
【ホンダ Rebel250 S Edition E-Clutch】難しいを徹底排除した気軽なバイクの究極系
’24年型のCBR650RとCB650Rに、市販車として初採用されたクラッチ自動制御機構のEクラッチ。その利点を最大限に活かせるモデルとして、レブル250以上の存在はないかもしれない。操縦をとにかくイージーに楽しめる、この新たなEクラッチモデルは、最強の初心者支援バイクであり、リターンライダーの掘り起こしにもつながりそうだ。
PHOTO/K.OKUZUMI TEXT/T.TAMIYA
取材協力/本田技研工業
☎0120-086819
https://www.honda.co.jp/motor/
ライダーの裾野を広げる自動クラッチ第2弾
完璧すぎる狙い澄まし感だ。690㎜のローシート設計と、クルーザースタイルながらスポーティな走りも許容するクセのないハンドリングで、初心者や小柄なライダーでも安心できる操縦性を誇ってきたレブル250に、発進停止と変速をイージーにするEクラッチを組み合わせてしまうなんて。これを超えるエントリーバイクは思いつかない。
Eクラッチは、あらゆるシーンでクラッチ制御をバイク任せにできるシステム。変速は常時マニュアルで、シフトペダルを備えるため、ギアチェンジする楽しさは残されている。
最高に素晴らしいのは、クラッチレバーを握るだけでライダーがいつでも強制介入可能なところ。瞬時にマニュアルクラッチ車として扱え、レバー操作を終えてから数秒後には、再びオートクラッチモデルに戻る。
もっともレブル250に搭載されている249㏄水冷単気筒エンジンとEクラッチの相性は非常によく、半クラッチ制御も秀逸なので、上級者でも少し慣れたら、クラッチレバーを握る瞬間は訪れないかも。テスト目的でいやらしい極低速走行を繰り返そうが、スロットルを閉じたままシフトアップしようが、逆に開けたままダウンしようが、ギクシャクすることなく操作を許容し、常にスムーズな走りをもたらす。

第1弾の650シリーズと同じく、レブル250も電子制御スロットルは採用していないので、シフトダウン時のオートブリッピング機能はない。このため650は、超高回転域で2→1速にシフトダウンすると、瞬間的に車体の挙動が乱れることがあった。ところがレブル250の場合、シフトダウン時の半クラッチ時間が微妙に長く、レブリミット付近で1速まで落としたとしても、タイヤがキュッと鳴くことはない。
唯一気になったのは、エンジンの右側に追加されたクラッチアクチュエーターユニットが、右足のふくらはぎに触れるところ。ただしアクチュエーターのカバーは、足に触れても不快感がない形状とするなどの配慮が施されており、乗っているうちに違和感は減っていった。

まあ、はっきり言って細かいことはどうでもいい。これは確実にバイクの敷居を下げ、気軽なだけでなく、操る楽しさの入り口にもなるモデルだから。ここからスタートすれば、バイクの難しさにめげることもないだろうし、かつてライダーだった人たちが戻ってくるかも、と思わせてくれる存在である。
まずはここから。レブル250 Eクラッチは、身近な人たちに自信を持って薦められる優しさだった。
HONDA Rebel 250 S Edition E-Clutch





エンジン | 水冷4ストローク単気筒 DOHC4バルブ |
---|---|
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 26ps / 9500rpm |
最大トルク | 22Nm / 6000rpm |
タイヤサイズ | F=130/90-16 R=150/80-16 |
ホイールベース | 1490mm |
シート高 | 690mm |
車両重量 | 175(174)kg |
燃料タンク容量 | 11L |
価格 | 73万1500円(69万3000円) |