東京・夫婦坂に店舗(本店・京都店もあり)を構える革ジャンメーカーのペアスロープが、麻のマスクを製造・販売し始めたというコラムをこのサイトにアップしたのは4月17日のこと。ちょうど、注文が増加して生産数を1日250枚にアップすることが決まったところでした。
コラムのアップ後、折からのマスク不足にペアスロープ謹製というバリュー加わり、翌日からメールが殺到し、わずか24時間あまりで2000枚ものマスクの注文が入り、一時的に注文受付を停止する事態に。その後も、普段は革製品の製作を担当する腕利きの職人たちがフル生産体制で注文をさばいていたペアスロープでしたが、製作→発送をGW中も繰り返し、やっと落ち着きを取り戻したのは5月の半ばを過ぎた頃だったそうです。
ちょうどこの頃から、夏場にマスクは熱中症の危険性があるという報道が増えてきていて、そこでまたまたペアスロープの職人魂が刺激されたのか、今度は同社が夏物ウエアに使用しているポリエステルメッシュを使用した涼しいサマーメッシュマスクを製作することを決定。ここでもモノ作りにとことんこだわるペアスロープらしく、裏側に起毛生地を使用することで過度の通気を防ぎ、マスク内側は肌触りのいいコットンガーゼ、耳あてのストレッチロープもウエアにも使用する伸縮性に富んだものを使うなど、なんというかマスクに対しても全力投球で取り組んでいるのがうかがえます。
表地に適度な通気性を実現するポリエステルメッシュを使用するサマーメッシュマスク。革ジャン職人たちが、1枚1枚丁寧に縫製作業を行って立体的に仕上げている
過度な通気性を抑止するために、裏側には起毛生地を使用。マスクにだって全力投球で取り組んでいるのだ
100%麻素材を使用した立体リネンマスクは、注文が殺到して素材の麻が底を尽き、新たな素材を利用しながら作り続け現在は第3タイプとなる
涼しい夏物ジャケットの新作もお忘れなく
現在は、ニューモデルであるサマーメッシュマスクと従来からの麻マスク(これも途中で材料の麻が尽き、麻素材を変更しながら継続してきた第3タイプになります)の2タイプを同社のマスク専用サイトで発売中ですが、(※2022年7月現在は取り扱いなし)忘れてはいけないのがペアスロープはライディングウエアメーカーであること。そう、本業のほうでも今年モデルの涼しいライディングジャケットが用意されています。
こちらもマスクと同様(というか、こっちが本家ですが)、通気性に富んだ麻100%のショートコートや、ポリエステルメッシュを使ったジャケットが新作としてラインナップされています。
麻とポリエステルメッシュ、好みに合わせてジャケットとマスクを同じ素材でそろえてみるなんてちょっと通っぽくて面白いかもしれません。
もうひとつ、これも忘れてはいけないのですが、このサイトでは本誌とコラボしたペアスロープのコードバン二つ折り財布などを販売中。革ジャンはもちろんのこと、テキスタイルも、革小物も、そしてマスクにまで息づくペアスロープのモノ作りに対する熱い気持ちを感じてみてください。
RT-22RA リネンショートコート(4万3450円):しっかりした麻100%生地で仕立てた、人気のツアラーコートスタイル。優れた通気性と着心地のよさが特徴
WM-318 メッシュジャケット(3万2450円):メッシュでは珍しいダブルタイプ。エリの開閉で通風量と外観を変化させられる、機能とデザイン性を両立したモデル
革ジャン、革製品をはじめ高品質かつ高機能な商品が所狭しと並ぶ夫婦坂本店。上階が工房になっていて、そこでペアスロープの商品が生まれる