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【キャンプで”火”を使いこなせ!】LIGHT MY FIRE「焚き火の調理」

今はガスや電気で調理をしているけれど
ほんの100年ほど前は薪や炭を燃料にして
生の火で煮炊きをしていたのだ
焚き火の調理は楽しいだけでなく
防災の面からも覚えておいて損のない
重要なスキルのひとつと言えるだろう

BikeJIN2024年6月号 Vol.256掲載

焚き火で調理をすると家庭での調理との大きな違いを思い知らされることになる。普段はスイッチひとつでガスに火がつき、火力調整も簡単にできる。IHヒーターも同様だし、電子レンジにはタイマーが付いている。焚き火の調理はそれらが一切なく、まず火を起こすということから始めなくてはいけない。河原やキャンプ場でのBBQを見ていると、いつまでたっても火が起きないグループもたまに見かけるし、震災のボランティアで石巻に行った時にも農家で薪、炭、鍋、米、水がすべて揃っているのに「炊飯器でしか炊いたことがないからご飯が炊けない」という人にも遭遇した。実のところ、これが今の「普通」なのかもしれない。地震の頻発している昨今、生の火を使って調理をすること、その経験をしておくことは防災上でも大切なことだと僕は考えるのだが。

焚き火の調理で特に難しいのは火力の調整だ。家庭の調理器具やキャンプ用ストーブのようにつまみひとつで調整ができるというわけではない。火を一度に強くするには細い薪を大量にくべればいいのだが、火を弱めるにはどうしたらいいか。普通なら薪を減らすと考えるところだがそうではない。ここで発想の転換が必要になる。火を弱めるのではなく、火から離すということで火力を調整するのだ。古民家などに見られる囲炉裏の自在かぎはそのための道具だ。BBQでもグリルの中に炭をたくさん置く場所、少しだけ置く場所、置かない場所を作っておくとわざわざ火力調整をするために炭の出し入れをしなくても済む。このように発想の転換を要求され、普段の生活で固くなってしまった頭を柔らかくほぐすという意味でも焚き火の調理はとても面白い。

焚き火で調理をしようと思ったら、火の扱いや熾火の使い方、薪の種類にも詳しくなる必要がある。焼き網に乗せた肉を燃え上がる炎で焼こうとしたらススで真っ黒になるか、焼け焦げてしまうかのどちらかだ。焼き網で焼くには炭のような熾火になってからでなくてはいけない。炎が上がっている状態での調理はフライパンや中華鍋の出番だ。焚き火の炎は家庭のグリルよりも大火力にすることができるから、強火力でザッと炒める中国料理などがオススメだ。

薪の種類で言うとスギなどの針葉樹は火がつきやすく燃えやすいがすぐに燃え切ってしまっていい熾火にはなりにくい。しっかりしたいい熾火になるのはナラやクルミなどの広葉樹だ。しかし、これらはなかなか火がつきにくい。さらに言うと乾燥した広葉樹は非常に硬いので薪割りも一苦労する。キャンプ場で売っている薪はたいていがスギの間伐材だが、時々針葉樹の薪と広葉樹の薪、両方を売っているところもある。調理をしたいなら薪割り、火起こしが少し大変でも広葉樹の薪を買う方をオススメしておきたい。

いい熾火ができているなら何を焼こうが美味しく仕上がる。考えただけで生唾が湧いてきそうだ。

串に刺したソーセージを焚き火で焼くだけで十分なご馳走になる。軽くあぶったコッペパンがあれば極上なホットドッグの完成。
焚き火でクッカーやケトルを使うと底がススで真っ黒になってしまい、洗剤で洗ってもなかなか落ちない。あらかじめ中性洗剤を厚めに塗っておくと、このように水洗いだけでキレイに落とすことができる。
三叉にチェーンをかけるとチェーンの長さを変えることで火加減の調整が簡単にできる。囲炉裏の自在かぎと同じ考え方だ。
燃え上がる火では中華鍋やフライパンで調理。BBQや串焼き、ホイル焼きは熾火になってから。
熾火に油脂分が垂れて炎が上がってしまった時には水鉄砲(僕のは映画「ブレードランナー」のデッカードブラスター)で消火する。熾火はそんなに簡単には消えないから大丈夫

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