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【第十四話】日本に帰国 オーストラリア一周を振り返る

初めまして!合田紘之と申します。
愛車のアフリカツイン750で世界中を走る夢を叶えるため、30歳を目前に新聞記者を辞めて、第1弾として2017年12月からオーストラリア1周を始めました。
オーストラリアはカンガルーが飛び出してきたり、世界中のライダーと交流できたりなど、日本では想像もつかないことが沢山あって面白い!
退職したばかりで足が地に着いてない状態で、バイクにまたがっても身長が低くて足が地に着かない状態ですが、海外ツーリングが日本人ライダーにとって少しでも身近なものと思えるように魅力を伝えていきます!

半年ぶりの帰国

2月26日、シドニーから飛行機で成田空港を経由して自宅のある札幌に戻ってきた。

約半年ぶりの日本。住み慣れた国で日本語が通じることに安堵感がある一方で、「もう旅が終わってしまったのか」との思いもあり、うれしさ半分、さみしさ半分という気持ちだ。

帰国した4日後には数年に1度という猛吹雪に見舞われて、氷点下の気温の中で自宅前の雪かきに追われることになった。ついこの間までいた真夏のオーストラリアとの気温差は50度。あまりにも環境が違うことから世界の広さを身をもって感じた瞬間だった。

記録で振り返るオーストラリア一周

オーストラリア滞在中の記録をわかりやすく一覧にして振り返ってみる。

オーストラリア滞在日数:127日(2017年9月23日~2018年2月26日)
そのうちメルボルンに住んでいた期間を除くツーリングをしていた期間:71日
走行距離:約1万8000km
ツーリング中に使用した金額:約50万円(日本とオーストラリア間のバイク輸送費を除く)
キャンプや野宿:35回
タイムゾーンの境界をまたいだことによる時刻の修正:6回
走行中の転倒:1回
立ちごけ:2回
給油したガソリン:約900L
エンジンオイル交換:5回
タイヤ交換:前後1回ずつ
スパークプラグ交換:1回
立ちごけにより折れたブレーキレバー:1本
体感した最高気温:45度
体感した最低温度:10度
出会った野生動物:カンガルー、コアラ、エミュー、ワニ、カモノハシ、ラクダ、ペリカンなど

オーストラリアツーリングのルートをたどった地図

ツーリング中にペンでルートを書き込んだオーストラリア地図を見ながら、記録をまとめていると、どこで何をしたかという記憶が蘇ってくる。

かかった費用が50万円というのはほぼ予想通り。
物価は日本よりも高いが、ガソリンの相場はほとんど日本と同じだったので、合計13万円ほどかかった。
キャンプや自炊することが多かったので、宿泊費や食費を抑えることができたが、オーストラリア北部は大きな都市が少ないために物価が高かった。

日本にはいない野生動物とたくさん巡り合えることもオーストラリアツーリングの楽しみの一つだった。

印象に残った場所ベスト3

数え切れないほどの街や観光地を巡ったオーストラリアツーリング。
その中で特に印象に残った3カ所を選んでみた。

3位 キャサリンにある宿「Coco‘sバックパッカーズ」
ノーザンテリトリー州のキャサリンという街で雨宿りのためにたまたま宿泊した宿。ここには「ライダーズビジターズブック」という、日本人ライダーが主に2000年代前半に書き込んだ雑記帳があった。宿のオーナーによるとかつては毎日10人以上の日本人が泊まっていたとのこと。雑記帳にはツーリングのおすすめルートや失敗談などが書かれており、日本人のオーストラリアツーリングの歴史を垣間見ることができた宿だ。

Coco’sバックパッカーズで見つけた「ライダーズビジターズブック」

2位 グレートセントラルロード
エアーズロックから西に向かって伸びる約千キロにも及ぶ未舗装路。そのほとんどが砂漠地帯で、先住民族であるアボリジニの集落が点在するのみ。慣れないダート走行だけではなく、泥水の中を走ったり、猛暑のあまり自然発火に遭遇したりなど、辛いこともたくさんあったが、日本にはないオーストラリアらしい風景を見ることができた忘れられない道だ。

オーストラリアらしい景色が楽しめるグレートセントラルロード

1位 エアーズロック
オーストラリアと言えばここを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。妻と一緒に初日の出を見るために二人乗りをして目指した場所。高さ300m以上もある一枚岩は圧巻で、ここにたどり着いただけで達成感に満たされた。バイクで周りをぐるっと1周することができる。テレビや映画の世界に来たような気持ちになれ、今でも自分の愛車でエアーズロックに行ったことを思いだすと感慨深くなる場所だ。

妻との2人乗りでたどり着いたエアーズロック

困難を乗り越えてオーストラリア一周

今回オーストラリアをツーリングしたのは夏である12~2月。はっきり言ってこの時期にツーリングすることは他の人にはおすすめできない。

特に北部は毎日猛暑が続き、地域によっては雨季で大雨による道路の通行止めも心配しなければならない。都市と都市を結ぶ主要道路が関する確率は低いが、実際に有名な観光地への道が通れなくなっていることはたくさんあり、オーストラリアの見どころを十分に見ることができなかった。何より、当たり前のように気温が40度を超える中ツーリングをすることになり、辛い思い出も多くなってしまった。

それでも日本では想像もできないような景色や道、動物に出会えたことのほか、あまり英語が得意ではない自分のことを多くのオーストラリア人が優しく受け入れてくれたことは、他には代えることのできない素晴らしい思い出だ。

たくさんの困難やトラブルを乗り越えただけに、印象に残ることになったのも事実。このオーストラリアツーリングは一生忘れられない出来事になるだろう。

オーストラリア1周記は今回が最終回です。
ご愛読ありがとうございました。

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