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ハーレー和尚のバイク説法「初祈願 初祈祷」

バイク寺として親しまれる大阪府能勢町にある「妙見宗総本山 本瀧寺」の執事長。40歳の時に大型二輪免許を取得。ショベルに乗るハーレー和尚として、バイク講話など交通安全普及に努める

 本瀧寺のシュウケンです。新年を迎えてこのコラムを読まれている方もいらっしゃるかも知れませんが、実は筆を執っている時点ではまだ年は明けておりません。ただ前回、除夜の鐘のお話をしたので、今回は新年に関係するお話をさせていただきます。

 日本では多くの人が、元日または三が日の間に初詣へと行きます。そこで神様や仏様に、旧年の感謝と新年の抱負などのお願いするかと思います。いわゆる『初祈願初祈祷』です。よく祈願と祈祷の違いを聞かれるのですが、一般的には、神職や僧侶がお祈りに直接関わるのが祈祷、参拝者が直接お願い、お祈りするのが祈願とされています。ただし、神道や仏教、仏教でも宗派によっても違うので、明確な線引きはないと言っても良いでしょう。ただ神仏に対してなにかをお願いをする行為自体は、祈祷、祈願とも同じです。

 祈願、祈祷をする際の細かな作法やルールなどは、それこそ神道、仏教、さらに宗派によって千差万別です。共通して言える大切なことは、具体的になにをお願いするかです。漠然と「幸せにしてください」などとお願いされても神様や仏様は困るだけです。例えば合格祈願がそうです。経験された人ならご存知だと思いますが、具体的な学校名や資格名などを挙げて合格を祈願、祈祷されたかと思います。以前、言霊の話をしましたが、言葉がそれ自体に力があるように、なにかを願う気持ち、祈る気持ちにも霊力が宿ります。その気持ちが強ければ強いほど、その力も強くなります。「○○を成し得たい」と、具体的にイメージすることは、その想いを強くしてくれます。そして、強い想いには、必ず行動が伴います。先ほどの合格祈願ですが、「お願いだけして、一切勉強をしなかった」なんて、人はあまりいないでしょう。具体的な学校名、資格名を挙げているということは、そこに合格するための勉強という行動も起こしているはずです。

社寺仏閣でよく見られる絵馬。もともと神事の際に馬を奉納していたことがその起源といわれる。ここ本瀧寺で毎年多くのバイク絵馬が奉納される
本瀧寺で毎年5月の第3日曜日に行われる「大柴燈護摩供」。護摩祈願とも言われ、世界平和、国土安穏ならび家内安全、無病息災などが祈願される

 交通安全の祈願、祈祷も同じなのです。無事故無違反などとお願いする時点で、その人の交通安全に対する意識は高いと言えるでしょう。そして祈願の際に、無事故無違反で運転している自分をイメージしてください。あとはそのイメージを大切にして行動するだけです。そのイメージはきっと強い力を持ち、あなたの願いを叶えてくれることでしょう。

 2024年もライダーのみなさんにとって、すばらしい年でありますように心からお祈ります。

合掌

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