【ヴァイルス 984 C3 2V】独創の技術が生んだ職人メイドの黒い宝石【モトコルセ 好きだからこだわりたい】

高品質なマテリアルで作り上げられた唯一無二のスタイルと価値観。ヴァイルスがオーナーに提供するのは「マシンと対話する」という贅沢だ。

PHOTO/K.MASUKAWA　TEXT/T.YAMASHITA
問/モトコルセ　TEL046-220-1711　https://www.motocorse.jp/

独創の技術が生んだ職人メイドの黒い宝石

イタリア北部ロマーニャで誕生したハンドメイドバイクブランド「ヴァイルス（Vyrus）」は、手仕事の温もりと芸術性を兼ね備えたイタリア製モーターサイクルとして世界的に注目を集めている。ワンオフカスタムビルダーからスタートした創業者アスカニオ・ロドリゴは、高精度なCNC加工アルミパーツやカーボン外装を採用し、熟練職人が一台ずつ仕上げる少量生産のバイクメーカーへと進化した。

ヴァイルスの大きな魅力は、その独創的なレーシングテクノロジーだ。特に象徴的なのが、ハブセンターステアリング方式を採用したフロントセクション。サスペンションとステアリングを分離するこの構造は、従来のテレスコピックフォークでは得られない高剛性と優れた運動性能を実現し、ブレーキング時のノーズダイブ抑制やコーナリング時の安定性向上に大きく貢献している。

さらに、ヴァイルスならではのアンチダイブロッドにより、キャスター角やトレール量を簡単に調整可能。スポーティでクイックなハンドリングから、ロングツーリング向けのゆったりとした乗り味まで、幅広いセッティングが楽しめる点も、イタリアンバイクらしい魅力といえる。

今回紹介する984C32Vは、ドゥカティ製空冷L型2気筒エンジンを搭載した人気モデルだ。カーボンやアルテックスによる軽量ボディ、重心付近に配置されたサスペンションにより、マスの集中化と低重心化を高次元で実現。これらの設計がニュートラルでダイレクトな操縦性を生み、ライダーの操作に瞬時に応える“人車一体”のフィーリングを提供している。

ヴァイルスのバイクは、マテリアル選びから設計思想、ライディングフィールまで、すべてが「性能への妥協なき追求」を軸に構築されているハイエンドマシンだ。手作りだからこそ、オーナーの好みに合わせたカスタムオーダーも可能で、文字通り“世界に1台だけ”のプレミアムバイクを手に入れることができる。

ヴァイルスを所有するということは、自分だけのバイクストーリーを紡ぐということ。イタリア製ハンドメイドモーターサイクルがもたらす特別な体験を、“上がりバイク”としてぜひ味わってほしい。

SPECIFICATIONS	VYRUS 984 C3 2V
エンジン形式	DUCATI製 空冷4ストロークL型2気筒 デスモドロミック2バルブ
排気量	1078cc
ボア×ストローク	94×71.5mm
圧縮比	10.5:1
最高出力	53kw/7500rpm
最大トルク	78Nm/6000rpm
変速機	6速
クラッチ	湿式多板クラッチ
フレーム	CNCアルミニウム ダブルサイドオメガプレート
サスペンション	F＝VYRUS-MUPO製 プログレッシブリンクタイプ フルアジャスタブル モノショック R＝VYRUS-MUPO製 カンチレバータイプ フルアジャスタブル モノショック
ブレーキ	F＝φ320mm ダブルディスク＋ブレンボ製ラジアルマウントキャリパー R＝φ210mm シングルディスク＋ブレンボ製アキシャルマウントキャリパー
タイヤサイズ	F＝120/70ZR17 R＝180/55ZR17
ホイールベース	1375mm
車両重量	157kg（乾燥）
シート高	800mm
燃料タンク容量	12L
価格	カーボン／1152万8000円 アルテックス／932万8000円