女性のための初心者講習会「BRLレディースデイ」レポ|ThinkingTime

初心者向け安全運転講習会「ベーシックライディングレッスン」に設定される女性限定会“レディースデイ”千葉会場の模様をお届けする

「ベーシックライディングレッスン(BRL)」とは

10月18日(土)、千葉運転免許センターで一般社団法人日本二輪車普及安全協会と千葉県二輪車普及安全協会の主催により「ベーシックライディングレッスン千葉」レディースデイが開催された。初心者向け体験型安全運転講習会のベーシックライディングレッスン(略称BRL)は今年も各地で開催されてきたが、今回は女性限定の講習会。その背景と意義なども考えつつ、レッスンの模様を紹介する。

大型・普通二輪免許取得者の女性比率

2020年から増加傾向を見せる大型・普通二輪免許取得者数の女性比率
コロナ禍が始まった2020年から3年間は二輪免許取得者数が平年(約32万人台)より数万人も多かったが、2023年は減少に転じて約34万8千人に。ただし女性の大型+普通二輪免許の取得比率は、コロナ禍が収束した2023年でもほぼすべての年代で増加した
※「二輪車産業の概況」(経済産業省 製造産業局 自動車課)・5Pより引用

女性の比率は伸びている!免許取得後のフォローが必要

さて、コロナ禍ではバイクもちょっとしたブームになったが、ウイルス感染が収束を見せた23年には免許取得者数や販売台数も平常化に向かっていた。しかしその中でも伸び続けたのが免許取得者数の女性比率で、10〜60代までほとんどの年代層で増加となっている。生活の足として原付スクーターを利用するといったコミューター層を除けば、ツーリングなどバイクを趣味として楽しむファン層の女性は確実に増えている。そして、こうした女性たちがバイクに乗る、乗り続けるにあたってのネガティブはすでに分析されていて、免許を取ったはいいが公道に出るのが不安、ほしいバイクが体格に合わない、同性の仲間や教えてくれる人がいないといったことが以前から課題として認識されてきた。

BRLレディースデイの内容は、せっかく二輪免許を取ってくれた女性に安心して永くバイクを楽しんでもらえるようにと配慮されている。通常のBRLとは違い、県交通安全協会からは女性の二輪車安全運転指導員が複数人配置され、千葉県警察本部からも白バイの女性隊員が駆けつけている。小柄な体格の女性ならではの悩みや質問について、女性ライダーの経験者としてのアドバイスや回答がとても具体的で的確だった。例えば、女性ライダーがよく行う停止時の“腰ずらし”。一時停止や交差点での停止など短時間の足着きだけでも立ちゴケの怖さがぬぐえない不安に対して、同性のライダーから安全な方法、そのポイントと注意点、さらには走り出した後にちゃんと腰をシートの中心に戻すことがニーグリップや低速バランスにとって重要なポイントとなるなど、男性ライダーではなかなか気づかないだろう点も教えられていた。

講習を終えた大島さんに感想を聞いた。

「苦手だった低速バランスの練習や急制動など、自分のバイクで試せる機会はなかなかないし、成長も実感できて楽しかったです。急制動では愛車の性能的なマージンもまだまだあるな、けっこうレバーを握っても何ともないなと分かって、やればできるなって思えました。機会があったらまた参加したいですね」

レディースデイはBRL開催都道府県のすべてで開催されているわけではないが、今後は徐々に増えていくだろう。女性がバイクに乗ることの大変さを理解し、こうした取り組みでしっかりフォローしていくことが二輪市場の発展にも不可欠だ。

女性指導員からは女性ならではのアドバイスも!

女性向け講習会ということで、指導員には通常のBRLより女性を増やしている。服装と乗車姿勢の確認、車両点検では小柄な女性でもやりやすい方法や対策をアドバイス。頭が小さくてSサイズのヘルメットが動く場合は内装で調整するといったノウハウも

バイク事故死亡者の3〜4割は胸部損傷によるもの。胸部プロテクターやエアバッグによりあばら骨の内側の内臓を守ることの重要性も説明

小柄な白バイ女性隊員への「走行時に一番意識すべきことは?」という質問では「高速道路や強風時でも懐を広く乗車姿勢を意識して」と回答

軽妙な進行で参加者の緊張をほぐし、実技ではデモンストレーション走行も披露した特別指導員の林暁彦さん

県二輪車普及安全協会の藤本哲男事務局長は参加者に「この講習会で何かひとつだけでもよいので、気づきを持ち帰ってください」と挨拶

県交通安全協会の石井勝統括部長は「指導員、交通機動隊員から指導を受けられる機会は中々ないので、いろいろ聞いてください」と挨拶

参加者、指導員、交通機動隊員による講習終了後の記念写真。27名(うち7名はメディアによる体験取材参加者)もの女性が参加し盛況のうちに幕を閉じた

レッスンの流れと主な内容

レッスン1 準備運動

開講式のあとは準備運動から。全員で輪になって女性指導員の掛け声のもと体操を行なう。指先からつま先まで運転操作に必要な体の各部をストレッチ

レッスン2 服装確認

ライディングウエアについての講義も実施。ゴーグルなどアイウェアの重要性、プロテクターを装着できるものなどパンツやジャケットの選び方も指導

レッスン3 乗車姿勢

「足着きが悪いから…」と止まるたびに腰をずらしてつま先をつくという女性に対して、走り出した後に腰の位置を再び調整することの大切さも指導した

レッスン4 車両点検

車両の日常点検は「ブタと燃料」の合言葉に沿って行われた。指導員のお手本のあと参加者自身が自車両の点検を行い、空気圧の補充などは指導員が担当した

レッスン5 バランス・コーナリング

バランスでは一本橋の4大操作(ハンドル・リヤブレーキ・クラッチ・アクセル)を、コーナリングでは車体を立てた低速千鳥やUターンも加えたパイロンスラロームで練習を行った

レッスン6 制動(ブレーキ)

昼食後はブレーキ練習から。フロントだけ、リヤだけ、両方での効きを確認し30㎞/h、40㎞/hでの急制動を練習。指を滑り込ませるようなブレーキレバーの握り方も教わった

加減速時の乗車姿勢も練習した。加速時はあごを引いて前傾に、減速時はおへそを後ろに引いて上体を起こす

レッスン7 振り返り講習

最後のレッスンは外周とインフィールドなどコースを広く使い、S字、クランク、パイロンスラロームも組み込んでの総合的な復習。白バイ隊員も並走してアドバイスをくれた

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