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南海NAVIで分かったバイク専用ナビの〇と×


3月の大阪モーターサイクルショーの南海部品ブースでこのバイク専用ナビ・NNV-001Aを見たときは、正直言って「なんでいまさらバイク専用?」と思いました。ボク自身、バイク専用ナビはいろいろ使った経験があり、その実力や使い勝手もよく知っているつもりですが、このスマホナビ全盛時代に「いまさら感」を強く感じてしまいました。

ブースにいた担当者に聞いたところ、高額な電子部品であるスマホをナビとして使っていて、落としたり壊したりするのを心配する人がいるので、そういう方のために用意したとのこと。確かにそういう点では、専用ナビは安心できます。とはいえそれくらいじゃあね、と思っていた時に「動作温度-10度~60度」という表記が目に入りました。現在、ボクははiPhoneをナビとして使用しているのですが、昨年夏の酷暑の日、高速道路を降りて渋滞の環八に入ってしばらくしたらiPhoneの画面に「高温注意」の表示が出て、動作が止まってしまいました。

動作の止まったiPhoneはしばらくしたら復活したのですが、それ以降、内蔵カメラのピントが合わなくなり、結局、新しいものに交換。取説などには-20度~45度で保管するようにと書いてあり、あのときはナビアプリの使用による発熱もあって明らかに45度は超えていたはず。そう、スマホはいまの東京の酷暑&渋滞には耐えられないことがあるのです。そう考えると、専用ナビも選択肢に十分入ると思い、このナビの正式発表を待ちわびていました。

ハンドル用マウントの装着はとても簡単。ナビ本体をマウントするときの自由度も高く。バイクのメーターとかぶらない位置にセットできた

ボクのX-ADVは、太いテーパーハンドルバーですが、U字金具が長いので問題なく装着できた。取付可能なハンドル径は0.6インチ(15㎜)~1.5インチ(40㎜)となっている

ナビ装着用のパーツは、写真のようにハンドル用マウントとU字金具、マウントとナビをつなぐジョイントなどで構成される

昨年の8月、酷暑&渋滞の環八を走行中にこの表示が出て、iPhoneは動作不能に。その後、カメラのピントが合わなくなり交換するハメに

久しぶりの専用ナビは、スマホナビとは異なる点が多々ありました

そして、ちょうど10連休のGWに入る直前にNNV-001Aが手元に届き、連休前で大忙しのドリーム練馬に無理を言って取付けをしてもらい、早速テストを開始しました。

NNV-001Aをハンドル右側に装着し、左側にはいつも使っているiPhoneをセットしてナビアプリを起動。ルート設定や交差点右左折の案内のタイミング、道を曲がり損ねたりしたときのリルートの速さなどを比較しながら走行してみました。

約1カ月間、通勤やツーリング等で使用してみて、バイク専用ナビのいいところ、物足りないところが分かってきました。

まず専用ナビのいいところ。基本的に据え置きタイプですから、いちいちスマホマウントに取付けて、バイクから離れるときは取り外してという面倒くささから解放されます。当然、防水(IPX5)ですから、雨の日もまったく気にせずに使用できます。これはかなりストレスフリーでした。

また、グローブをしたままでも操作ができるタッチパネル方式もストレスフリー。いくらスマホタッチが付いているグローブでも、スマホが反応したりしなかったりがありますから、専用ナビの操作性は格段に上。さらに、ナビに特化しているだけあって操作ボタンも大きくて、グローブをしたままでも確実に操作ができます。すっかり忘れていましたが、バイク専用ナビは専用品ならではの気配りが満点だったのです。

テストはこのように、右にNNV-001Aを装着し、左側にiPhoneをセットしていつも使用しているナビを起動。同じ目的地を入れて、ルーティングの違いや案内のタイミング、リルートの速さなどをチェックした

目的地の設定画面。あらかじめ登録したところを目的地とする場合は、地点登録をタッチすると登録した地点が候補として表示される。自宅に戻るときは、自宅へをタッチ

写真のように、推奨ルートのほかに一般優先や高速道路優先、最短距離など複数のルートが表示されるので、好みのルートをタッチして決定する

検索メニューは豊富で、旅行ガイド誌「るるぶ」の地点データで「地域」、「50音」で検索することができる。観光地などに行くときはこれが便利

交差点に近づくと、音声案内とともに画面半分に曲がる方向と交差点名、曲がるまでの距離などが表示される

高速道路上を走行している際は、分岐に近づくとこのように分かりやすいイラストで向かう方向を的確に案内してくれる。複雑な首都高などではありがたい

3万円台の専用ナビと10万円超のスマホ、基本性能にはやはり差がありました

では物足りない点はというと、電子機器としての基本性能の違いからくるものがほとんどで、ハイエンドでは10万円を超える価格のスマホと、税込み3万2184円というリーズナブルな価格のNNV-001Aでは差がついて当然。たとえばそれは、ブルートゥースがA2DPのみで電話とナビが接続できないことや、ナビの音声案内と内蔵のミュージックプレイヤーの音楽を同時に聞けなかったりというところにあらわれています。

とはいえ、音声案内用にブルートゥースイヤホンが付属しているので、ボクはナビとペアリングしたイヤホンを右耳に入れ、スマホとヘルメットに付けたインターコムを接続することで、ナビの案内を聞きながら音楽を聴き、電話の送受信ができる状態で使っていましたから、工夫すれば解決できます。

あとは、リルートが若干スマホよりも遅いことがあったこと、目的地設定の方法がスマホアプリの設定方法とは異なっていることなど、決定的なビハインドと思うことは特にありませんでした。専用ナビの扱いに慣れれば、解決することがほとんどだと思います。

それ以上に、スマホナビを使って感じるストレスから解放されるメリットが意外に多い点に驚いたくらいで、専用ナビには専用ナビのよさが確かにありました。

バイクに付けっぱなしでグローブのまま操作したい、目的地まで確実に案内するというナビ本来の機能がしっかりしていればいいという方は、このNNV-001Aのようなバイク専用ナビも候補に入れていいと感じました。

これが起動画面。4つのメニューが表示され、それぞれをタッチして機能を選択。マルチメディアは、マイクロSDカードに記録した画像と音楽を表示、再生してくれる

本体左側のカバーを開けると、真ん中にマイクロSDカードのスロットルが。3年間無償でアップデートできる地図データもマイクロSDカードを利用して更新する

ナビとブルートゥース接続できるイヤホンが付属する。とても小さいので、耳に入れたままでもヘルメットをかぶることが可能だ

とても便利だと改めて思ったのがタッチパネル方式。グローブをしたままでも、確実に機能が選択できてストレスをまったく感じなかった

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