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飽くなきこだわりの秘密を探る!ヤマハのコト創り

ヤマハのコト創り:VOL.4 シースタイル「きっと世界を見る目が変わる」


自動車のシェアリングサービスが注目を集める昨今である
趣味を楽しむためのボート──プレジャーボートにレンタルがあってもおかしくない
だがヤマハは22年前、すでにレンタルボートを開始。現在はシースタイルとして
さらに内容を拡充し、多くの利用者を集めている。その狙いはどこに──

問い合わせ
ヤマハマリンクラブ シースタイル
TEL:0120-730-344
https://sea-style.yamaha-motor.co.jp/

ただ単純に楽しさや喜びを知ってもらいたい

海の上を疾走するボートを1度でも体験すれば、バイク乗りなら力強く頷くはずだ。「これは楽しい!」と。そしてバイクとの共通点が意外にも多いことに気付く。

オープンエアで、風を受け、波や加減速によってさまざまな方向からGを受け、エンジンパワーを感じながらのダイナミックな旋回が気持ちいい――。
だが、水上レジャーにおける「1度でも体験」のハードルの高さは、陸上レジャーであるバイクを大きく上回る。このハードルをどうにか下げるために、シースタイルはある。

ヤマハ・マリン事業本部の安田隼平さんは、「シースタイルは、ボートというハードウエアをレンタルするだけの貸しボート屋ではありません」と力強い。「さまざまなソフトウエアを用意し、遊び方を提案するのがシースタイル。ビギナーの方の目線になり、いかにボートレジャーを楽しんでいただくかを考えています」
その究極型が、先に紹介した船長付きのシースタイル・チャーターだ。入会金5400円、月会費無料のシースタイル・ライトに加入すれば船舶免許がなくてもOK。二輪免許ナシでもタンデムツーリングできるようなものだ。

また、船舶免許があっても「初めての場所で操船が不安」「釣りに集中したいから操船したくない」といったケースでも、シースタイル・チャーターを活用できる。

さらに、約1億円の豪華クルーザーでゴージャスに遊べるシースタイル・プレミアムも。これも船舶免許ナシでもOKが、3時間35万円~とお値段もかなりゴージャス。しかし1億円のクルーザーを購入し、年間100万円近くでマリーナに係留することを考えれば、破格に安いとも言える。

……と、ここまでシースタイルについて延々紹介してきたが、これでもかなり割愛しており、実際はもっともっと幅広い。安田さんの「ただの貸しボート屋ではない」の言葉は真実だ。シースタイルの名の下におそろしく豊富なソフトウエアが用意されており、ヤマハの相当な意気込みが感じられる。

ツーリング気分で水面を駆け自然を感じるクルージング
クルージングは王道ともいえるボートレジャーだ。風や波をダイレクトに感じられる水上は、常に変化があって人を惹きつける。同じ場所でも時間帯や日によって違う表情を見せるのだ。ツーリングにも似た、自然に近付く感覚

季節の風物詩も違った角度で新鮮
水の上から陸を眺めると、違った景色が目に飛び込んできて新鮮だ。春の花見や夏の花火など、ひと味違う季節の風物詩が楽しめる

家族や仲間と一緒に楽しめる
操船のダイナミックさはバイクと似ているが、大人数が乗り込めるのが違い。家族や仲間と水上でわいわい遊ぶのはボートレジャーの醍醐味

同じくマリン事業本部の鈴木菜月さんは「おかげさまで、シースタイルは事業としても右肩上がりで順調です。でも、私たちが狙っているのは目先の利益というわけではありません。シースタイルがあることによって、会員さまはもちろん、ご家族やご友人、職場の方たちといったお連れさまがボートを体験していただくことが重要だと思っているんです」

18年、シースタイルを利用した会員数は2万3400人。開始した06年には9400人だったというから、確かに伸長している。
だが鈴木さんは、「私たちが重視しているのは、お連れさまを含めた総利用者数。18年でいえば約9万人の方にご利用いただいているんです」。どれだけ多くの人がボートレジャーに触れたかに注目しているのだ。

