
IAワタライのガレ場克服ライテク:Part02【シッティングにも乗り方の種類がある】
クロスカントリーやエンデューロでは避けては通れないのがガレ場。速度域が遅く、前輪と後輪の軌跡を考えなくてはいけないガレ場は、IAワタライがモトクロス現役時代には意識していなかったテクニックだったが、ベテランエンデューロライダーとなった今は初心者~中級者へ教えるノウハウが蓄積している。さっそく2回に渡って解説してもらおう!
PHOTO/H.Inoue 井上演 コメントまとめ/D.Miyazaki 宮﨑大吾
シッティングにも乗り方の種類がある
パターン1:最初から足を出す
上級者の場合両足を出すパターンはなかなか少ないですが、それでも軽くニーグリップをすることでマシンの挙動を安定させることができます。ただ足を出してブラブラさせるのではなく、この状況でもしっかりコントロールすることが可能なのです。

パターン2:ステップに両足を乗せる
前のページのスタンディングと同様に、ステップで踏ん張ることで路面への追従性を高めています。また加重の入れ替えでライン変更もスムーズに行うことができます。「このくらいのガレ上りなら座っていけるな」と瞬時に判断できることも必要ですね



パターン3:足を出しながらもニーグリップ
応用編としてあえて足を出すパターンも紹介。ブラブラさせるとそこからバランスを崩してしまうので、あくまでも足の付け根あたりで軽くニーグリップをして、バランスをとっています。自分の疲労具合にもよりますが、レース終盤は遅くても良いので足を出して、転ばないことを優先したりもしますね。


理想のフォームで駆け上がるトップライダー
浮石により多くのライダーが苦戦したJNCCきじまスノーパークの「セブンスヒル」。優勝したステファン・グランキスト選手はステップ加重+前傾姿勢で、安定した走りを見せてクリアした。

ゲレンデレースにガレ場はつきもの
ゲレンデを使用するレースなどでガレ場は避けては通れない道。トップライダーはなぜスタックせずに通過できるのか、細かい操作やラインどりは見て学べるものも多いはずだ。写真はJNCC田沢湖スキー場の「モンスターヒル」。


スーパーマン状態になってしまったら…!?
これ、JNCC爺ヶ岳のCOMP-GPを走ったことのある人はほぼ全員経験しているのではないかと思いますが、シッティングで足を着いたところから後ろに持って行かれてしまうと、このようなスーパーマン状態になりがちです。上級ライダーでもやむをえずこのフォームになることもあります。

止まっても大丈夫な(再発進が可能)平な場所まで行けたら、腕の力で体勢を戻してから再発進すれば良いのですが、それができない路面なら上り切るまでこの状態で頑張るしかありません。どうしようもなく最後にバイクを投げてしまうのは私でもあります。グリップの良い路面では簡単にフロントが上がってしまうので、それも注意したいところです。

