
【TRIUMPH TF250-E/450-E】本気を見せた英国老舗ブランドの実力に迫る!
国内クロスカントリー、エンデューロライダーから熱い視線を受けるトライアンフエンデューロモデル。奇をてらわない実直な開発コンセプトを全面に出したニューモデル、その実力を釘村忠がインプレッション!

【 釘村 忠 】
全日本モトクロスワークスライダーとして活躍後、JEC全日本エンデューロIAライダーとして幾度のタイトルを獲得。ISDEでは日本人として初めてのゴールドメダリストとして君臨した。現在はJECプロモーション代表として活躍中
PHOTO/A.Kusudo 楠堂亜希 TEXT/D.Miyazaki 宮﨑大吾 試乗コース/栃木県オフロードピット那須
問:トライアンフモーターサイクルジャパン https://www.triumphmotorcycles.jp/
ビギナーでも安心して乗れる優しいエンデューロマシン!
まずTF250-Eに乗ったファーストインプレッションとしては、初心者の方でも安心して乗れるほどマイルドで扱いやすい特性だということです。国産クロスカントリーレーサーなどと比較してもその傾向は顕著ではないかと思います。オフロードバイクに乗り慣れている方ならば、誰が乗っても怖くないマシンですね。エンジンもマイルドですし、車体特性もクセがなく、マシンコントロールが非常にしやすいと感じました。KYBサスペンション自体は非常に慣れ親しんだサスペンションですが、その感覚を裏切らないというか、よく知っている特性のままというイメージ。シフトアップだけですが、クイックシフターが装備されていることも、操作に集中できるので利点と感じました。
トラクションコントロールの介入もごく自然で違和感がありません。今回試乗したコースはサンド質でしたが、とてもグリップしてくれていました。試しにトラクションコントロールをオフにした途端に滑り出しましたので、かなり効果的に効いていたことがわかりました。
450に関してもとても扱いやすいモデルです。個人的にレースに出るならば450かなと思います。優しい味付けだけど、トルクフルでしっかりと前に進んでくれます。
2台とも慣らしの済んでいない新車にも関わらず、当たりが柔らかく実戦的なモデルです。
本誌宮崎 インプレッション:マイルドモードなら今すぐにでもレースに出れそう!
釘村選手は250-Xをマイルドと表現していますが、以前、ローンチに参加した稲垣氏同様に、私もアグレッシブなモードはレスポンスが鋭すぎて、扱いきれない加速感を感じました。マイルドなモードはキャラクターが激変。とても乗りやすく、MXコースでのコントロールできるスピード感に加え、雨で濡れた林間コースもノーミスで走れる扱いやすさがありました。
低速タイトターンも難なくこなせる乗りやすさは相当気に入りました。これならいきなりJNCCやJECも走れますね。左手元のモードスイッチはレースではヒット、故障がやや心配になる大きさではありますが、シンプルで点灯時に識別しやすいのが良いですね

本誌岸澤 インプレッション:オーソドックスな信頼のメカニズムアグレッシブなパワー特性
TF250-Xですが、AMAや世界各国のモトクロスシーンで活躍しているのが良くわかるパワーで、個人的には現行モデルのYZ250
Fに近いモトクロッサー故のアグレッシブさを感じさせます。TF450RCも450という排気量ながら250並にピックアップが良く、雨の中の試乗なので、すぐにトラコンに頼りました。一度トラコンを入れて仕舞えば適度に路面を捉えてくれる感があります。
サンドのストレートでもアクセルを開けていけます。TF250-X/E、TF450RC/Eは兎にも角にも既存のモトクロッサー/エンデューロのオーソドックスな良さを伸ばし、変わったことをしないことで信頼性とパワーを両立している様に思えます。車両本体価格も国産モデルとの差異も大きく無いのでサンデーライダーは勿論、選手権参戦ライダーも選んで良いと思います。
