激闘の狭間GPライダーの底力を見せつけたシュー|2025 JMX D.I.D モトクロス選手権 第4戦 中国大会

昨年度IA2クラスのチャンピオン・中島漱也が、強豪ブライアン・シューとの白熱の2ヒートを制し、総合優勝を獲得。世界を見据える中島の走りから目が離せない!

■ DIRTSPORTS 2025年9月号
PHOTO&TEXT/D.Miyazaki 宮崎大吾

中島漱也、連覇ではなく“世界”を見据えた挑戦

昨年度IA2クラスチャンピオンの中島漱也(YAMAHABLUCRURACINGTEAMTAKA)が、今季同クラスに挑むモチベーションは、ただの2年連続チャンピオン獲得ではない。世界のレベルへ自身を導くことが課題なのだ。

その意味で今季MXGPライダーとして活躍し、現在はイタリア選手権をメインに戦うブライアン・シュー(Autobrothers)の存在は、中島にとって強敵ではあるがポジティブと言って良いだろう。それが仮に敗北を喫したとしてもだ。

ヒート1、ブライアンが好スタートを決めてレースを支配するかのように見えたが、9周目に突然の転倒。チェーン外れによりタイムロスを余儀なくされ後退。大きく引き離されずに懸命に追いかけた中島はこれで逆転。優勝を飾ったのだった。

ヒート1はトップグループを快走した森優介(TEAM ITOMO with オフロードビット那須)は7位へ。スタートが決まる森にも注目したい

ヒート2はその中島がホールショット。2番手にチームメイトの田中淳也(YAMAHABLUCRURACINGTEAMYSP浜松)。この2人が快走を続ける中、出遅れたシューが開幕戦HSR九州を彷彿させる怒涛の追い上げを見せる。

前戦で初勝利を飾った田中は、今回はライバルの中島の後塵を拝した。ヒート1、2位は2/3位と悔しい結果になったが、総合3位を獲得し、終盤戦へ向かう

最後の最後まで諦めない執念と、コースを大きく使うラインどり、丁寧なライディングはやはり際立ち、ついに中島をも逆転。ヒート1の雪辱を果たして優勝したのだった。

総合優勝は中島が獲得。長い夏休み後の走りが楽しみだ。

マシンセットが決まり、表彰台に戻ってきた前戦の横澤拓夢(TKM motorsportsいわて)。「今日は父の日、お父さんがたおめでとうございます」と登壇での挨拶で盛り上げた
勝利への貪欲な姿勢を貫き、ヒート2で日本人全員をパスして勝利したシュー。ヒート1チェーントラブル時には、「自分はメカじゃないけど、上手く直すことができたよ」と振り返った

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