
その素材で冬ツーの常識が変わる!?ナンカイが採用する「エアーフレイク」とは
ライダーが気づいていないけれど確実に効いているウエアの“影のこだわり”なかでも冬のライディングギアは素材ひとつで大きく性能が変わる。今回取り上げるのはNANKAIの“羽毛並みの保温力”を誇る中綿「AIR FLAKE®」。アナタのギア選びに差をつけるポイントをご紹介!
■ BikeJIN vol.273 2025年11月号
問:南海部品 TEL06-6344-1581
https://www.nankaibuhin.co.jp/
冬のライディングを最先端技術が守る!
近年、冬用ライディングウエアの進歩は著しく、断熱・保温・発熱などさまざまな効果を謳った製品が発売されている。選択肢が多いのは嬉しいが、情報が多くて選ぶのに迷うことも。ならば製品を送り出しているメーカーに直接話を聞くのが間違いない。そこでナンカイがその高い性能に着目して、2022年からウインターウエア全般に採用している「AIR FLAKE®(以下エアーフレイク)」についてリサーチした。
防寒の基本は、できるだけ冷たい外気に触れないようにすること。そのために有効なのが、熱伝導率が低い「空気の壁」だ。複数の衣類を重ねて着ると、その間にできる空気の層が冷気を遮断してくれる。それを1枚で行うのがすき間に大量の空気を保持する羽毛を使ったダウンジャケットである。冬場の救世主ともいえる存在なのだが欠点もある。それは供給量や価格の不安定さや、水に濡れると急激に性能が低下すること、天然素材であるがゆえにアレルギー反応を起こすことがあるなどだ。
「その欠点を克服した素材がエアーフレイクなんです」と話すのは南海部品の井上さん。エアーフレイクは取引先から提案された素材だという。「布団などに使われている化学繊維なのですが、弊社で色々とテストした結果、これはウインターウエアに有効じゃないかという結論に達したんです」。

理由のひとつは高級羽毛に匹敵するほどの高い保温性だ。独自開発により繊維をカールさせるなどして〝かさ高〞を増すことに成功。ダウンに匹敵するほど多くの空気を含むため、少量でも断熱効果が抜群に高いのだという。実際にスタッフがテストしたとき、裏起毛との組み合わせでは〝暑すぎる〞と言われたくらい。「電熱ヒーターの搭載も検討しましたが、そうすると暑すぎて蒸れてしまう」。汗を多くかいて身体が冷えてしまっては本末転倒だ。そこで適切な暖かさが確保できるよう、部分的にエアーフレイクの厚みを変えるなどして調整しているという。
また柔らかく弾力に富み、天然羽毛のような心地よさを持ち合わせているのもエアーフレイクの特徴。「そのため着心地が非常に軽く、動きやすいウエアに仕上げることができます」と井上さん。それは身体全体でバイクを操るライディングウエアにとって重要な機能といえる。それに軽量だと長時間着用していても疲れないし、バイクを降りて街を歩くときにもストレスを感じにくいのが嬉しい。
そのうえエアーフレイクは家庭で手洗いすることができる。水切れが良い素材なので、形状や保温性を損なうこともない。
井上さんはデザインについてもいろいろ検討しているという。カジュアル路線のウエアが流行っていると言われているが、振りすぎるとバイク用品店での売れ行きが伸び悩むこともあるそうだ。「バイクウエアらしさと普段着としての使いやすさの最適なバランスを追求しています」と製品を生み出す難しさも語ってくれた。
エアーフレイクは100%リサイクル原料から生まれた素材。やや割高ではあるものの、ナンカイはそのネガを上回る暖かさやライディングウエアに向いた特性、生物に負荷をかけないサスティナブルさがある素材ということで採用している。ぜひ店頭でエアーフレイク製品を手に取って、試着し、その性能を体感してもらいたい。
AIR FLAKE®ってナニ?

ナンカイが2022年からウインターウエアの断熱材として積極的に採用している、100%リサイクル原料の人工素材。天然羽毛と同レベルの軽さと保温性、柔らかさをもちながら、家庭で手洗いできるメンテナンス製の高さも持っている
AIR FLAKE®のココがスゴい!
羽毛に比べて化学繊維の中綿は重いと言われるが、エアーフレイクはその概念を払拭。繊維を複雑に絡み合わせることで大量の空気を抱え込む独自の構造を開発したのだ。それにより高い保温性と柔らかさ、弾力性、復元力などを実現。少量でも十分な性能が得られるので軽量に仕上げられる。また洗濯が容易なのも特徴。家庭で気軽に洗えるので、長く使えるのだ
①羽毛に匹敵する高い保温性
②手洗い可能でメンテ性◎
③長時間着用しても疲れにくい
エアーフレイクライディングジャケット(SDW-8141)

カラー:ブラック
サイズ:(メンズ)M、L、LL、XL (レディス)WM、WL
究極の暖かさを目指したライディングジャケット。中綿に高機能素材のエアーフレイクを採用。レインウエアと同等レベルの高い防水・透湿性能も備えているため、雨が降ってきてもそのまま走り続けられるタフネスさも持ち合わせている
エアーフレイクミドルレイヤージャケット(SDW-8140)

カラー:ブラック
サイズ:(メンズ)M、L、LL、XL (レディス)WM、WL
スマートなストレートシルエットを採用した、動きやすい構造のミドルレイヤージャケット。フロントファスナーの内側に冷気の侵入を防ぐフラップを装備している
エアーフレイクライトジャケット(SDW-8143)

カラー:ブラック、ブラウン
サイズ:S、M、L、XL、XXL
単独での使用はもちろん、厳冬期のミドルレイヤーとしても使えるジャケット。裏地に起毛素材を使用し、プロテクターポケットもあるので好みのプロテクターが内蔵可能だ
エアーフレイクライディングパンツ(SDW-8142)

カラー:ブラック
サイズ:(メンズ)M、L、LL、XL、LB、LLB、XLB(レディス)WM、WL
エアーフレイクよる暖かさと、レインウエア並みの防水・透湿性を誇る全天候型。股上を深めに設計することで寒風の侵入を防止。腰と膝にプロテクターを内蔵している
エアーフレイクライディンググローブ(SDG-3359)

カラー:ブラック、ネイビー、ブラウン
サイズ:(メンズ)M、L、LL (レディス)WM、WL
昨年発売され、暖かさと軽さ、防水性などが評価され高い人気を誇るウインターグローブにレディースサイズが追加。ナックル部にはプロテクターを内蔵し安全性を確保する
今回お話を聞いた方

企画課
井上雄一郎さん
エアーフレイク製品についてていねいに説明してくれた井上さん。「ユーザーさんからの評判も良く、自信を持って勧められるウインターウエアです」と笑顔で話してくれた