
IAワタライのガレ場克服ライテク:Part03【上級ライダーほど内輪差を意識して走っている!】
クロスカントリーやエンデューロでは避けては通れないのがガレ場。速度域が遅く、前輪と後輪の軌跡を考えなくてはいけないガレ場は、IAワタライがモトクロス現役時代には意識していなかったテクニックだったが、ベテランエンデューロライダーとなった今は初心者~中級者へ教えるノウハウが蓄積している。さっそく2回に渡って解説してもらおう!
PHOTO/H.Inoue 井上演 コメントまとめ/D.Miyazaki 宮﨑大吾
上級ライダーほど内輪差を意識して走っている!
モトクロス時代にはなかった要素が、内輪差の問題です。トライアルでは常識なのだと思いますが、速度が遅く、細かいターンの多いエンデューロでは、ガレ場や木の根などの障害物を超える際に、内輪差(前輪と後輪の通るラインの違い)が大事な要素になります。
基本的には、フロントが超えることが大事なのですが、その際にリアが石に当たることを予想できていれば、意図的に優しく開けたり、マシン姿勢を立てて安定させることができます。
できればリアに石が当たるタイミングも予想したいところ。余裕がなく制御不能な状態では弾かれて谷側に倒してしまうリスクもあります。まずは通常の路面に石などを置き、フロントとリアの内輪差を意識し、意図的にリアで石を踏んだりしながら挙動を覚えましょう。






路面に逆らわず、意識的に方向転換する!
上の写真はガレ場上りの走りを連続で撮影したものです。まずは上り始めのコンディションを見て、なるべく乾いているところを選びます。アクセルは全開ではなく、早歩きくらいのスピードを保持するようにして、スタンディング+ステップ加重+ニーグリップで走行。
ハンドルではなく、あくまでもステップ加重によってバイクをくねらすようにするのがポイントです。この上りは左側に落ちるキャンバーになっていますが、上級ライダーはファーストトライでマシンが振られたり難しいと感じることで地形を読み取り、ベストラインを見つけます。

ここでは右側を走り抜けることは不可能ということが分かっているので、最初から左側に意識的に落ちるつもりでいます。路面状況の良いところで左、右とラインを変えながら登っていくのです。大事なのは落ちかけた時に逆らわないこと。潔く方向転換することです。爺ヶ岳のガレクライムはまさにそんなセクションでしたね

