IAワタライのガレ場克服ライテク:Part01【基礎知識+スタンディングフォーム】

クロスカントリーやエンデューロでは避けては通れないのがガレ場。速度域が遅く、前輪と後輪の軌跡を考えなくてはいけないガレ場は、IAワタライがモトクロス現役時代には意識していなかったテクニックだったが、ベテランエンデューロライダーとなった今は初心者~中級者へ教えるノウハウが蓄積している。さっそく2回に渡って解説してもらおう!

PHOTO/H.Inoue 井上演 コメントまとめ/D.Miyazaki 宮﨑大吾
IAワタライとして本誌インプレッションやライテク講師などでお馴染みのモトクロス&エンデューロIAライダー。スクール講師やイベント運営など多方面で活躍中。Rise&Ride代表

どこまでガレが続いているのかを見る!

ガレ場のライテクとしてまず考えなくてはいけないのは、ガレ場の最後がどこか、どこまで続いているかということです。この上り坂で言うと先の見えなくなっているところはおそらく平場と想像できます。

まっすぐなのか曲がっているのか、まずは全体を判断し、石など路面状況を判断する必要があります。

パッと見て石の状態を判断!

石の状態が転がっているのか、埋まっているのかを判断します。慣れてくれば、パッと見ただけで石が埋まっているかどうか分かるようになります。

完全なドライコンディションを除いて、レースだとマシンが通過するごとに石が濡れてくることもあり、ベストラインが変わる可能性もあります。

轍の深さなども含めて、特に上り始めは常に路面状況に気をつけておきたいところです。

手前の石は埋まっている、その先は転がっている!

「手前の石は土に埋まっているけど、その先には転がる石があるな」と判断できますか? なかなか予想がしにくく、上級者でもマシンが横を向いたりフロントが上がったりしますが、なるべく転がっている石は避けるようにします。

特にフロントが動く石に乗ると弾かれやすいので注意が必要ですね

【POINT】
ガレ場を走るテクニックの前提として、アクセルワークだけだとギクシャクしてミスを起こしやすいので、クラッチで微調整することが大事です。焦るとなかなか難しいのですが、常にクラッチワークで挙動を安定させて、優しく繋ぐ、切ることを念頭に、トラクションを生かすように心がけましょう

ガレ場での理想的なフォームは前傾でのスタンディング

状況によりシッティングでのステップ加重やニーグリップ、また後のページでも紹介するようにやむを得なくスーパーマン状態になってしまうこともありますが、基本的な理想のライディングフォームは、常に前傾姿勢でのスタンディングです。立って乗ることを目標にしたいところですが、初心者の方は怖くてどうしても座ってしまうかもしれません。

無理をしてスタンディングで転ぶくらいなら、最初から座ったほうが安全です。ガレ場でのスタンディングの練習は、まずはアップダウンのないところで行いましょう

今回のまとめ

路面状況にもよりますが、ベストラインがまっすぐ続いていることはほとんどなく、キャンバー状態のため左右に切り替えていくパターンは多いです。その際は、私のライテクスクールではよく言っていることですが、ステップ加重によりマシンの向き変えを行うことを心がけてみてください。

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