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【カラダ整備】ステップ② 体幹を鍛えよう!

簡単に体幹を鍛えてみよう!

ステップ①では、「坐骨だけで腰掛け、膝を90度に曲げて背筋を軽く伸ばし、上半身を5度前傾するのが正しい椅子の座り方」とお教えしました。じつはこれを応用すると、ライディングで腰痛が発生する可能性を低減できます。といっても、ライディングフォームはハンドルとステップとシートの位置によってある程度は決められてしまうし、坐骨だけで座るというのも基本的には不可能。ポイントは、正しい椅子の座り方と同じように「腰を立てる」ところにあります。

例えばスーパースポーツのような上半身の前傾がキツいバイクの場合、“猫背” で乗るのが一般的ですが、このときも腰からすべて丸めてしまうのではなく、腰は立てつつ胸椎を丸めることで、路面のギャップを通過するときなどにも腰が衝撃を負担なく受け止められるようになります(※編集部補足:本誌エグゼクティブアドバイザーの原田哲也さんは、「スポーツ走行では、腰を立てて乗ることでリヤにトラクションをかけやすくなるし、リヤタイヤの接地感などが伝わりやすくなるメリットも」とアドバイスしている)。

逆に、腰からすべてを前傾させつつ背筋が伸び気味のいわゆる“女の子乗り” や、腰を後傾させつつ腰から胸まですべて丸めた極端な猫背では、腰周りの関節に負担がかかる方向の力が加わりやすくなってしまい、腰痛の原因になりやすいのです。

ただし、ただ闇雲に腰を立てていればよいわけではなく、これも前号で触れましたが、インナーマッスルで「腹圧を高めた状態」をなるべく保ってあげることが大切。そこで効果的なのが、じつは教習所でも最初に教わる“ニーグリップ” なのです。

椅子に座るときに上半身を5度前傾させる理由は、そうすることで自然と足に力が加わり、結果としてお腹にも勝手に力が入って腹圧が高まるから。同様の理由で、ニーグリップも腹圧を高めるのに有効です。

ただし、この技が使えない車種もあります。例えばアメリカンクルーザーでステップがかなり前にあるタイプ(=フォワードコントロール)は、そもそも腰を立てて乗るのが難しいカテゴリー。というのも人間のカラダは、足を前に投げ出すとバランスを取るため骨盤が後傾しやすくなるためです。またスクーターの場合は、基本的にニーグリップが不可能。加えて、私もスクーターに乗っているのでよく分かりますが、フロアボードに置いた足にはほとんど力が入っていないことが多いです。ただしスクーターの場合、前傾にはなりづらいので、足をあまり前に投げ出さずしっかり腰を立て、背筋を伸ばしてお腹に力を入れておけば、腰痛になりづらいでしょう。

このように、自分の愛車がどのような姿勢をつくりやすいのかをまずは把握することが、ライディングでの腰痛を減らす第一歩。そして正しい姿勢をキープすることで、腰痛リスクは少なからず避けられます。

腰が立った姿勢を保つためには、ある程度の筋力も必要ですが、そもそも筋力が足りていない人と、筋力はあるのに正しく使えていない人では、対処法が異なります。前者の場合、バイクに乗るために最低限の運動をして、カラダの歪みを予防できる程度に筋力をつけたほうがいいでしょう。対して後者は、正しい姿勢や腹圧を上げることを意識すると、身体が筋肉の使い方を覚えてくるので、椅子の座り方などで普段から腰まわりのインナーマッスルを使ってあげましょう。

では、筋力がない人が体幹を鍛えるためにはどうすればいいのか? そのひとつ、体幹トレーニングの大定番である「プランク」を、イラストで紹介しましょう!

準備体勢

肩の真下に両肘をつき、両膝を肩幅に開いて床につきます

①第一ステップ(膝立ちプランク)

膝をついた状態でお腹を浮かせる
背骨をまっすぐに伸ばす頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする

※注意点 腰が反らない!
これが余裕で30秒以上できる方は第二ステップへ!
余裕がない方は第一ステップが30秒以上できるまで続けましょう!

②第二ステップ(基本プランク)

膝を床から離しつま先を立てるようにして下半身を持ち上げる
頭からかかとまでが一直線になるように意識する。その姿勢のままキープ

頭・肩・腰・膝・かかとが横から見たとき常に一直線になるように意識することが大切です。
頭が下がったり、猫背になったり、お尻が上がるとフォームが崩れます。
頭からかかとまで1本の棒を意識して姿勢を維持しましょう

理想は30秒キープですが、まずは10秒や20秒でも大丈夫! また、つま先立ちが厳しい人は、膝をついた状態で姿勢をキープしても効果がありますのでぜひやってみてください!

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