蘇った大倉・大城JMX戦線に一矢を報いた!|2025 JMX D.I.D モトクロス選手権 第4戦 中国大会

2025年IA1クラスのレースで、王者ウィルソンと挑戦者横山がともに苦戦する中、大倉が驚きの初総合優勝。波乱に満ちた展開と、それぞれのドラマに注目が集まる

■ DIRTSPORTS 2025年9月号
PHOTO&TEXT/D.Miyazaki 宮崎大吾

波乱のIA1

今季もIA1クラスランキング首位を独走していたジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と、ウィルソンを追いかけるホンダの横山遥希(Honda Dream Racing LG)が、共に両ヒートとも表彰台に立てない事態になるなんて…。この展開は正直想像していなかった。ウィルソンは事前テストの転倒の影響もあったはずだが、ヒート1のクラッシュが大きく響いた。

ヒート1、大倉がホールショットを獲得して逃げにかかる中、横山はスタート直後にクラッシュ、その影響でウィルソンほか10台近くが大きく出遅れる波乱のレースとなった。本大会はオーソドックスな30分+1周×2ヒートで争われた。30分というレース時間の中でウィルソンはトップまで追い上げてくるのではないかと想像されたが、そうではなかった。

大倉は予選から好調で、これがその後のレース結果に大きく影響した。確実にスタートできるグリッドポジションを得て、自身が磨いたライディングを存分に発揮したのがヒート1。ヒート2も好スタートを決めたが、前をいく大城からの飛び石が鼻に当たり、その影響は少なくなかった。しかし背後に迫った横山を抑えて3位。初めての総合優勝を掴み自信を得た。

大城は今季積み重ねてきたものをついに発揮。安堵と興奮が押し寄せたレース直後。その表情が全てを物語っていた。

「優勝ってこんなに嬉しかったんですね」と、レース直後は興奮冷めやまなかった大城。ヤマハの全面的なサポートを受けながら「すごく良いマシンに仕上がっていたのでこれまでは示しがつかなかった」と、ヤマハ移籍後初勝利に安堵の表情も垣間見せた
ベテランの小方誠(TEAM HAMMER)はオフロードヴィレッジに続き表彰台圏内を争う力走。浅井を逆転することはできなかったが、4位を獲得した
「スタートも2、3番手に決まって勝てると思ったんですが、両ヒート2位に終わってしまいました」と能塚智寛(Team KawasakiR&D)。彼もまた勝利を渇望する一人
「正直めちゃくちゃ嬉しいです」とIA1初表彰台(ヒート1で3位)の浅井亮太(BRU CRUフライングドルフィンサイセイ)。「残り2周に全てを出し切り、今までの不安や悔しさを全て吹っ飛ばせた」と自信を掴んだ

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