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天気が読めたら雨知らず⁉︎気象予報士ライダーコラム「冬の終盤こそ関東は雪の季節!?」

(BikeJIN2022年3月号より抜粋)

冬の日本と言えば日本海側は雪が降るけど
太平洋側は晴れ
理科の教科書にも載るほどの“定番”ですが
冬の終わりはこれが逆になることも……

統計上、東京は2月が一番雪が降りやすい

 通常日本の冬は、新潟など日本海側で雪、太平洋側は晴れと相場が決まっているものですが、通常とは逆の太平洋側でドサッと雪の降ることがあります。

 太平洋側で雪が降りやすくなるのは冬の終わり~春の初め。すなわちこれから先の季節の方が関東などは雪の降ることが多くなります。

 東京都心の、雪が降る日数の平年値は、12月は月間0・6日と2年に1回くらいしか雪が降らないのですが、1月は2・8日と多くなり、2月がピークで月間3・5日=10日に1日は雪が降っても不思議ではないような時季なのです。

 冬型の気圧配置が強い真冬は、強い北風によって低気圧も陸地に近い所を通れないような状態。関東では乾燥した晴天が続きます。ただ冬の終盤にその気圧配置が緩むようになると、低気圧は本州のすぐ近くを通過できるようになり、太平洋側で雪が降るようになります。

 私がいる仙台は太平洋側でありながら東北地方にあり『東京以上、雪国未満』に雪が降ります。そんな私の立場から、僭越ながらライダーの皆さまへアドバイスです。

 基本的には、雪が少しでも降ったらもうバイクに乗るのは控えましょう。これは安全のための大原則です。ただ、もし雪が降ってもなお、ど~しても乗らなければならない事情がある時は路面をよく観察してください。まだ降ってから時間が経っておらず、路面の黒い部分が見えていればそれは濡れているだけ=通常のウェット路面と同じですのでまだバイクで走ることは可能です。

 ただ濡れた路面の一部が少しでも雪で白くなり始めたら、それは水の層の上に氷の粒があるような状態です。雪の量が少なくてもスリップの危険がありますのでバイクの運転はあきらめましょう。

 そしてさらに怖いのがブラックアイスバーンと呼ばれる路面です。これは降った雪が溶けて薄い水の膜となって道路に残り、その後ツルッツルに凍ったものです。その名の通り、見た目は普通のアスファルトの黒色で、パッと見ただけでは濡れているだけの路面と区別はつきません。ただそこは滑らかな氷が広がっていますので、雪が積もっている時よりもさらに滑りやすい状況です。

 またブラックアイスバーンでなくても、日陰では2~3日間は溶け残った雪が凍っている可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。

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