ヤマハは創業当時から「需要創造」を謳ってきた。「ない需要は創り出せ」と、創業者の川上源一もハッパをかけた。
うがった見方をすれば、シースタイルは「やがてボートを購入してくれる人たちを増やすための営業施策」なのかもしれない。
だが、安田さんは微笑みながらもこれを否定する。「ヤマハはバイクでもレンタルを始めましたが、自動車の世界でもシェアリングサービスが普及し始めるなど、輸送機器メーカーとしてのビジネスの形態が変わりつつあります。今や、所有することが最終目標、という時代とは言えないのではないでしょうか」
鈴木さんも異口同音だ。「シースタイルは特に、『レンタルをきっかけに購入に結びつけよう』という考えがベースではありません。それよりも、シースタイルを末永く楽しんでいただくためにどうしたらいいかを、いつも考えています」

ボートを購入してもらわなくても構わない。ボートレジャーの楽しさや喜びを知ってさえもらえればいい――。献身的にさえ思えるヤマハの姿勢だが、それだけボート購入はハードルが高いことの裏返しでもある。

安田さんがこんなエピソードを話してくれた。「製品の販売を担当していたこともあるんですが、営業活動の中でお客さまにワクワクしていただいても、現実的に不可能と分かりあきらめてしまう方がいらっしゃるんです。せっかくのやる気がもったいなくて……」 

鈴木さんも、「自分もボートレジャーを楽しんじゃってますからね(笑)。こんなに楽しいことがあるんですよ、とお伝えしたくて仕方ないんです」

こういう純粋な熱意がシースタイルの根底にあり、拡充の原点にもなっている。陸でも海でも、ヤマハはヤマハ。ぶれることがない。

ヤマハ発動機
マリン事業本部
鈴木菜月さん
ボートレジャーについてはあまり知らなかったが、就職後に体験してからはすっかり病みつきに。「こんな遊びがあるのね!」と、世界を見る目が変わったそう

波がちょっとしたジャンプ台に。モトクロスと同様の豪快なアクションが味わえるのが水上バイクの魅力だ

海から見る陸は格別。マリーナによって見える景色がまったく違うので、いろいろな場所で操船したくなる

シースタイルは様々なタイプを用意

所有している船舶免許によりレンタルできるボートの種類は変わる。シースタイルは幅広いニーズに応えるべく、複数プランを用意。「より多くの人にボートレジャーの喜びを知ってほしい」という思いを具現化

2級免許以上
全国140カ所でボートレンタル
入会金:2万1600円
月会費:3240円(利用料、燃料代別途)

特殊小型免許
全国30カ所でジェットレンタル
入会金:2万1600円
月会費:1620円(利用料、燃料代別途)
※入会金にライディングスクール受講券(受講料)含む

免許がなくても
全国20カ所でチャーターボーティング
入会金:5400円(会員有効期限2年、会費無料)

そもそもボート免許制度ってどんな仕組み?

※1 乗船する船舶の航行区域も遠洋区域である必要があります。また、帆船以外の小型船舶で沿海区域の外側80海里(海岸から100海里)未満の水域以遠を航行する場合は、6級海技士(機関)以上の]資格を有する者の乗船が必要です。(船長は兼任できません)
※2 国家試験合格時に満18歳に満たない場合は、18歳を迎えるまでの期間中は操船可能な船舶の大きさが5トン未満のものに限定されます。
※3 20.4馬力未満

国家資格である船舶免許は、船の大きさ、航海区域、取得可能年齢によって区分されている。
一般的なプレジャーボートを操船する場合は、1級を取得していればほとんどの遊びに対応できる。沿岸を走っている分には、通常は2級があれば十分だ。マリンジェット(水上スキー)に乗る場合は、専用の特殊小型免許が必要。また、湖や川だけで操船するにも、専用の免許があればOK。ただし船の大きさと船外機の馬力は制限される

ヤマハは免許教室も開催!

ボートレジャーの基本は船舶免許を持っていること。バイクと同じだ。

シースタイルも船舶免許の所有が前提となっている(シースタイル・ライトやプレミアムなどは免許不要)。ヤマハは普及活動の一環として、71年から免許教室を開催。親切丁寧な講習内容には定評があり、比較的容易な2級船舶免許なら合格率は97%に及ぶ。
言うまでもなく水上レジャーは命に関わるリスクもあるため、合格よりも安全第一でカリキュラムが組まれている

日常生活を送っているだけではなかなか接点がないボートレジャーだが、じっくりと丁寧に指導してくれるので合格率は非常に高い

免許取得のハードルを下げるために、より手軽に学科講習が受けられるよう工夫されている。指定された会場で講師にじっくりと教わる通常のスタイルのほか、スマホなどで時間や場所に囚われず受講できるスマ免も人気