
市街地の元プロが教える安全意識の“眼 ”と“技”|元郵便局員の市街地ノウハウ
バイク事故の半数以上が市街地で発生している。なぜ、右直事故は繰り返されるのか?なぜ、交差点でヒヤリとするのか?視線の置き方、止まれる速度、車間距離の感覚、なんとなく走るでは防げない現実を3年半無事故の元郵便局員が実践してきた。“察知と対応”で回避するノウハウを伝授
■ BikeJIN vol.271 2025年9月号
文/矢巻広介
郵便局での経験が育てた市街地走行の安全意識
私編集部ヤマキは、いまの仕事に就く前は郵便局員として3年半配達業務に励んでいた。
配達の仕事を始めたとき、バイクに乗り始めてからは数年が経っていたが、正直、それまで安全に関してはあまり深く考えたことがなかった。
日々の安全に対する取り組みや、安全講習の受講、そして先輩たちの実践的な運転に学びながら自身もそれを配達(運転)で実践する、そうしていくうちに自ずと意識と行動を見直すようになる。これらのルーティンが自分の安全意識を変える大きなキッカケとなったのは間違いない。
運転技術のみならずマナーに関してもそのエリアに住む人々に見られている、というプレッシャーも多少あるので気は抜けない。気が付けば郵便業務に従事していた約3年半を無事故のまま終えることができた。
その後は本誌の編集部員として多くのツーリングを重ね、その経験値はさらに深化。今回は市街地における危険の察知と安全な走行について、実体験をもとにした実践的なノウハウをご紹介。まずは二輪事故の類型から見て行こう。
局員時代に実践していたこと
・準備体操
・ミーティング時の事故事例研究
・安全標語の唱和
・出発前の日常点検
・出発前のスラローム、一本橋
身体をほぐす準備体操に始まり、一枚の写真から起こり得る事故とその対策を話し合う事故事例研究、配達員全員での安全スローガン唱和、ブレーキ、タイヤ、灯火類、燃料の点検、出発前に郵便を積んだ状態で行う一本橋とスラロームを毎日行い安全意識を高めていた
まずはライダーの事故シチュエーションを想像してみよう

出典:警視庁(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/index.html)
事故事例のストックを自身の頭に持っておくことは危険回避につながる。「追突」であればトラックを追い越そうとして陰になってた停車中のクルマにツッコむなどだ。局員時代に行っていた事故事例研究のように事故の可能性を探るのは安全意識の向上に役立つ
1つの事故はヒヤリハットの積み重ねこんな経験を減らす意識を


元郵便局員・編集部:ヤマキ
社会人になって約3年半、郵便局の配達員としてカブで走り回っていた。そこで叩きこまれた安全に関するノウハウを実践しながら、いまのところ起こしたバイク事故は0件