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元新聞記者が行くオーストラリア1周記

【第十話】ケアンズへの道でライダーとの出会い続々

【BikeJINWEB限定!】~短期集中連載~元新聞記者が行くオーストラリア1周記

初めまして!合田紘之と申します。
愛車のアフリカツイン750で世界中を走る夢を叶えるため、30歳を目前に新聞記者を辞めて、第1弾として2017年12月からオーストラリア一周を始めました。
オーストラリアはカンガルーが飛び出してきたり、世界中のライダーと交流できたりなど、日本では想像もつかないことが沢山あって面白い!
退職したばかりで足が地に着いてない状態で、バイクにまたがっても身長が低くて足が地に着かない状態ですが、海外ツーリングが日本人ライダーにとって少しでも身近なものと思えるように魅力を伝えていきます!

1カ月間ライダーと出会わず

エアーズロックを1月初めに出発してから約1カ月。その間に7000km以上を走ったが、一人もツーリングライダーと道ですれ違うことすらなかった。
それもそのはず、この時期のオーストラリア北部は毎日40度を超える猛暑、もしくは大雨による冠水に注意して走らなければならず、ろくにキャンプも出来たもんではない。地元のオーストラリア人はもちろん、世界中のライダーも知っていることなのだろう。

間違った季節にツーリングしているのはわかっていた。ただライダー同士の交流を楽しみにしていた自分としてはさみしさがあった。

スイス人ライダーと遭遇

1月28日。キャサリンから100km南下したガソリンスタンドで、荷物をたくさん積んだKTMのバイクに給油している人を発見した。

スイス人ライダーのケビン

久々に見たツーリング仕様のバイクだ。すかさず話しかけてみると、彼は28歳のスイス人で、ケビンと名乗った。スイスから1年半かけて中東や東南アジアを通りオーストラリアにたどり着いたばかりだという。彼も南下するというので一緒に走ることにした。
ミラーに映るバイクを気にしながら走るのはいつぶりだろうか。このペースで大丈夫なのか、いつ休憩をしようかなど色々と気になってくる。一瞬振り向いてグーサインを出すと、ケビンからもグーサインが返ってきた。言葉を交わさなくても大丈夫だと分かった。後ろに気を配るのは決して面倒ではなく、仲間と一緒にいられて楽しいという感覚だ。

この日は道路脇の休憩エリアで一緒にテントを張ることにした。夜な夜な互いのバイクの装備についてや、それぞれの国のバイク事情などについて語り合ったが、初めて見るものや聞くことが多く話は尽きなかった。
 

ケビンとキャンプした様子

次の日も一緒に走り、2人の目的地の分岐点に到着。自分は東を目指すが、ケビンはさらに南下してエアーズロックを目指すという。
彼にオーストラリアの次はどこに行くか尋ねると「わからない。ニュージーランドも行きたいし、アメリカ大陸も走りたい。いったんスイスに帰るかもしれない」と言う。なんとも大胆な旅だ。次はスイスか日本か、世界のどこかで再会しよう。そう約束して別れた。

2人で走った700kmは、相変わらず猛暑で大雨にも降られる過酷な環境だった。その中で「暑いね」「雨がすごかったね」と言葉を交わし、ライダーにしかわからない辛さを共有できて、いつもより心が救われた気がした。

山道を越え東へ

今度は日本人ライダー

オーストラリアの中央部から東に向かって走ると、これまでの砂漠の殺伐とした風景から山々の風景に変わってきた。徐々に木の背は高くなり、深い緑色になっていく。道も直線がほとんどだったのに、アップダウンやワインディングも増えてきた。

ケビンと別れて2日後の1月31日。山越えの道を抜けて小さな町のガソリンスタンドで休憩していると、1台のツーリングバイクが現れた。こちらを見るなり会釈をする。ヘルメットを被っていて顔は見えなかったが、すぐに日本人だとわかった。

バナナ畑とケイ

彼の名前はケイ。愛知県の大学4年生で休学中という。
昨年3月にバイクの免許を取り、「初めてバイクに乗るときは、すごいところを走りたかった」とオーストラリアでCBR300を購入して6月から1周を始めたので、公道デビューはオーストラリアという度胸の持ち主だ。2人とも目的地が700km先のケアンズ。当たり前のようにマスツーリングが始まった。
人間の身長以上に高いバナナ畑の中など、日本人と日本にはない景色を見ながら走る。互いにバイクで走っている姿を撮影し合うなど、2人だからこそできる楽しみも。途中で宿泊したバックパッカーズでは酒を交わした。
「バイクに乗った初日にUターンするときに転倒した」、「ガソリンをどこまで入れればいいかわからなかった」など、初々しいバイクの話をするケイ。こちらも初心に帰った気分になる。

ケアンズに到着し別れ際に「日本でも必ずバイクに乗ります」とケイ。バイク人生の始まりがこんな壮大だなんて、彼の今後はどんな風にバイクと付き合っていくのか楽しみだ。
 

ケイに撮影してもらったアフリカツインと自分

バイクの魅力の一つは人とのつながりだと実感した数日間だった。ケイも「バイクに乗っているだけで、ほかのバイク乗りから話しかけてもらえる。会ったその時から友達のよう」と楽しさを感じたように話していた。まさにその通りでバイク乗りの仲間意識は世界共通。

これからもどんなライダーと出会えるか楽しみだ。

合田紘之(ごうだ ひろゆき)

1987年生まれの31歳。横浜市出身、札幌市在住。
18歳で二輪免許を取得し、法政大学在学中にバイクで日本を2周する。
その中で北海道が気に入り、2010年から7年間、北海道新聞の記者として札幌市や登別市、紋別市などで取材で駆け回っていたが、バイクで世界をツーリングするために退社。
身長は168センチで愛車のアフリカツイン750はやっと足が届く程度。英語は初心者レベルなので、世界の人たちとコミュニケーションをとるために日々奮闘中。

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