二輪の高速道路料金はどうあるべきか?現状と課題と一つの考え方

高速道路を走るたびに、二輪ユーザーの間で話題に上がる料金の問題。本記事では、二輪車の高速道路料金について特定の結論や制度変更を求めるものではなく、現行制度の整理と、今後考え得る選択肢の一例を共有することを目的としている。

日本の高速道路において、二輪車は現在「軽自動車等」と同じ料金区分に分類されている。排気量や車両重量にかかわらず、原付二種以上の二輪車は一律でこの区分に含まれる仕組みだ。制度としては非常にシンプルで、料金所やETCシステムの運用を複雑化させないというメリットがある。

一方で、二輪車の特性を考えると、この区分に疑問を感じるライダーが少なくないのも事実だ。車体は小さく、道路占有面積や重量も四輪車と比べれば限定的である。「同じ区分である必要があるのか」という声が長年上がってきた背景には、こうした車両特性の違いがある。

これまでにも、二輪車の利用促進や観光活性化を目的とした高速道路料金の割引施策が、期間限定で実施されたことはある。一定条件下で料金が軽減される取り組みは、ライダーから歓迎されたものの、恒久的な制度として定着するには至っていない。

以下で触れる内容は、現時点で制度変更が検討されている、あるいは導入が予定されているものではない。あくまで二輪ユーザーの利用実態や社会的な影響を踏まえた場合に考えられる可能性の一例として整理する。

もし仮に、二輪車に特化した料金の考え方が導入された場合、まず想定されるのはライダーの行動変化だ。料金面での心理的なハードルが下がれば、これまで下道を選んでいた距離でも高速道路を利用しやすくなる。移動時間が短縮されることで、日帰りツーリングの範囲が広がり、目的地の選択肢も増えるだろう。

こうした変化は、ライダー個人の利便性向上にとどまらない。地方の観光地にとっては、新たな来訪者の増加や回遊性の向上につながる可能性がある。二輪車は駐車スペースの確保が比較的容易であり、受け入れ環境が整えば、四輪車とは異なる形で観光需要を生み出せる存在でもある。

一方で、二輪専用料金の導入には現実的な課題も多い。料金区分を新設すれば、ETCシステムや料金所の運用変更が必要となり、コストや現場負担が増加する。また、利用者間の公平性という観点から、「なぜ二輪だけが優遇されるのか」という疑問が生じる可能性もある。

そこで現実的な落とし所として考えられるのが、料金区分の新設ではなく、条件付きの軽減措置だ。たとえば、ETC利用者に限定した割引や、特定の期間・曜日に限った施策であれば、既存の仕組みを大きく変えずに導入できる余地がある。

また、走行距離に着目した考え方も一案だ。短距離利用が比較的多い二輪車の特性を踏まえ、一定距離以内の利用に対して負担を調整する仕組みであれば、通勤や近距離ツーリングの利便性向上につながる可能性がある。

さらに、安全対策や利用ルールと組み合わせた制度設計も考えられる。ETC装着率の向上や安全装備の着用促進と引き換えに料金面でのメリットを用意すれば、高速道路の安全性向上という社会的な意義も併せ持つ形になる。

本記事で挙げた内容は、二輪車の高速道路料金をめぐる数ある視点の一つに過ぎない。高速道路の運営、交通全体のバランス、社会的な合意形成を考えれば、単純な解決策が存在しないことも事実だ。

特定の制度変更を求める立場ではないが、長年語られてきたこのテーマを整理し、議論の土台を共有することには一定の意味があると考えている。

 二輪車を取り巻く環境が今後どのように変化していくのか、高速道路料金のあり方とともに、冷静に注視していきたい。

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