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【カラダ整備】ステップ⑨ スポーツライディングに効くスクワット

BikeJIN2023年9月号 Vol.247掲載

前回紹介した、股関節の動きを高めるためのストレッチと片足上げサイドプランク、皆さん実践していただいているでしょうか?

今回も引き続き、バイクをスマートに操るために必須となる下半身の運動パフォーマンスを高めるエクササイズを紹介していきます。

内転筋(内腿にある筋肉)を鍛えることで、ニーグリップの力が強くなり、より理想的なライディングにつながる可能性が高いことは、前回解説したとおり。そして、トレーニングは実際にその筋肉が使われるときの体勢を考慮しながら実施してこそより効果が得られるという観点から、一般的なツーリングライダーがニーグリップをする姿勢を考慮した片足上げサイドプランクを、前号でまずは推奨しました。

今回も引き続き内転筋に着目して、これを鍛えるエクササイズとして「ワイドスクワット」を紹介します。正しい手順は下で詳しく解説しますが、足を肩幅程度に開いてつま先を正面に向けた通常のスクワットと比べて、ワイドスクワットは内転筋を鍛えるのにより効果的。さらに、大腿四頭筋(腿の前側にある筋肉)や大殿筋(お尻の筋肉)などにも効きます。スポーティにワインディングを走るときやサーキット走行を楽しむときには、ステップを踏みこみ、お尻を微妙に浮かせながら腰を左右に移動して、ハングオフスタイルで車体を操ることがあります。ワイドスクワットは、このときの操縦動作や姿勢も思わせるエクササイズ。体験したBikeJINスタッフは、「サーキットを走った翌日に筋肉痛を感じやすい部位に、負荷が加わっている感じ!」と話していました。

ちなみに、これは以前にも解説しましたが、人間の身体は“動く関節” と“動かない関節” が交互に配列されているイメージ。下半身で考えると、股関節は回転もできるので可動性、膝は基本的に屈伸方向のみにしか動かないので安定性、足首はよく動くので可動性のセクションということになります。そのため、膝の上下に位置する股関節や足首に安定性がないと、膝に負担がかかって痛みなどの原因になることがあります。ワイドスクワットは、股関節周りの筋肉を強化できるため、膝関節のエクササイズにもつながります。そして、“スクワットつながり” でもうひとつ、股関節周りの筋肉を広範囲に鍛えられる「ブルガリアンスクワット」も紹介しておきましょう。

こちらは、主に大殿筋や中殿筋(大部分を大殿筋に覆われたインナーマッスル)、大腿四頭筋や内転筋、そして太腿裏側にあるハムストリングスに効きます。それなりの筋力を求められるエクササイズですが、代わりに得られる効果も大きめ。膝が左右にぐらつくと関節を痛めてしまうため、腹筋に力を入れて体軸を保つことも大切になるので、結果的に腹筋のエクササイズにもつながります。

ワイドスクワットとブルガリアンスクワットを、まずは10回ずつ2セット。毎日続けて回数を増やし、楽しいスポーツライディングにつなげましょう!

❶ 肩幅に対して1.5 ~ 2倍程度に足を開き、つま先を外側45度の方向に向ける 
❷ 背筋をまっすぐ保ちながら腰を落とし、太腿と膝が同じ高さになるあたりまで
腰を落とす
❸ 素早く腰を上げ、再び動作を繰り返す

注意点

・膝がつま先と同じ方向に突き出るように曲げる(内股にならないように)
・膝はつま先よりも前方にでないように
・つま先やカカトに重心が寄りすぎないように

❶ 台として使うベンチや椅子などから60~90㎝ほど離れて後ろ向きで立ち、片足のつま先または甲を台の上に載せる(反対側の足は体軸よりも前方に)

❷ 背筋を伸ばし、体軸を保ちながら、ゆっくりと前方の脚を曲げる。膝を90度まで曲げたら、元の姿勢に戻す。10回繰り返したら、左右の足を入れ替えて同様に

注意点

・膝がつま先よりも前に出ないように
・頭から腰までは直立状態をキープ
・膝とつま先が同じ方向に向くように
・足の開きが小さいと太腿ばかりに効く

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