
走りの果てに、何を見つける?日本三霊山ラリー2025開幕!
富士山・立山・白山──。日本を代表する三つの霊峰をめぐるラリーイベント「日本三霊山ラリー2025」が10月11日(土)・12日(日)の2日間で開催される。地域の文化や自然と出会いながら、五感で走る“三霊山”を舞台にした新たなツーリングラリーが、今秋いよいよ開幕!
自分を見つめる旅今年も開幕!
日本三霊山ラリーという新しいスタイルのツーリングイベントが、この秋スタートする。
発案者は冒険家・風間深志さん。富士山頂からエベレスト、そして南極まで、バイクで地球を走り抜いてきた男が、満を持して日本の道に仕掛けるまったく新しい〝旅の体験〞だ。昨年第1回開催され、今年も開催される。
舞台となるのは、富士山・立山・白山という三つの霊峰。自然のスケール感と、それぞれの地に根づく文化の深さ。そんな場所をバイクで巡るラリーに、どこか神聖な響きすらある。
ラリーとはいっても、速さや優勢を争うものではない。決められたスタート地点とゴール地点があり、そのあいだで指定されたポイントを巡りながら、一定以上のスコアを積み上げていくというシンプルな仕組みだ。タイムを競う必要も、ルートが固定されているわけでもない。どの道をどう走るかはすべて参加者にゆだねられている。言い換えれば「自由と選択」がこのイベントの本質であり、誰にとっても〝自分だけの旅〞になるよう設計されている。
細かいルールや仕掛けはさておき、要するにこのラリーは「どんな旅をしたか」が大事なのであって、「どれだけ早く着いたか」はまったく問われない。道中にどこへ立ち寄り、どんな景色を見て、誰と出会い、何を感じたか。それぞれがその瞬間に選んだ〝ひとつひとつ〞の積み重ねが、走り終えたあとに濃密な記憶となって残る。風間さんがこのラリーに込めた思いは、走ることの意味をもう一度問い直すこと。バイクに乗っている時間は、いつだって〝目的地〞より〝過程〞にこそ価値がある──そう感じてきたライダーであれば、このイベントの設計思想にはきっと共鳴できるはずだ。
どれだけの距離を走るか、どこまでポイントを集めるか、それも自由。時間の使い方、休憩のタイミング、宿泊地の選び方すら、その人の旅の個性になる。イベントでありながら、縛られない。用意されていながら、つくっていく。そんな自由と導きのバランスが、このラリー最大の魅力かもしれない。
エントリーはすでに受付中。参加定員は2000台。興味がある人は、なるべく早めにチェックしておいてほしい。
今年の秋は、「走る」という行為を、自分の手に取り戻す2日間にしてみてはいかがだろうか。
日本三霊山ラリー2025開催概要
イベント名 : 日本三霊山ラリー 2025
開催日程 :2025年10月11日(土)〜10月12日(日)
スタート会場 : 富士山御殿場口新五合目 駐車場(静岡県御殿場市)
ゴール会場 : 一里野温泉スキー場(石川県白山市)
※完走登録は17:21まで(=日没時間)
※10月11日中のゴール登録は不可
参加定員 : 2000台(定員になり次第終了)
参加費 : 6776円(ソロ)、9776円(タンデム)
※別途エントリーシステム利用料が発生(ソロ : 216円/タンデム : 312円)
エントリー期間 : ~2025年8月24日(日)
※定員に達し次第受付終了
ルール:
・スタートは静岡県・富士山御殿場口 新五合目駐車場
・ゴールは石川県・一里野温泉スキー場(ゴール登録は日没まで)
・ラリーは2日間で開催(途中、富山県で中間イベントあり)
・道中に設定されたチェックポイントを巡りながらツーリング
・立ち寄りポイントによって獲得できるスコアを取得、一定以上のポイントを集めたうえでゴールすれば完走
ツーリングエリア(中部日本トライアングルルート)の概要
富士山・立山・白山──静岡、富山、石川にまたがる三つの霊峰をつなぐルートは、全体でおよそ500㎞から1000㎞前後。バイクやスキル、走行スタイルに応じて、日帰り感覚の区間走破から、丸ごと2日間かけたロングライドまで、自由自在にルートを組むことができる。
各地のアクセスは良好で、高速道路や山岳ルートをつなげば変化に富んだ行程が楽しめる。富士山五号目からスタートし、標高の高い峠を越えて日本海側へ抜けていくその道筋は、単なる移動ではなく「地形を走る」面白さにあふれている。
白山の後は翌日また富士山へ……。そんな日本の真ん中に大きな三角形を描くツーリングを「中部日本トライアングルルート」と呼称、ライダーへの定番化を構想しているとのこと。ラリーイベント自体は白山で終わるが、最後に富士山に戻ることで自分だけの大三角形を描くのも面白いかもしれない。

標高3776メートル。日本最高峰。静岡県と山梨県にまたがり、その美しい円錐形の姿は日本の象徴ともいえる存在。古くから信仰の対象とされてきた霊峰であり、「日本一の山」として国内外の登山者・観光客を引きつけてやまない

立山(たてやま)
標高3015メートル(主峰・雄山)。富山県の北アルプスに位置し、「立山連峰」として知られる山岳信仰の中心地。古来より“地獄の入口”と“極楽の象徴”をあわせ持つ修験の山とされ、自然崇拝や死生観とも深く結びついている
白山(はくさん)
標高2702メートル。石川県・岐阜県・福井県にまたがる霊峰。奈良時代に泰澄(たいちょう)によって拓かれた白山信仰の本山であり、「白山比咩神社」などの神域を抱く。豊かな植生と清らかな湧き水を持ち、「水の山」「祈りの山」として知られる



昨年は200名ほどが参加し、一人で、仲間で、思い思いのスタイルで参加。山伏による法螺貝によるスタートパフォーマンス、風間深志さんとのプチツーリングやこのイベントならではのスペシャルトークショーなど、ここだけのツーリング体験が行われた
