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公道でリズムを保つためのテクニック③考えるべきは思いやりと道路の円滑


自分だけじゃなくて周りもスムーズに走ってもらう
これこそがスムーズなライテクなのだ!

道路交通法の第一条「道路の円滑を図る」

歩行者に自転車、クルマにバイクといった自分以外の他車が行き交う公道を走る上で考えなければならないのは、自車と他車の関係性だということをここまで述べてきた。そんな関係性の究極はズバリ「思いやり」を持つことだ。

この思いやりとは、「誰しもに優しく接しましょう」というような道徳的なお題目ではない。他車との関係性を考えて走ることで、交通の流れがスムーズになり、最終的にはそれがめぐりめぐって自分のスムーズな走りにつながるものと考えてもいい。

この「いかに道路交通をスムーズにするか」ということは、実は道路交通法の第1条に、その目的として「この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする」と記されている。

つまり道交法は、安全はもちろんのこと、交通の円滑を図ることも大きな目的なのだ。そのためには、単に自分の権利を主張するだけでなく、ちょっと考えたり工夫をすることで、自分とその周囲の交通がスムーズに流れるなら、積極的に行いたい行動なのだ。

たとえば、上り勾配のきつい追い越しのできない山道で、荷物を満載したトラックが後方から来たバイクに対して、車線の左にクルマを寄せてやや速度を落とし、進路を譲ることがある。本来はその必要はなくても、それによって交通の流れが良くなれば、後続者であるライダーの「前を塞がれている」というストレスが解消され、スムーズに気持ちよく走ることができる。そんなときにはトラックの前に出た後に、オーバーアクションなくらいのしぐさで感謝を示したい。

この「思いやり」とは、単に心がけというわけではない。実はここまでに紹介した予測、想像力に基づいたアクションなのだ。相手の動きを読み、何をしたいかを考えて走ることで、自分の安全を守ったうえで、周囲の流れをスムーズにする行動につながっている。

思いやりから始まるスムーズな交通が実現すれば、渋滞や混雑と無縁なストレスフリーなツーリングが楽しめるハズ。そんな大局を見ながらバイクに乗るということこそが、オトナのライダーではないだろうか。

Point

  • 道路交通法の目的は、安全ともう一つは円滑
  • 円滑が保たれれば渋滞もなく、運転者はイライラしない
  • お互いに相手を思いやって、円滑な交通を目指しましょう

大切なのは、相手に対するマナー。つまり、思いやりなのだ!
ツーリング先でクルマに先を譲ってもらったりしたら、大きく手を挙げて会釈するといった挨拶を欠かさないようにしよう。たったそれだけのことで、お互いの気持ちにゆとりが生まれ、スムーズな走りができる

他車への思いやり&予測で、こんなシーンもイライラしない

合流車線でまごつくクルマに進路を譲る
左からの合流車線から本線に入るのを躊躇して、時には止まってしまうクルマもある。そういうクルマがいたら右側車線に移る配慮も

モタモタと駐車スペースを探すクルマ
街中で進むでもなく止まるでもなくモタモタ走るクルマ。パーキングメーターを探していたり、縦列駐車でに困っていることが多い

絶景ポイントは駐車場の前後に注意
前走車が突然減速、停車したかと思ったら、急に道路右側の駐車場に右折。絶景ポイント近くであればこういうことも起こりえる

たとえば、こんなシーン。アナタならどうする!?

環境

  • 自車:直進 対向車:右折
  • 対面2車線の右折レーンや右折信号がない交差点
  • 自車の前後にはクルマが続いていて切れ間がない
  • 対向車の後ろには後続車がズラリ

原則、直進車優先なので自車がそのまま直進してOKなのだが……
対向車が右折待ちしている交差点を自分が直進するようなシーン。原則は直進車が優先なので、右折車が発進しないことを確認しながら直進すればいい。しかし右折車の後ろには、直進を待つ後続車が並んでいる。そんなときには速度を調整して前車との間隔を開けながら合図を送り、右折車を先に右折させるとスマート。右折車がいなくなれば後続車は直進することができ、交差点の滞った交通が流れるようになる。こうした計らいには右折車だけでなく、後続車に感謝の合図を送られることもある

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