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【JSB1000通算100勝へのカウントダウン|中須賀克行】最終戦を待たず13回目のチャンピオンを獲得。AP、岡山と連勝で通算優勝回数は94に【百”勝”錬磨】

異常とも言えた真夏の暑さもひと段落。中須賀は、標高800mと全日本ロードレース選手権開催サーキットの中で最高地点に位置する大分・オートポリスの2レースで連勝を飾る。続く岡山国際でのレースも制して3連勝を達成した。そしてこの通算94勝目は、13回目のチャンピオンを決定する勝利となった。

Katsuyuki Nakasuga
1981年生まれ、福岡県出身。2005年から全日本ロードレースの最高峰JSB1000クラスに出場し、今年の岡山国際のレースで13回目のチャンピオンを獲得。2021~2022年は2年連続で全勝した。鈴鹿8耐では2015~2018年に4連勝している
PHOTO/YAMAHA TEXT/M.SAKUMA
取材協力/ヤマハ発動機 
☎0120-090-819 https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/

前途を祝福するかのようなオートポリスの奇跡の天候

中須賀克行がヤマハの契約ライダーとしてJSB1000に参戦したのは’06年からで、今年でちょうど20シーズン目を迎えた。そしてその節目の年に、13回目のチャンピオンを獲得した。チャンピオン獲得率は実に65%と、驚異の数字だ。

酷暑との戦いとなった第4戦もてぎ大会の2レースを、どちらも2位で終えた中須賀だが、続く第5戦オートポリスと第6戦岡山国際は、ともに勝率60%を超す相性の良いサーキット。特にオートポリスは’07年にJSB1000で初優勝を遂げたサーキットで、中須賀自身も得意意識を持つ。

日曜日はJSB1000のみ天候が回復してレース2が開催され、そこで中須賀は93勝目を記録した。
日曜日はJSB1000のみ天候が回復してレース2が開催され、そこで中須賀は93勝目を記録した。

結果的に中須賀は、そのオートポリスでの2レース、9月13日(土)のレース1と14日(日)のレース2で連勝するのだが、レース2は前代未聞のものとなった。14日(日)の最初のレースに予定されていたJ-GP3は、濃霧のためスタート順延の末に中止。同様にST600も中止となった。しかしJSB1000は、スタート直前に霧が晴れてレースが行われた。

そして優勝した中須賀、2位の野左根航汰、3位の伊藤和輝の3人による記者会見中に豪雨がコースを叩き始め、再び濃霧がサーキットを覆い、その後に開催されるはずだったST1000は中止となる。

この結果、中須賀は次戦の岡山国際で1ポイント獲得すれば(=15位に入れば)、ライバルのリザルトに関係なくチャンピオンを獲得することが確定した。オートポリスの天候は、まるで中須賀のチャンピオン獲得を後押しするようでもあった。

1ポイントに揺れたメンタル。13回目のチャンピオンと94勝

そのチャンピオンのかかった岡山国際で、中須賀のメンタルは揺れていた。チャンピオンを獲れる可能性があるなら、確実に獲りに行くというのが中須賀の考えだ。しかし一戦必勝も中須賀の信条。手堅く1ポイントを狙いに行くのか、いつも通りに優勝を目指して行くのかの狭間にいた。

これについて吉川和多留監督はこう語る。

「予選結果から、水野涼選手、阿部恵斗選手、長島哲太選手、野左根航汰選手が上位にいて、スタート直後はポジション争いが激しくなることが予想されました。だから、うまく混戦を抜け出せれば、そのまま自分のペースで優勝を目指す。抜け出せなければ、じっくりと様子を見るという戦法を伝えました」

実はこの岡山国際でも、中須賀は天候に恵まれた。大会1週間前に行われた合同事前テストでは、ドライ、ウエットの両コンディションを走ることができ、特にドライ路面でのロングランテストも実施して好感触を得ていた。レースウイークは走り出しから雨が続き、決勝レースのみドライコンディションとなった。これで中須賀の戦略は大きく広がった。

決勝レース、2周目にトップに立った中須賀は、誰よりも速いペースで終盤までタイムを落とすことなく独走する。最終ラップに赤旗が提示され、レース中断でピットに戻ったが、そのままレースは成立となった。

結果、通算94勝目を挙げるとともに、13回目のチャンピオンを獲得したのである。

これで通算100勝まで、残り6勝となった。最短では来年の第3戦オートポリスにおいて、そのシーンが見られる計算になる。

第5戦 オートポリス JSB1000 Race Result Top3

Race1 Weather :Cloudy/ Track :Semi-Wet

PosRiderTeamMachineTypeLapTotal TimeBestNote
1中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAMYAMAHA YZF-R1YAMAHA1527’32.1061’48.825Fastest
2野左根 航汰Astemo Pro Honda SI RacingHonda CBR1000RR-RHonda1527’40.7291’49.674
3津田 拓也Team SUZUKI CN CHALLENGESUZUKI GSX-R1000RSUZUKI1527’41.0531’49.578

Race2 Weather :Cloudy/ Track :Wet

PosRiderTeamMachineTypeLapTotal TimeBestNote
1中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAMYAMAHA YZF-R1YAMAHA1221’54.2871’48.785Fastest
2野左根 航汰Astemo Pro Honda SI RacingHonda CBR1000RR-RHonda1222’02.0701’49.034
3伊藤 和輝Honda Dream RT SAKURAI HONDAHonda CBR1000RR-RHonda1222’03.3081’49.661

第6戦 岡山国際 JSB1000 Race Result Top3

Weather :Fine/ Track :Dry

PosRiderTeamMachineTypeLapTotal TimeBestNote
1中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAMYAMAHA YZF-R1YAMAHA2233’44.4651’31.318Fastest
2野左根 航汰Astemo Pro Honda SI RacingHonda CBR1000RR-RHonda2233’57.6971’31.981
3長島 哲太DUNLOP Racing Team with YAHAGIHonda CBR1000RR-RHonda2233’57.9761’32.036

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