:30(麺がなくなり次第終了)
定休日:日曜・水曜
https://yamagoeudon.com
かまたま 小(1玉:300円
正式名称は釜あげ玉子うどん。アツアツの麺に生卵が絡んで、絶品の味わい。麺は、その日の気温や湿度などで配合、練りなど打ち方を変えるほどのこだわりで、ツルッと滑らかな喉ごし。かまたまに山芋のトロロをのせた「かまたまやま」350円(小)も人気

うどんDATA
●1 玉:約220g
●薬味:ショウガ、七味、ワサビ、味の素
●サイドメニュー:天ぷら・あげ各120 円、すだち・卵・山いも・マヨネーズ各50 円
●土産用うどん:あり(通販可)

お昼とか行列ができるほどの人気店だけど、けっこう人の回転が早いので、すぐに順番がくるので大丈夫。ただ営業時間はお昼の1時30分までだけど、うどんがなくなり次第お店を閉めるそうなので、絶対に食べたいという人は、早めの来店がオススメです。

※この記事は2021年BikeJIN4月号に収録されたものです。お店などの情報は当時のものです、ご了承ください。

“こんぴらさん”を参って讃岐うどんをはしご!

香川といえば、讃岐うどんともう一つ有名なのが〝こんぴらさん〞。海の神様を祀る「金刀比羅宮」は、香川ツーリングでは定番のスポット。せっかく香川まで来たので、ここは〝こんぴら参り〞で、今年1年の安全を祈願することに。

山越うどんさんから〝こんぴらさん〞までは、バイクで20分ほどと意外とご近所。街乗りも楽ちんのADV150だと、〝こんぴらさん〞周辺みたいな観光地もとても走りやすい。しかもメットインなので、いつも悩むお土産の収納場所も心配ご無用! ADV150を止めて、お土産屋さんが並ぶ表参道を歩いて、いざ〝こんぴら参り〞へ。うわぁ〜、見えてきた石段が! そう、〝こんぴらさん〞といえば御本宮までの785段の石段が有名。以前は石段かごっていう籠に乗って途中の大門まで行くことができたそうだけど、高齢化を理由に昨年廃業したそうです。残念! 自分の足で、石段を登ること30分、ようやく御本宮に到着。象頭山の中腹に広がる御本宮からは讃岐富士とか周辺の街並みが一望できます。御本宮でツーリングの安全を祈願して、今度は石段を降ります。ちなみに御本宮からさらに583段登った所に奥社があります。今回は時間の関係で、奥社は参らなかったけど、体力に自信ある方はぜひどうぞ。

金刀比羅宮

“さぬきのこんぴらさん”の愛称で、海の神様として親しまれる金刀比羅宮。土産店などが並ぶ表参道から象頭山の中腹に広がる御本宮まで続く785段の石段は、こんぴら参りの名物。ここからさらに583段登った場所には奥社がある

DATA

香川県仲多度郡琴平町892-1
TEL0877-75-2121
参拝時間:6:00〜18:00
御札所開扉時間:9:00〜16:00
定休日:なし
参拝料:なし
http://www.konpira.or.jp
大宮橋を渡って金刀比羅宮へ。琴平町内は一方通行なども多いので走行注意。今回のADV150は高速道路はもちろん金刀比羅宮周辺などの街中の走りも楽ちん。メットインもあるので、お土産用のうどんも買って帰ることもできる

こんぴら参りで体力を使ったせいかお腹が減ったので、ちょっと遅めのお昼ご飯を食べることに。もちろん、お昼も讃岐うどん。〝こんぴらさん〞から15分ほどの場所にある「山下うどん」さんは、ぶっかけうどんの元祖のお店。ざるうどんにかけうどん、肉うどんとか色々とありますが、ここはやっぱり〝ぶっかけうどん〞。茹でたての麺の温と、冷水で締めた冷、その中間のひやあつから選びます。〝こんぴらさん〞で汗をかいたので、「ぶっかけうどんの冷の小をください」と注文。

茹でたての麺にダシをかけて食べるぶっかけうどんは、これぞ讃岐うどんって感じ。讃岐うどんブームで、いまは香川以外でも讃岐風のうどんが食べられるけど、それらとは全然別物。ツルツルっとした麺はコシがあって喉ごしも抜群。ぶっかけのダシはイリコベースで麺との相性もバッチリ。トッピングの天かすが、食べていると、このダシを吸い込んで、ドンドン旨味が増していく感じ。レモンを搾って食べるのですが、うどんとレモンがこんなに相性がいいなんてちょっと感動です。ちなみに天ぷらやおでんとかのサイドメニューもいっぱいあるので、ぜひ食べてください。

