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【カワサキ Ninja 1100SX/SE】パフォーマンス&コンフォートの極み。至れり尽くせりのスポーツツアラー【中野真矢 公道インプレッション】

おじさんとは認めたくない僕たち世代に最適な1台

パニアケースを付けた姿は、いかにもツアラーだ。安定感と落ち着きがあり、安心できる。

しかし、デザインのあちらこちらにはスーパースポーツを彷彿させるディテールが散りばめられており、「ただのツアラーではないぞ」という意気込みと気迫を感じる。

ニンジャ1100SX SE/SXが属するスポーツツアラーというジャンルは、アラフィフである僕ら世代にぴったりのバイクだ。

そこそこの年齢に差しかかっているものの、まだおじさんとは言われたくないし、認めたくもない。微妙なお年頃なのだ。

Ninja 1100SX SE

正直なところ、前傾ポジションのバイクを長時間走らせるのはキツいが、かと言って快適一辺倒のバイクを選ぶのも、何か敗北感のようなものを感じる。ニンジャ1100SX SE/SXは、恐らく数多くいるであろう、そういう世代のライダーのためのバイクだ。

大柄な車格なので、身長167cmで足が長いとは言い難い僕は、一瞬身構えてしまう。しかしまたがると足着きにはまったく問題がなく、自信を持って走り出せる。

この「走り出しからの自信」は、エンジンの変更が大きく影響している。徹底的な煮詰め直しにより、低回転域でのトルクが向上している恩恵だ。従来型にも不満は感じなかったが、新型に乗ると「低回転域がトルクアップすると、こんなに乗りやすくなるのか!」と感動するほどだ。

Ninja 1100SX

さらに走り出しからの印象をよくしているのが、低回転域から作動する最新のクイックシフターだ。アップ/ダウンともスムーズに作動し、とにかく快適で操作の質感も高い。

136psのエンジンはさすがにパワフルで、低・中回転域での走りは楽しい。一方で5〜6速はギア比がワイドになって回転数が下がり、滑らかで上質な走りが楽しめるうえに、低燃費化も達成しているという。

しかも、ドライブレコーダーやグリップヒーター、USB-Cポートが標準装備される至れり尽くせりさ。どこをとってもアラフィフ世代を満足させるバイクに仕上がっている。

エンジンは従来型の1043ccから1098ccへと排気量アップ。ストロークを3mmロング化してトルクアップしたほか、電子制御スロットルバルブの採用を始めスロットルボディまわりを変更した

Ninja 1100SXは、STDのSXと上位にあたるSX SEの2モデル展開。SX SEはグリーン×ブラックの専用カラーが用意されているほか、ブレンボ製フロントブレーキディスク&M4.32キャリパーを装備し、ブレーキホースはステンメッシュ製。リアサスペンションにはフルアジャスタブルのオーリンズ製S46ショックアブソーバーを採用している

GPS対応・前後2カメラのドラレコを標準装備。走行を常時記録しており衝撃検知で別ファイルに保存する
従来型はシート下にUSB-Aポートを配していたが、新型はUSB-Cポートをハンドルバーに設け、使いやすい
SPECIFICATIONSNinja 1100SX SENinja 1100SX
エンジン水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ1098cc水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ1098cc
最高出力136ps/9000rpm136ps/9000rpm
最大トルク113Nm/7600rpm113Nm/7600rpm
キャスター/トレール24.0°/98mm24.0°/98mm
サスペンション(前)φ41mmフルアジャスタブル倒立フォークφ41mmフルアジャスタブル倒立フォーク
サスペンション(後)オーリンズ製S46シングルショックシングルショック
ブレーキ(前)φ300mmダブルディスク+ブレンボ製4ポットキャリパーφ300mmダブルディスク+4ポットキャリパー
ブレーキ(後)φ260mmシングルディスク+1ポットキャリパーφ260mmシングルディスク+1ポットキャリパー
タイヤサイズ(前)120/70ZR17120/70ZR17
タイヤサイズ(後)190/50ZR17190/50ZR17
ホイールベース1440mm1440mm
シート高820mm820mm
車両重量235kg236kg
燃料タンク容量19L19L
価格198万円177万1000円

カワサキモータース開発者インタビュー

Ninja1100SX SE/SX、VERSYS1100SE、そしてZ900SEは、すべて新設計のカワサキクイックシフター(KQS)を採用しています。

これまでは作動開始が2500rpmだったところを1500rpmまで引き下げ、より低回転域でのシフトアップ/ダウンが可能に。市街地での低速走行時も扱いやすく、洗練された使い心地です。

また、音声コマンド対応の新たなスマホアプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」にもご注目ください。基本情報の確認やセッティング変更、ナビゲーションなどを音声でコントロールできるシステムで、こちらも今回ご紹介した全モデルに対応しています。

どのモデルも、本場ヨーロッパの声を積極的に採り入れつつ、日本での使い勝手にも配慮した仕上がりになっています。ぜひお楽しみください。

RIDEOLOGY THE APP開発担当 長井伴尚氏
Z900 SEスタイリングデザイナー 澁田 祐氏
Z900 SE開発リーダー 水川照章氏
Ninja 1100SX SE/SX、
VERSYS 1100 SE 開発リーダー 山本茂季氏

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