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【第11話】ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学 「等高線を読んでみよう! その2 道から地形を読んでみよう」


等高線のことがなんとなく分かってもそこから地形を読み取るのは
やっぱり難しい。でも等高線に応じた「道の形状」も
併せて見て覚えていくとある程度想像がつきやすくなる

取材協力
昭文社
http://www.mapple.co.jp/

地図は見れば見るほど味が出てくる(酢昆布みたい)!

こんにちは! そろそろツーリングマップルの発売も近づいてきましたよ~。お金、ためといてくださいね。1日百円ずつの積み立てで十分間に合いますので! さて今回は、前回の「等高線を読もう」の続きになります。とっとと参りましょう。

等高線と道路

前回は、等高線そのものを理解するために、プリンや大福、クロワッサンなどの等高線を描いてみました(読んでいない方は、前回の記事も参照くださいね)。

それを踏まえて今回は、等高線をベースに、交通、街がどう広がっていくのかを見ていこうと思います。前回も言いましたが「等高線から地形を読む」のは結構難易度が高く、いわゆる「山屋」の領域でもありますので、そうではなく、等高線が詰まっている(つまり険しい)場所には、どんな風に道が走るのか、を見て、考えようというワケです。それが分かってくると、逆に「道の形状から地形を読める」んじゃないか、という寸法です。まあ、そうウマくはいかないだろうけれど……。

早速まずは地図を……

コレ、長野県白馬村中心部の地図なんですけど、等高線と河川、山名のみに絞って表示しています。

道はどこを走るか

この地図の中心付近、等高線の間隔が広い場所が低地で(とはいえ標高700mほどですが)、比較的平坦な土地です。その周囲、等高線間隔が狭いところが山の部分になってきます。山と山の間は谷になっていて、谷には川が流れます。この地図からはそれらが読み取れますね。

ではここに、まず鉄道と国道を通してみます。

鉄道も道路も、当たり前ですがなるべく起伏の緩やかな平地を通りたいものです。だって険しいところに整備するのは大変ですし、街も平地の方が発展しやすいですからね。なので、JR大糸線も国道148号もほぼ並行して、このエリアで一番走りやすそうな、等高線間隔が広い場所を走っています。道幅は広く、開けていて、まっすぐです。

一方で長野市街へ通じる国道406号は、結構ウネウネしながら、等高線間隔が詰まっているエリアを進んでいます。こういう道は、古くからある峠道に多いのですが、白馬と長野市街の行き来に、昔はこの道が良く使われたのでしょう。

当然、土木技術の発達に伴い、新たなルートは作られます。長野市街と白馬をつなぐ道は、これより南に県道31号(通称オリンピック道路=長野オリンピックの時に整備された道)があり、そちらの方が平坦で走りやすく、メインルートになっています。対して国道406号は図で見ても分かるように、険しい山や谷を間近に通るので、細く、カーブも多く、道の状態もあまりよくなく、交通量も少ないです。つまり、読者の皆さんのようなライダーにはオススメだったりします(笑)。でも実際、沿道には歴史スポットがあったり、峠道ならではのダイナミックな景観もあったりで、いい場所だと思います。県道の方も開けていて眺めはいいんですけどね。

道の形に注目しよう

話がそれましたが、こういうのも地図をじっくり見ていると、想像できるようになります。想像ができると、素敵な景色と出会う確率も上げることができます。

さて、それでは地図に鉄道と国道以外の道も足してみましょう。

便宜的に、一般道は茶色っぽい色で表現しています。

図内に書いているように、やはり街は、平坦な地に広がっています。道の形からは区画も見て取れますね。一方、山を登る道は、ぐにゃぐにゃとした九十九折り。このように少しずつ高度を上げていかないと、登ることはできないんですね。そして山間を行く道は、大体が川沿いを走っていることも分かります。

このように、道の形・状態にはある程度パターンがあるので、これを覚えることによって、道から地形や景色を読む、ということができるかもしれません。

皆さんも、これからはぜひ、道の形もじぃっと見てくださいね。

最後に、こちらの白馬の地図ですが、ちゃんとしたものが、もうすぐ発売の20年版ツーリングマップル、関東甲信越・中部北陸に収録されます。お楽しみに!

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