ツーリングを楽しむ全てのバイク乗りのためのWebメディア

BikeJIN

【9/21締切】「入社して編集部員になるとどんな生活に?」
新入社員編集者のリアルをお伝えします!
【森弘輝/RIDERS CLUB編集部員】

大学生のときに新車のドゥカティを買ったと聞いていますが?

A.はい、スポーツバイクが好きでいまも乗っています。

僕は京都出身で、両親の影響で高校2年生からバイクに乗っています。ちょうどこの頃、母親がバイクに乗り始めたんです。その様子を見て、自分も乗りたくなりました。普通二輪免許は取得したのですが、自分のバイクは購入せず、両親のホンダ・CBR250Rやスズキ・ボルティーを借りて乗っていました。いま思えば、初心者がバイクに慣れるにはちょうどいい車種が家にあったわけです。

大学に進学してから大型二輪免許を取得。その後、すぐにドゥカティの1299パニガーレSを新車で購入しました。大学にもバイクサークルはあったのですが、遊びの方向性が違っていたので、SNSなどを駆使しながら大学とはまるで関係なく自分でバイクサークルを立ち上げ、そのメンバーとたまにツーリング。最終的にこのサークル、100名くらいの集まりになりました。まあでも、ひとりでバイク遊びするほうが多かったかも……。

自分で撮影した、愛車の1299パニガーレS

大学卒業後、そのままRIDERS CLUBに?

A.じつは、一度は自動車メーカーに就職しました。

大学では経営学部で、自動車も関連するゼミに所属していたので、自動車メーカーに就職したいという気持ちがありました。
2020年春に新入社員として自動車メーカーに入社し、営業職として現場を知るために、ディーラーに配属されました。自分の赴任地は高知県で、軽トラックに乗る年配者か日常の足として軽自動車を使う女性の来店率が圧倒的に多いような地域柄。そこで約半年間働いたのですが、「う~ん、何かが違う……」と思いはじめていました。じつは中学生のころから写真が趣味で、いつか写真に関する仕事もしてみたいと思っていたのですが、有名なカメラマンが東京でアシスタントを募集している求人情報を発見。これをきっかけに、東京でもう一度自分がやりたいことを考え直してみようと思うようになりました。

大学卒業後数年間なら、いわゆる“第二新卒”としての就職活動枠も使えますし、求人情報を眺めていて、「少なくとも食べていくにはそれほど困らないかも……」と感じました。とにかく東京に身を置いて、写真の道なり新たな分野なり、自分に合うものを……というときに出会ったのが、RIDERS CLUBの編集部員の募集告知。雑誌の編集部員なら、カメラマンと仕事する機会も多いはず。写真が専門というわけではなくても、学べることは多いに違いないという想いも、RIDERS CLUB編集部に入る大きな後押しになりました。

就職する前、雑誌編集に抱いていたイメージは?

A.〆切がキツい、徹夜続き、机が汚い……ですかね。

RIDERS CLUB編集部に入社するまで、もちろんバイクが好きでRIDERS CLUBを含めて、いくつかのバイク雑誌も読んでいましたが、雑誌の編集ということに対する知識はまるでありませんでした。TVドラマなどの影響から、〆切がキツいとか徹夜続きとか机が汚いなんてイメージがあったくらいで……。実際、自分が面接に行ったときは編集部が現在の場所に引っ越す前で、想像どおりに各編集者のデスク周辺に雑誌などが散乱していて、“いかにも”という感じでした。

しかし、就職してから2021年8月の段階でまだ5ヵ月ですが、〆切があるのはともかくとして、それに向けて徹夜続きなんてことはありません。これは、自分の仕事量がまだ他の先輩編集者より少ないということもあるのですが、だからといって先輩たちが徹夜しているなんてことを見ることもありませんね。

時間がタイトな仕事だと思っていたら、そうでもなかった……と?

