
【TRIUMPH TF250-X/450RC】エンジンが軽く回るモトクロッサー! 250は乗り心地も良好!
国内クロスカントリー、エンデューロライダーから熱い視線を受けるトライアンフエンデューロモデル。奇を衒わない実直な開発コンセプトを全面に出したニューモデル、その実力を釘村忠がインプレッション!
PHOTO/A.Kusudo 楠堂亜希 TEXT/D.Miyazaki 宮﨑大吾 試乗コース/栃木県オフロードピット那須
問:トライアンフモーターサイクルジャパン https://www.triumphmotorcycles.jp/
7月15日に世界同時発表されたばかりのモトクロッサーTF250‐Xですが、エンデューロシリーズよりもエンジン全域で力強いフィーリングを得ることができました。スタート時やアクセル全開で負荷がかかったシチュエーションでは、クイックシフターが効果的です。シフトアップ時にクラッチレバーを握る操作が不要で、ギヤチェンジもしやすく、ロスなく加速ができました。また他メーカーのマシンに比べるとトルクの太さは感じられず、エンジンが軽く回る傾向にも感じられました。
車体に関しては、今回の試乗コースにはあまりギャップがありませんでしたが、縦方向のギャップやフープスでの走破性は高いです。コーナリングでの倒し込みもしやすく、曲がりやすい。ヒラヒラとした軽快感があります。サスペンションは私にとっても馴染みの深いKYBで、前後ともにストロークの動きが分かりやすく、乗り心地は良好と思います。

一方の450ですが、こちらは力強さがありながらもエンジンが軽く回ってくれて、フィーリングも軽快です。今やどのメーカーのモトクロッサー、エンデュランサーも同様ですが、トラクションコントロールの制御が自然で、違和感なく走行をアシストしてくれます。トルク自体はエンデューロマシンの450の方がありましたが、こちらは高回転まで伸びてくれた印象です。
車体は250同様にコーナーで倒し込みやすく、轍の進入も楽にできました。まだ慣らしの済んでいない完全な新車だったこともあり、サスペンション初期は少し硬さを感じましたが、機会があれば乗り込んだマシンをまた試乗してみたいですね。
本誌岸澤 インプレッション:オーソドックスな信頼のメカニズムアグレッシブなパワー特性
TF250‐Xですが、AMAや世界各国のモトクロスシーンで活躍しているのがよくわかるパワーで、個人的には現行モデルのYZ250Fに近いモトクロッサーゆえのアグレッシブさを感じさせます。TF450RCも450という排気量ながら250並みにピックアップが良く、雨の中での試乗だったため、すぐにトラクションコントロールに頼りました。一度トラコンを入れてしまえば、適度に路面を捉えてくれる感があります。サンドのストレートでもアクセルを開けていけます。
TF250‐X/E、TF450RC/Eは、兎にも角にも既存のモトクロッサー/エンデューロのオーソドックスな良さを伸ばし、変わったことをしないことで信頼性とパワーを両立しているように思えます。車両本体価格も国産モデルとの差異が大きくないので、サンデーライダーはもちろん、選手権参戦ライダーにも選んで良いモデルだと思います。
