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【速く走るライテクはいらない】その常識が邪魔をする

峠道を走るスポーツ派の間で常識として語られてきたライテク
サーキットを速く走るためのもの特殊なものが含まれている
それが公道を走るときには邪魔をしていることもある

常識を疑ってみよう、ライテクも例外ではない

何事にも人々の間に常識として信じられていることがある。バイクの乗り方にも、多くの当たり前がある。その多くは70〜80年代の先輩たちの経験値に基づくものが多いのではないだろうか。

 スポーツの世界でのウサギ跳びや水を飲んではいけないのような、すべての人々が信じていたことか、科学的に否定されて、今やコレを正しいと信じている人はいない。 バイクはスポーツ性が高い乗り物なので教習所の教えとは別のテクニックがたくさん紹介されている。しかし、その多くはアウトインアウトのライン取りのように、古のレーシングテクニックだ。サーキットのように知っているコースを速く走るのと、ツーリングで知らない道をスムーズに安心安全に走るのは異なる部分も多い。 

特にカーブの直前で、曲がれるもっとも高い速度に合わせるべく、短い時間で強くブレーキをかけるのを理想としていないだろうか? そのブレーキングを頑張りすぎないだけで安全性は高まり、心のプレッシャーも取り除かれる。そして、結果的にもっとスムーズに楽しく走れることにつながる。弱くて長いブレーキを使ってみよう。

【バイクが曲がらないと感じてる?】セルフチェックしてみよう

バイクはライダーと一体になって、初めて機能する乗り物だ。バイクはライダーの操作で走り、曲がり、止まるように設計されているが、ライダーの操作や入力によって、その動きは変わってくる。直進してきたバイクはカーブに入る前にライダーが入力することでバランスが変わって旋回していく。

 入力する場所はハンドル、シート、ステップだけだ。その方法が、バイクの運動性を引き出すか、スポイルしてしまうのかバの分かれ道となる。 スポーツでは「脇を閉めろ」という言葉を聞くが、バイクは腕を突っ張ってしまうと、曲がろうとしているバイクの自然な操舵を妨げてしまう。スライドに対処するために外側のステップを踏む外足荷重も、バイクのシートの外側に体重を預けたまま、ステップを強く踏んでいたらバイクの自然な傾く力を打ち消してしまう。

 ライダーがバイクの邪魔をしてないかチェックしてみよう。

セルフチェック項目

A ハンドルを抑えていないか

バイクは傾けて曲がるというのは常識のようだが、バイクはフロントに陀角がついてハンドルを切って曲がっていく。腕を突っ張って力が入ると、曲がろうとするバイクを抑えてしまう

B 外足荷重にこだわりすぎていないか

バイアスタイヤ時代のサーキットでは、スライドに対応するために外側のステップに多くの体重を預けることが推奨されたが、バイクが傾いていない状態で荷重しているとバイクが傾かない。

C ハンドルを保持できないほど力を抜こうとしていないか

ニーグリップとステップを前に踏み込む動作で下半身を支え、ハンドルで前のめりになる上体を支えていい。両手の手のひらで体重をバランスよく受けて、ハンドルはぎゅっと握らず保持する感じ

D シートイン側のヘリにお尻で荷重しているか

バイクが曲がっていくときに、傾きに合わせてシートイン側に荷重すると、曲がりたいバイクにライダーが同調できる。この時にお尻で、タイヤのイン側の路面の接地面を感じられると理想的だ

E バイクの向きが変わっていないのに加速していないか

交差点の右左折などはスロットルを開けながら曲がると安定するが、カーブではバイクの向きが変わるまでスロットルを開けるのを我慢する。さもないとアウト側にはらんでいってしまう

バイクが曲がり始めた時の身体の使い方・力の入れ所

①ブレーキをかけた時も手首は柔軟にしておく。体重を受けるのは手のひら

②外側の足の内側モモ、膝、ふくらはぎ全体をバイクに沿わせてホールドする

③ステップは少し前に蹴るような方向に入力するが、過度に踏ん張らない

④内側の腕は突っ張らずにたたむ。グリップは力を入れすぎずに保持する感じ

⑤上体は腹筋で支えてふらつかないように。背骨をクッションに使う

⑥イン側の足はステップに軽く足をのせてバイクをホールドし、強く踏み込まない

⑦お尻の内側でシートのイン側に体重を預け、タイヤのイン側のヘリを感じたい

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