1. HOME
  2. COLUMN
  3. [アニメ聖地巡礼]ビビッドレッド・オペレーション

[アニメ聖地巡礼]ビビッドレッド・オペレーション

(BikeJIN2022年6月号より抜粋)

二次元マニアを指す呼称として80年代に誕生した「ヲタク」という言葉
インドア派と思われがちだが、好きな作品をきっかけとした彼らの行動力はスゴい
そんなヲタクの1 人である私がハマっているのがアニメツーリズム
今回の舞台は、東京都なのに縁遠い伊豆大島だ

 本誌の人気特集「絶景道ランキング」において、毎回必ず上位に入るのが静岡県にある伊豆スカイラインだ。各所の展望台から相模湾側を眺めると、天気が良ければいくつかの島が見える。その中でもひときわ大きいのが伊豆大島で、今回取り上げるアニメ「ビビッドレッド・オペレーション」の舞台となる場所だ。

 2013年1〜3月に放映されたこの作品は、SF&変身ヒロインものにカテゴライズされ、世界のエネルギーの95%(!)を担うという新エネルギー炉、示現エンジンが相模灘の人口島に建設されているという設定だ。作られたエネルギーは世界中へ無線供給されるほか、正体不明の敵性体もこれを得て稼働しているという、美少女ものでありながらストーリーとしては複雑だ。

OPに登場する岡田港への坂道。島の北部にあり、作品内ではこの先に示現エンジンと富士山が見える。この道は一方通行なので注意
作品内では波浮港の町並みが緻密に描かれており、ノスタルジックな雰囲気と架空のエネルギー炉とのミスマッチがポイント。写真は波浮港の最奥にある鵜飼商店の揚げたてコロッケ。注文してから調理するので熱々が食べられるぞ

 伊豆大島は海岸線長52㎞の火山島で、北部には空港もあるが、船舶でのアクセスが一般的だ。大型客船に受託手荷物としてバイクを載せることは可能だが、排気量は250㏄未満までで、コンテナに積んでの運搬となる。そのため、一度に運べる台数が非常に少なく、予約ですぐに枠が埋まってしまうことも。貨物運搬なら251㏄以上でも対応してくれるが、このコラムを書いている4月中旬現在での片道の運賃は9887円(概算)となっており、愛車を持ち込むのは北海道以上にハードルが高いと言える。

 とまぁ、略称「ビビオペ」の聖地巡礼のためにここまで調べてバイクで行くことをあきらめ、2018年から5年連続で自転車を持ち込んでいる。島内を1周する都道208号は約47㎞。交通量が少なく、しかも信号がほとんどないため、自転車でも4〜5時間で1周できてしまうのだ。とはいえ、かなりアップダウンが激しいため、体力に自信のない方にはレンタルバイクをオススメする。50㏄のスクーターを24時間利用した場合の費用は4000円ほどとなっており、これを借りれば三原山への上りも楽にこなせるはずだ。

見晴台から波浮港(はぶみなと)を見下ろすと、かつてここが火口湖だったことが分かる。主人公の一色あかねはホバーバイクを新聞配達や通学に使っており、スクーターでこの港町を走ればあかねちゃんの気分になれる!
もう1人の主人公である黒騎れいが打ち上げられていた野田浜。島の最北端にある海水浴場で、火山性の砂浜は真っ黒。黒騎れいらしい設定だ

 さて、この作品で主に登場するのは、伊豆大島の南東に位置する波は浮ぶ港だ。示現エンジンがあるのは島の真北という設定なので、なぜここが選ばれたのかは不明。1800年に火口湖を開削して誕生したこの港は、かつては漁業関係者や観光客で大いににぎわい、川端康成の短編小説「伊豆の踊子」の舞台にもなっている。当時を偲ばせる町並みが今も残っており、世代や趣味を超えて聖地巡礼が楽しめるエリアなのだ。

 この波浮港のすぐ近くには、町役場が管理するトウシキキャンプ場がある。とくに作品には登場しないのだが、ここはオススメだ。もともと海水浴客を対象としているのでシャワーは冷水のみだが、炊事舎や火炊き場など設備が充実しており、しかもゴミまで捨てられて利用料はなんと無料。事前に役所へ電話をして予約をする必要はあるが、キャンプ好きなら一度は泊まってほしい場所だ。

関連記事