
SSTR千里浜ゴールへ!雨と絶景の白川郷〜内灘サンセットツーリング|SSTR2025実走レポート③
白川郷の幻想的な風景、御母衣湖の雄大な景色、能登のご当地グルメ、そして千里浜なぎさドライブウェイの感動のゴール。雨と風に打たれながらも仲間と走り抜けた450kmのSSTRは、忘れられない冒険の記録になりました
BikeJIN vol.270 8月号
写真/逢坂聡 文/編集部
走り終えて考えるのは次の旅のこと
ここからは白川郷方面を通り、石川県を目指して走ります。国道156号を北上していくと湖水面積が約8.8㎢の巨大な御母衣湖が見えてきました。ここは日本初のロックフィル式ダム「御母衣ダム」により形成された湖で、周囲の山々を含めた雄大な景色を見ながら走ることができます。ただ、この日は残念ながら雨。誰かがインカム越しに「天気が良ければ最高の景色だよね」と呟きましたが、「天気が良い日にまた同じメンバーで走りに来る理由になるかも」と、僕は勝手にプラスに捉えていました(笑)。



雨は一向に止む気配はなかったが、常に4人で通話しながら走っているおかげで退屈することもなく快適なツーリング。インカムを通じてのグループ通話の利点を実感
雨が降るなかなのでスピードは抑えめですが、適度なワインディングルートも楽しんでいると、14時ごろ白川郷に到着。雲で遠くの山が霞むなか、合掌造りの景色は幻想的な雰囲気。このときばかりは「雨でよかったかも」と、心の中でひと言。
[14:27] 道の駅 白川郷

合掌造りの外観で、入場無料の合掌ミュージアムが併設された道の駅。世界遺産集落の目と鼻の先にある休憩拠点で多くのライダーで賑わっていた
[15:04] 飛騨白川PA

広めのバイク駐車場のPA。石川県に入る前に、ここで休憩して雨対策を万全に。予想以上に気温が低かったので、インナーダウンも装着して出発!
ここからはいよいよラストスパート。またも雨足が強くなってきたこともあり、時間短縮を狙って東海北陸道、北陸道と高速を走り、石川県入りすることに。雨に加えて風も強く吹く環境でしたが、インカム越しに会話しながらのツーリングなので、辛さはあまり感じない。周りの景色や以前訪れた周辺スポットの話などをしながら、気づけば日本海側へ。最後の立ち寄りスポットは〝道の駅 内灘サンセットパーク〞。ここは指定能登半島地震被災地応援ポイントに指定されていて、お土産として能登産の〝いしる〞を購入。奥能登塩田村の塩レモンや塩ダクワーズもいただき、最後のエネルギーチャージをしていよいよゴール地点へと向かいます。
[16:32] 道の駅 内灘サンセットパーク

晴れていれば日本海と河北潟越しに白山や立山連峰を一望できる絶景道の駅。展望ブランコもあるなどユニークな場所となっていて、カフェやお土産の品揃えが充実した売店もあるので、ここで能登産の食材を買っていくのもおすすめ

全長344mの美しい斜張橋である「サンセットブリッジ内灘」。白鳥の舞いや雪吊りをイメージしたデザインが特徴。橋上からの景色も抜群
約450㎞を走り続け、ようやくたどり着いた千里浜なぎさドライブウェイ。多くのSSTRライダーが連なって、砂浜をまっすぐに走る景色は雨の中でも迫力があり、感動的。間違いなく、SSTRでしか見られない風景でした(僕はというと、初めての砂浜走行にたじろいでしまい、スムーズに走れず……)。無事にゲートを潜ってゴール! 天候に恵まれなかった分、その喜びは感慨深いものでした。
[16:59] 千里浜なぎさドライブウェイ

日没前に4人揃って無事にゴール! 主催者・風間深志さんと記念撮影。「よく走ってきたね! がんばった!」と、労いの言葉をいただきました。降り続ける雨でずぶ濡れになりながらも、次々とゲートを潜ってゴールするライダーたちを満面の笑顔で迎えていました

千里浜の砂浜で作られたモニュメントはゴール地点の名物スポット。たくさんのライダーがゴール後に記念撮影をしていた
経験したことのない長距離や行ったことのない場所、強い風雨の中での走行。僕にとって、今回のSSTRは冒険と呼べる体験でした。ひとりではもしかしたら時間内にゴールできなかったかもしれないシチュエーション。でも、一緒に走った仲間や目指すべきゴールに向かって走り続ければ、これまでになかった経験ができる。

「次はどこまで走りに行こうかな」。千里浜をあとにするとき、頭のなかでは次のツーリング計画が始まっていました。


日が暮れて、最後のライダーがゲートを潜ったあとにゲート前で記念撮影。主催の風間深志さんやゲストとの距離が近いのもSSTRの魅力だ

