
足漕ぎペダル付カブ!|ディープなカブの世界
1963年に登場したホンダC310は、欧州市場向けのモペッド。しかし2スト主流の壁に阻まれ、普及は難しかった
アメリカ進出から次なる挑戦へ
アメリカ進出を果たしたホンダが、次に目標を置いたのはヨーロッパ市場だった。61年には西ドイツにヨーロッパホンダを、62年にはベルギーホンダを設立。そして63年には本モデル、C310の生産を開始。これは現地のニーズに合わせ、ポートカブのエンジンをベースに、足漕ぎペダルを追加したいわゆるモペッドと呼ばれる物だった。だが当時のヨーロッパでは2ストが主流であったため、混合油を誤って給油してしまうトラブルが続出。4サイクルゆえの車重もあいまって、普及することはなかった。

奥がC320。CS90 のような外観にC310 同様、足漕ぎペダル付きエンジンを備える。
ベースとなったポートカブの2.3PS よりもさらに低い1.8PS という低出力エンジン。後にヘッドだけC100 の物を流用し、出力を上げたモデルも存在する。
変速は左手を捻る方式。遠心クラッチではあるものの、クラッチレバーも備わるため、任意にクラッチを切ることも可能。3 速ミッション。