A.うまく使えれば、自由な仕事なんだと思いはじめています。

これは、自分の仕事量がまだ少ないこともあるのでしょうが、〆切という絶対の決まり事に向けて順調に進行さえしていれば、会社に遅く来たり、早く帰ったり、場合によっては出社せず自宅で仕事しても、問題になることがほとんどありません。もちろん、取材やロケ、あるいは〆切近くに他の編集者やデザイナーなどと直接やり取りをするなど、絶対に「その場所にいないといけない」ことはあるのですが、とはいえかなり“時間と場所”の制約が少ない仕事だと感じはじめています。

このコロナ禍で、リモートワークやワーケーションなどに注目が集まっていますが、自分より仕事量が多い先輩編集者たちも、生活の中にうまくそれらを取り入れて、仕事とプライベートを両立し、どちらも充実させているように見えます。RIDERS CLUB以外にBikeJINとCLUB HARLEYの編集部も同じ場所にありますが、どの編集部員も同じような感じで、〆切前の1~2週間はある程度の慌ただしさもありますが、それ以外の期間は時間的な自由度は高いと思います。

入社から5ヵ月。これまでに携わった仕事は?

A.すでに取材同行は何度も経験し、小さな企画や連載記事の編集も。

バイク雑誌は外でロケをする機会も多いのですが、RIDERS CLUB編集部では定期的にサーキットロケがあるので、そのときに“人足”として同行したのが初ロケでした。編集の仕事は、ちょうど、先輩の編集部員からいろいろ教わりながら、実践して覚えている状態。以前からあった連載企画のいくつかを任されたり、それほどボリュームが多くない、4ページ以下の企画の編集を担当したりと、少しずつ担当する仕事を増やしてもらっています。

編集の仕事では、カメラマンやクライアントなどとやり取りして写真素材を集め、デザイナーさんにページ内の写真配置や原稿量などを指示する“ラフ”をつくり、ライターさんに原稿を発注し、それを受け取ってチェックし、ページ内に反映させる(流し込む)作業を依頼するところまでが、基本的にはひとつの流れになっています。その後、仮にできあがったページに修正を加える校正の作業もありますが、こちらは編集部内全員でやります。

RIDERS CLUBに入ってから、まずはこのラフづくりについて先輩の編集者や編集長から教わりました。編集の作業には、いわゆる業界用語が多く使われているのですが、それらも少しずつ教わり、実際の作業を通じて覚えています。「ダイワリ(台割)」やら「コウバンヒョウ(香盤表)」や「ホンモン(本文)」など、最初のうちは戸惑う用語も多かったのですが、わからない用語は聞けばすぐに教えてくれるので、特殊な世界ですけどとくに問題ありません。仕事での専門用語というのは編集に限った話ではないでしょうしね。

この間は、ライターさんと一緒に、初めて取材にも行きました。これまでは、他の編集部員が一緒にいる取材やロケしか経験していなかったのですが、この業界で働いているフリーランスのライターさんやカメラマンさんは経験値が高い人ばかりで、なにかあればすぐにサポートしてくれるので、安心して取材ができました。

誌面に初めて自分の写真が載った時のページです。
ほとんど初心者みたいなものなので、一般ライダー目線の記事を担当しました。

RIDERS CLUBではサーキットイベントも実施していますが?

A.編集部員もスタッフとして働きますが、楽しいです!

RIDERS CLUB編集部では、サーキット走行イベントとしてライディングパーティを主催していて、2021年は7回開催。これらの準備と運営には編集部員も必ず加わり、先導車両やイベント機材の搬入搬出、当日のさまざまなスタッフ業務を担当します。

これは、いわゆる編集の仕事とはちょっと異なりますが、自分の場合はサーキットにいるだけで気分が騰がるタイプなので、いつも楽しく仕事しています。読者の方々と実際にお会いできる機会で、いまはコロナ禍なので気を遣うことも多いとはいえ、貴重な時間だとも感じています。本当は、「いつか自分も参加者の方々に混ざって走ってみたい!」と思っていますが、これはもっと仕事ができるようになってからですね。

ライパやロケなど、サーキットでは、搬入・搬出や受付、先導車両への給油、拭き上げなどさまざまな仕事をしています。

RIDERS CLUBは編集部員がバイクに乗ることもありますよね?

A.はい。だから今後はもっとライテクも磨いていきたいです。

RIDERS CLUBは、編集部員がサーキット取材でバイクに乗ることもあります。河村編集長なんかはインプレッションも担当。ライテク企画など、さまざまなシーンでプロライダーに混ざって走ることもあります。自分はまだ入社数ヵ月なので、そのような役割を担当したことはないのですが、今後そういうこともできるようライディングテクニックも磨いていきたいと思っています。例えば、いま所有しているパニガーレを売ってレースに挑戦しようかなとか、プライベートでサーキットを定期的に走ろうとか、いろいろプランを練っているところです。