山下うどん

茹でたての麺にダシをかけて食べる“ぶっかけうどん”の元祖として人気の店。ご主人が力強く打つ麺は、コシが強く、喉ごしもツルツル。これぞ正統派讃岐うどん。イリコをベースとしたダシとの相性も抜群で、トッピングされた天かすが、旨味をプラスα

DATA

香川県善通寺市与北町284-1
TEL0877-62-6882
営業時間:9:30〜17:00(コロナ禍は〜16:00、麺がなくなり次第終了)
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
ぶっかけうどん小(1.5玉):300円
強烈なコシと喉ごし抜群の麺が多くの讃岐うどんファンを魅了するぶっかけうどん。麺を冷水で締めた冷、アツアツの温、中間のひやあつの中から選ぶ

うどんDATA
●1 玉:約220g
●薬味:ショウガ、七味、ゴマ
●サイドメニュー:天ぷら100 円〜、おでん110 円〜、いなり寿司110 円(1個)、ばら寿司200 円など
●土産用うどん:あり

本日2杯目の讃岐うどんを完食。でも、胃袋はまだまだ余裕。それでは3杯目に行きますか!? って次に向かったのが、釜あげうどんで有名な「長田in香の香」さん。じつはこのお店、テレビの取材で一度来たことがあって、個人的には釜揚げうどんでは一番好きな店なんです。 うわぁ〜、なんか懐かしい!早速、お店に入って、釜あげうどんの大(1・5玉)を注文。それではいただきま〜す。まずは麺をお味見。じっくりと釜で茹でるせいか、表面が柔らかく、もっちりしているけどコシがある不思議な食感。麺だけでも食べられるほど美味しい。で、徳利に入ったアツアツのダシを器に注いで、これに麺をつけて食べるのが、釜あげうどんの醍醐味。イリコをベースにカツオ、コンブで取ったというダシは、先代から受け継いだ秘伝の味。このダシを目当てに、全国からファンが訪れるほど。お店の人曰く、3玉(特大)をぺろりと食べる人も多いとか。このダシで炊き込んだ季節の炊き込みご飯はこれまた絶品で、釜あげうどんのお供にぜひ食べたい逸品。う〜ん、大満足!

釜あげうどん 長田 in 香の香

“釜あげうどん”一筋で勝負する人気店。絶妙な茹で加減の釜あげを、そのままダシにつけて食べるのがこの店のスタイル。イリコ、カツオ&昆布を使ったダシは、50年以上続けてきた先代から引き継いだ秘伝の味。このダシを使った炊き込みご飯300円も絶品

DATA

香川県善通寺市金蔵寺町1180
TEL0877-63-5921
営業時間:9:30〜16:00ごろ(麺がなくなり次第終了)
定休日:水曜・木曜(祝日の場合は営業)
https://kanoka.jp
釜あげうどん 大(1.5玉):400円
メニューは釜あげうどんと、水で締めた冷やしうどんの2種のみ。絶妙の茹で加減の麺は表面が柔らかいのに、しっかりとコシがあり、イリコベースの秘伝のダシとの相性も抜群。麺が9玉入ったたらい大2400円などもあり

うどんDATA
● 1玉:約230g
●薬味:ネギ、ショウガ、七味、ゴマ
●サイドメニュー:おすむび・赤飯など各200円、炊き込みご飯・いなり寿司など各300円
●土産用うどん:あり(通販可)

あっさりとしたうどんで、胃袋を休めるはずだった今回のうまいもん。気がつけば、撮影用と実食用と、3軒で5玉以上のうどんを完食。でも、まだまだ食べられそうな気が……。さすが〝恐るべきさぬきうどん〞!

関西方面から香川県へのアクセスは、明石海峡大橋、大鳴門橋を渡る淡路島経由と、瀬戸大橋を渡る山陽自動車経由の主に2ルート。どちらのルートも3時間弱で到着する。1軒目の山越うどんの最寄りICとなる府中湖はスマートICなので、ETC搭載車のみ利用可能だ

※この記事は2021年BikeJIN4月号に収録されたものです。お店などの情報は当時のものです、ご了承ください。