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【ツーリングガイド佐賀】広大な干潟と佐賀平野温泉と伝統文化に浸る

僕のツーリング先必須要素カーブ、麺、温泉すべてが揃う

佐賀県は福岡、熊本、長崎に囲まれた九州北西部にある人口80万人ほどの県だ。とある機関の都道府県魅力度ランキングで最下位争いをしており、残念ながら民衆の興味は佐賀県に向いていないようだ。しかし、我々ライダーがツーリング先として選ぶとき、このランキングは参考にならないだろう。北海道を除けば、トップ5の京都、沖縄、東京、大阪はツーリング先としては上位とはいえない。

佐賀県といえば世界に誇れる有田、伊万里、唐津の焼き物がある。最近はNHKの大河ドラマ終盤で、秀吉が唐入りに向けて武将オールスターを集めた名護屋城の唐津も話題だ。

僕にとっての佐賀県は素晴らしいサッカー専用スタジアムをホームとするサガン鳥栖と、干潟のムツゴロウ程度だった。そして平野と干潟が有名で、平らなイメージだ。平野をながめてもね〜……峠と温泉の組み合わせこそがツーリング先だった僕は、まだ行ったことがないエリアだった。

しかし、果てしない干潟と、広大な平野の水田稲作の水田と大豆やレンコンの畑により織りなされる黄金と緑のじゅうたんが、ひとつながりになった360度のパノラマは見たことがない。山のてっぺんだけが絶景ではなかった。展望台のエレベーターを降りて、目の前にこの風景が広がった瞬間に、思わず感激の声が出てしまった。

そして、スポーツ派ライダーが愛するエリアがある。嘉瀬川が流れる北山エリアだ。昭和時代のバイクブーム時代にはバイクが溢れかえったという。ダム沿いのアップダウンがある連続カーブは、ほかにはないレイアウトで攻略のし甲斐がある。とはいえ、農業やダム管理に使われている道なので迷惑をかけてはいけないし、停車車両やわき道からの車両出入りもあるので慎重に走ってほしい。

そして嬉野、古湯、太良には連泊したくなる個性豊かな温泉があり、そば、うどん、ラーメン、そしてちゃんぽんといった麺文化が花開いている。

僕がツーリング先として選ぶための要素が、ハイレベルに揃った穴場スポットが佐賀県だった。

佐賀米「さがびより」はおいしいお米として名高いブランド米だ。名産の大豆とレンコンの畑と水田が海岸線沿いに広がる。田畑の間を海に向かって走る爽快な道を通って「ひがさす」の展望台に向かう

東よか干潟ビジターセンター「ひがさす」
世界に認められた干潟の魅力を体感する施設。展望フロアからは南に広大な干潟、北には佐賀平野の田園風景が広がる。双眼鏡を覗けばムツゴロウや渡り鳥など干潟の生きものたちの姿が観える。秋には、塩生植物で海の紅葉と呼ばれる「シチメンソウ」の風景が広がる

DATA

佐賀県佐賀市東与賀町大字田中2757-4
TEL0952-37-0515
開館時間:9:00〜17:00
休館日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
入館料:無料
https://www.higasasu.city.saga.lg.jp/

干潟のパノラマ展望台
世界に認められた干潟の魅力を体感する施設。展望フロアからは南に広大な干潟、北には佐賀平野の田園風景が広がる。双眼鏡を覗けばムツゴロウや海鳥など干潟の生きものたちの姿が観える。

昭和から続く走りの聖地楽しいけど速度には注意

以前の僕はツーリングといえば、まずはワインディングロードがあるかどうかが最重要項目だった。3年ほど前からはその地方の生活を感じたいと思うようになり、観光スポットの梯子から、ゆっくり滞在してバイクで散歩を楽しむスタイルに変わってきた。

それゆえ今回の佐賀ツーリングは干潟と温泉を軸に計画をした。とはいえ山の温泉地の近くの道は曲がっているはずだと思い探ってみると、喜瀬川ダム周辺「北山エリア」の道がくねくねしているようだったので、地図にマーキングした。YSP佐賀でバイクを借りた時に江頭店長との会話の中でも「北山」が出てきたので確信を得て早朝の「北山」に向かった。

国道323号、県道39号と299号、そして国道283号を組み合わせると道をつないで1周できる。右回りと左回りではワインディングの表情が変わるので楽しみは倍増だ。

本誌読者は峠道を無謀に飛ばす人はいないと思うが、一言付け加えておきたい。僕はかなり多くのワインディングロードを走ってきたが、テストコースのバンクのように、おなかが地面の方に押し付けられる縦Gを感じる激しい起伏がある。逆に落差のある所の頂上ではバイクがジャンプしかねない。ほかにはない楽しい道だが、くれぐれも安全運転で走ろう。

山間の細道を走る生活とダム管理のための道なので、迷惑をかけないように走る必要があるが、カーブのバリエーションの豊富さに加え、起伏に富んだワインディングは他にはない面白さが感じられた

スズキの1000 ㏄ 2台、逆輸入車のGS・井出髙太郎さん、GSX-S・山口嘉久さんと、早朝の北山で遭遇。各々カスタムが施され愛情が感じられた

田舎のコンビニ 庄島商店
古湯温泉から国道323号を北上し喜瀬川のダムに差し掛かると右手に見える黄色いお店。田舎のコンビニという店名が印象深い。早朝のライダーが欲しいものがそろっている。手作り弁当やおにぎりが人気だ

DATA

佐賀県佐賀市富士町大字畑瀬68-73
TEL0952-58-2430
営業時間:6:30~18:30
定休日:不定

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