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【第六話】サイクロン接近 パースで足止め

初めまして!合田紘之と申します。
愛車のアフリカツイン750で世界中を走る夢を叶えるため、30歳を目前に新聞記者を辞めて、第1弾として2017年12月からオーストラリア一周を始めました。
オーストラリアはカンガルーが飛び出してきたり、世界中のライダーと交流できたりなど、日本では想像もつかないことが沢山あって面白い!
退職したばかりで足が地に着いてない状態で、バイクにまたがっても身長が低くて足が地に着かない状態ですが、海外ツーリングが日本人ライダーにとって少しでも身近なものと思えるように魅力を伝えていきます!

久々の海に

これまでずっと内陸を走っていたので、海を見るためにキャンプをしながら800kmを南下。

キャンプ場

ラッキーベイに向かう道

エスペランスという街の近くにある「ラッキーベイ」にたどり着いた。ここはオーストラリアで一番砂が白いビーチとして有名で、多くの海水浴客でにぎわう。

砂は見事に真っ白、そして海は青く澄んでいる。砂浜は締まっていて固く、海水浴客はみんな車を乗り入れている。バイクも通行できるというので、少し走ってみることにした。淡い色合いの風景、水着姿ではしゃぐ人々。これまでの砂漠地帯とは別世界に思え、オーストラリアの広さをあらためて実感した。

砂浜を走ることができるラッキーベイ

その後は海の近くを通りながら、西へと進んだ。その間、牧場風景がずっと続き、ヒツジやウシを横目にアップダウンのある直線道路を進む。牧草ロールが転がっているなど、北海道と景色が似ているが、それ以上に壮大だ。数百頭のヒツジが群がっていたり、放し飼いにされているせいかウシが道路を横断したりなど、本当になんでも規模が大きい国だ。

ヒツジがいる牧場風景

オーストラリア版郵政カブ

1月12日。西オーストラリア州の州都であるパースに到着すると、日本でなじみのあるバイクが目に入った。スーパーカブだ。まとっている蛍光色の備品には「POST」と書かれている。オーストラリアでスーパーカブを一般人が乗っているところを見かけたことはないが(ハンターカブはたまに見かけるが)、郵便だけは別なようで、メルボルンでもよく見かけていた。

タイヤ交換後の前後タイヤ

運転していた郵便配達のおじさんに、日本で同じバイクを乗っていることを伝えると「タフで最高だよね。僕も気に入っているよ」と上機嫌に受け答えしてくれた。学生時代にスーパーカブで日本一周をした自分にとっては「カブはここでも愛されているんだ」と嬉しくなる出来事だった。

タイヤ交換

パースに立ち寄った最大の目的はタイヤ交換だ。オーストラリアを走り始めて8000kmを超え、リアタイヤの山はほとんどなくなっている。この先北上すると当分大きな都市もないので、ここで交換しておきたかった。バイクのタイヤ専門店に行き、前後タイヤの交換をお願いした。販売しているタイヤのバリエーションは日本とほぼ同じだ。

オーストラリア版郵政カブ

タイヤ交換中、店長にこれから北上すると話すと、サイクロン(日本でいう台風)が来ていて、しばらくは北上しないほうがいいと言われた。普段、テレビを見られない中で有益な情報を教えてもらったが、この先どうすればいいことやら。

バックパッカーズに連泊

サイクロンが来ていると言われ、キャンプする予定を変更し、急きょパース市内の宿を探すことにした。
オーストラリアの都市部にはバックパッカーズと呼ばれる安宿がたくさんある。料金は相部屋で1泊2000~3000円ほど。共同のキッチンやトイレ、シャワーがあるのが基本だ。日本のゲストハウスとほとんど同じだと思っていいだろう。

キャンプだったらもっと安く済んで、テントという名の個室が確保されるのに…と思いながらも、サイクロンから身の安全を守るためバックパッカーズに泊まることにした。

バックパッカーズの部屋の様子

客層が様々で面白い。その名の通りバックパックを背負って世界中を回っている人、連泊してのんびり休暇を過ごしている人、宿に住みながら仕事をしている人。国籍も様々だが、イギリスやスペインなどヨーロッパから来ている人が多い印象だ。

サイクロンによる暴風雨と、通りたい道が冠水しているというので足止めを余儀なくされ、結果的にこの宿に5泊した。せっかくなので夜景を見るなど観光を楽しんだほか、今後行く場所の下調べや一眼レフカメラの清掃など、普段なかなかできないことをして有意義な時間を過ごし、パースを後にした。

パースの街並みの夜景

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