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天気のミカタ【ラニーニャ現象、ライダーには辛い寒さ】

(BikeJIN2023年1月号より抜粋)

過ごしやすい季節はあっという間に過ぎ去り
寒い冬がやってきました
ライダーには辛い寒さかも?

南の海から巡り巡って日本は寒〜い冬に

Writer

気象予報士 小杉浩史

SNS→https://twitter.com/Hirofumi_Kosugi

ウェザーマップ所属の気象予報士。現在、ミヤギテレビの情報番組・報道番組に出演中。休日はDUCATIのSuper Sportsで、東北の雄大な自然の中でのツーリングを楽しんでいます

早いもので今年も、もう今月でおしまいです。今年もいろいろありました。今年の天気を振り返ると、春はいつも以上に暖かい日が多く、梅雨に入ったかと思ったら気象庁は異例の早さであっという間に梅雨明けを発表。ところが実際はその後も雨の日が多く、私のいる東北地方で大雨になった日もありました。秋になれば今年も台風がやってきて、九州では特別警報が出るほどの強さの台風が来たこともありました。ようやく快適な紅葉シーズンが到来!と思ったらもう冬装備の出番です。

気象庁では1カ月単位や3カ月単位の予報というものも発表しています。冬の天候がどうなりそうかはそれを見るのが1番なのですが、どうも今年の冬(12月〜2月)は平年以上に寒くなる所が多くなりそうです。この要因は南の海にあります。エルニーニョ現象やラニーニャ現象って聞いたことありますでしょうか?これは南の海の海面水温が普段とは異なる分布になる現象です。水温が変わると雨雲の湧く位置が変わります。雨雲の湧く位置が変わるとその周辺の風向きが変わる。風向きが変わると気圧配置が変わる……と「風が吹けば桶屋が儲かる」のように影響が波及していって世界の天候を左右するものです。いわば南の海は、地球の大気を動かすエンジンと言える存在なのです。 

そして今はラニーニャ現象が起きています。ラニーニャの時には、ものすごーく平たく言うと「夏はいつも以上に暑く、冬はいつも以上に寒くなりやすい」状態になります。大陸では冬のシベリア高気圧が強まり、今年の冬は冬型の気圧配置が現れやすくなる予想です。

2021年12月13日の天気図と雲画像。2022年はこの「西高東低の冬型」がいつも以上に多いかも

元々、日本海側の地域では雪が積もってしまうのでバイクは冬眠させてあげる所が多いかと思いますが、太平洋側では冬でも走るという方も多いことでしょう。冬型の気圧配置が多いということは太平洋側では晴れる日が多くなる、ということなので天気だけで言えばバイクに乗れるとは思いますが、気温はそんな太平洋側でも「平年並
みか低い」予想となっています。ただでさえ寒い冬がいつも以上に寒くなるかもしれません。

今年の冬、バイクに乗る時はいつも以上に厚着をして、寒さのせいで集中力が削がれたりしないように気を付けながら冬のバイクライフを楽しんでいきましょう。

ちなみに私のいる仙台は、東北地方とはいえ雪はあまり積もらないので、私は冬でもバイクには乗ります。そんな私も今年はいつも以上にぽってり着込んで走ることになるかもしれません。

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