
【スズキ DR-Z4S】林道&トレイルで走破性の高さを再確認!
令和の時代、まさかあのDR︲Zが一新して復活するとは! 排気ガス規制クリアを基準に再構築されたエンジンに伴い、フレームや外装形状をも巻き込んでブラッシュアップ。前記の排ガス規制で牙を抜かれた250㏄トレール、モタードに不満足なアナタ、DR︲Zはハイプライスを肯定するだけのハイスペックを持つ、「攻め=レーシー」と「余裕=クルージング」を備え持つトレール、モタードの2台。本誌スタッフが改めてDR-Zに対峙してみた
PHOTO/A.Kusudo 楠堂亜希
エンジン、車体すべてが最適化されて乗りやすい
前回でお伝えしたメディア試乗会は、スリッピーなサンドフラットコースという、重量のあるトレールモデルには少々酷なシチュエーションだったが、重量バランスや適度な剛性感、パワフルでありながらも扱いやすいエンジン特性のおかげで、想像以上のダート走破性を感じることができた。
今回はさらに特性を浮き彫りにするため、フラットダートや砂利林道、シングルトレイルの連続するオフロードコースや、舗装ワインディングでインプレッションしてみた。

151kgという重量は決して軽くはなく、足場の悪い箇所では立ちごけをする可能性は正直あると感じたが、それよりもやはり走り出してからのバランスの良さが秀逸で、むしろ軽ささえも感じる瞬間があるのが面白い。簡単にフロントが浮き上がるほどの軽快感ではなく、前後輪をしっかりトラクションさせながら、ヒラヒラとコーナリングできる感覚と言った方が正しいかもしれない。
エンジンのパワフルさ、瞬発力は申し分なく、標準モードで全く不満がないが、加速重視のモードや穏やかな街乗り向けモードにすることで、さまざまなシチュエーションに合わせてくれるのも嬉しい。リアABSモードはスイッチでOFFにできる。


フラットダートでのブレーキターン~アクセルターンも想像以上にやりやすく、また連続ギャップを含むコースでも、予想を超える穏やかな挙動、つまりしなやかで良質なサスペンションの吸収性も感じることができた。
今後のサスペンションショップによるカスタマイズや、アフターパーツ換装による軽量化も楽しみだが、素の状態で日高エンデューロを楽に完走させてくれそうなポテンシャルを感じたのはとても嬉しい。バイザーやラリータワーを装着してラリーを楽しむのもアリだろう。