編集部員がバイクにのるというのは、バイク雑誌では普通のことみたいですが、RIDERS CLUBの場合はスポーツライディングが大きなテーマなので、編集部員にも必然的にある程度のライディングスキルは求められるのではないか……と。とはいえ、入社の段階でそれが問われることはありません。もっと言えば、会社からライディング技術を求められているわけでもありません。これは単純に、自分がバイクに乗るのが好きで、なおかつこの環境にいるなら学べることも多いので、それなら上を目指そうかな……と。速くなりたいというよりは、いつか来るかもしれない“自分が誌面づくりの一環でバイクに乗る”ときに、余裕をもって絶対に転ばず安全に走れるようになりたいです。

では、編集作業に関していま自分自身で課題にしていることは?

A.自分なりのエッセンスを誌面に反映させることです。

まだ編集の仕事に携わるようになって数ヵ月ですから、なかなか思うようにできないことも多いです。1~2ページの企画や連載のページなら、過去の誌面を参考にしてラフづくりをすることはできるようになってきました。でもそこに、ライターさんからの意見、他の編集からのアドバイス、デザイナーさんからの提案などが加わったとき、自分が最初に描いたラフの全体バランスを崩すことなくそれらを反映していくのは、とても難しく感じています。それから、過去の“コピー”はできたとしても、そこに自分らしさをプラスするのは、まだまったくできていません。一方で、RIDERS CLUBらしさという要素もありますし、雑誌づくりにはクライアントや取材対象者などもいらっしゃるので、いくら自分らしさを表現するといっても、独りよがりにならずにそういう方々に配慮する必要もあります。これらのバランスを取りながら、なおかつより自分らしいページをつくるというのが、今後学んでいきたいことのひとつです。

それから、いまはまだせいぜい4ページ程度の企画を任されているだけですが、いずれは巻頭の大きな特集をすべて自分で担当できるくらいの実力を身に着けたいです。幸い、この編集部は質問すればていねいに教えてくれる先輩がいるので、どんどん吸収していきたいと思っています。

あと、RIDERS CLUBの場合は編集部員でも原稿を書くことが少しあります。ちょうどいま、初めて原稿を書いているところですが、短い文章ならなんとかという感じ。こちらも、過去の誌面で他のライターさんが書いていた文章を参考にしながらですが……。いずれ、何ページにも渡る長文も書けるようになりたいです。

最近はラフと、にらめっこしていることが多いです。
全体のバランスを見たり、必要な情報がきちんと入っているかを考えたり。
工夫することはたくさんあります。

RIDERS CLUB編集部に入ってみて、この仕事に向いているのはどんな人?

A.本当にバイク(とくにスポーツライディング)が好きなこと。これが一番!

数あるバイク雑誌の中でも、RIDERS CLUBはちょっと特殊で、オンロードのスポーツライディングをテーマにしているので、バイクに乗ることそのものが大好きであることが、まずは求められることだと思います。姉妹誌のBikeJINは、バイクを旅のツールとした遊びの提案なども多いですが、RIDERS CLUBは“バイクそのもの”がテーマなので、エセバイク好きだとツラく感じちゃうこともあるかもしれません。実際、その制作に関わる編集部員、ライター、カメラマンの方々はみんなバイクが本当に大好き。普段の何気ない会話にも、マニアックな内容がときどき紛れます。この環境って、もしもあまりバイクのことを好きじゃなかったら苦痛かも……。まあ、RIDERS CLUB編集部に入ろうという段階で、そんな人はあまりいないと思いますが。

編集に関しては、入社してからていねいに教えてもらえるので、自分のようにまるで知らずに入社しても問題なし。就職してから学べばいいと思います。むしろ、入社が決まってから準備期間があるなら、少し学んでおくといいかなと思うのは、過去のレースやバイクに関すること。誌面では、元MotoGPライダーの方々が多く活躍されていて、自分の場合は彼らが現役時代のことをあまり知らないのですが、もっとその当時に関する知識があったら……と思うことはあります。

別に皆さん、普段から頻繁に昔話をしているわけではないし、目線は最新のバイクやレース事情に向いているのですが、その背景には過去のさまざまな歴史があります。きっと、そういうことを多少でも理解しておくと、現代のバイクやライテクなどに関する理解度が高まって、編集者として誌面に反映させることもできると感じています。

レジェンドライダーから直接お話を伺うこともあります。
何度もお会いしていても緊張します。

エントリー期限:2021年9月21日(火)まで