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ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学

【第6話】ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学“地図は書き込みで育つ”


紙地図の利点にの1つに、気軽に書き込みができる点がある
手書きならその時の気持ちも反映されやすく、振り返ることで思わぬ発見や、充実感などが得られることもある
地図に書き込むことで、ツーリングをさらに深く楽しもう

取材協力
昭文社
http://www.mapple.co.jp/

夏のツーリングあるある

こんにちは! あっという間の9月ですね。みなさん夏旅は楽しめましたか。ステキな出会いはあったでしょうか。あるいは別れとか……? そう、別れ。「ひと夏の恋」なんて、よくある話。夏ってやつは、罪なヤツ。……いやそうじゃなくて、夏のツーリングあるあると言えば「旅先でツーリングマップルをなくした!」というアレですよ。悲しいことにですね、読者の皆さんのなかにも、そういう経験がある方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。かく言う私も宿泊先にツーリングマップルを忘れたことがあります……。
一生懸命書き溜めた、行きたい場所や、旅先で見つけた面白い場所。マーカーで引いた、通ったルートの軌跡。食べたごはんや道の感想、出逢った人や、エンストした場所、立ちゴケした場所、などなど。書き込みが多いと、ショックも大きいですよね。紙地図の書き込みは、日記みたいなもので、他人に見られるのはちょっと恥ずかしいんですが、自分にとっては貴重な情報、「道しるべ」です。私は忘れたツーリングマップルを、迷った挙句、着払いで送り返してもらいました(笑)。
と、いうわけで、今回はそんな「書き込み」についてのお話。みんな、地図使おうぜ。書き込みしようぜ。

僕らと地図は共に成長する

地図上に自分のツーリング記録を付けていくと、地図が徐々に「育っていく」感覚が得られます。「走った道をマーカーで引く」というのは、もっとも基本で、分かりやすい書き込みですね。自分がどの辺をどれくらい走ったのかが、ひと目で見られます。そこにはきっと、自分の成長を垣間見ることができるはず。ある種のゲーム感覚に近いのかもしれません。
最近はグーグルマップなどで同様のことをしている人も多いと思います。でも個人的には、やっぱりツーリングマップルでやって欲しいです。それもできれば毎年買い替えて欲しいのですが、その理由は1年ごとに1冊ずつ、記録として残すことができるからです。手帳みたいな感覚ですね。何年頃に何をしていたか、どこを走ったかみたいなことが分かりやすくなります。それに1年が終わって、次の年のまっさらなツーリングマップルを開くと「さあ、今年もたくさん走ろう!」という気分が湧いてきます。
そして記録したツーリングマップルは、いつか自分の旅や人生を振り返るための、かけがえのないものになります。それは時に、写真のアルバムや日記なんかより、よっぽどリアルに、明瞭に、当時の情景を描き出してくれます。なんだか、センチメンタルでノスタルジックな話にも思えますが、本当にこれはみんなにやってほしいなあ。

地図は私小説たり得るか

「いきなり私小説とはコイツ、大きく出たもんだな」と言われそうですけども。細かい文学上のウンタラカンタラの定義はさておき、みなさんの旅の、人生の記録が書き込まれた地図には、それくらいの価値があると思うわけですよ。
だいたいそもそも「旅する」ってコト自体、文学的な感じがしますし。私なんか、他人の書き込み地図を見るだけで、ちょっとドキドキしちゃいますもの。それこそ、すごく面白い小説に出会ったときみたいに。ところで、できれば書き込みは、走ったルートだけじゃなく、走ろうと思ったルート(計画)も区別して入れていただくのが絶対オススメです。その方が面白さ倍増です。「あの時はこんな道が好きだったんだな」とか「こんな無茶な計画よく立てたな。若かったなあ」とか、いつか思えますよ。計画したルートと実際に走ったルートが違ってたら、なぜその時違うルートを走ったのか、何があったのか、なども合わせて、むくむくと当時を思い出せたりします。
あるいは、その時何らかの理由で走れなかった道やスポットに「せっかくだし、もう一度行ってみようかな」なんて思うきっかけになったりもしますよ。
単純に、走ったルートの軌跡を残すなら、今は便利なアプリがたくさんあって、自動的にログを取ってくれますよね。それはそれで、取らせとけばいいと思います。でも、行こうと思った場所、走ろうと思ったルート、そして実際に走った道、行った場所、その時思ったちょっとしたことなど、いろんなことを一目でパラパラと見るには、やっぱり紙地図への書き込みの方が適しているんじゃないかな。

地図は舞台。そこを冒険するストーリーを描く

そういえば当連載第2回目のテーマは「地図は読み物」でした。地図に表示されている要素から現地の様子を読んで想像しよう、そして行ってみよう、というような内容だった気がします(たぶん)。それくらい、もともとツーリングマップルという舞台には、たくさんのストーリーが詰め込まれています。
その舞台で、自分はどのストーリーを選び旅するのか、あるいはまだそこにないオリジナルストーリーを見つけ出すのか、その辺に「地図で旅する面白さ」があるのかなと、考えます。そして自分の旅を書き込むことで、自分だけの物語がどんどん蓄積され、広がりを持ち、新たな「道」へと繋がっていきます。

どうせなら、忘れられない ひと夏の恋をしようぜ

地図のない旅は、行って帰るだけ、単発で、ほんとうに、行きずり感と言うか、あとに残らないというか……。あんまり言うと説教クサくなって嫌なんですが、あえて言うなら、「ひと夏の恋」どころか「ワンナイトラブ」といいますか(笑)それはそれでいいんですけどね、ええ、いいんですよ、できるならワタシだってしてみたいですしそんなのね……え? あいや、そうじゃなくて、こう、「消耗感」があってどうもね、つまり、もったいない気がしますよ。ですからね、記憶にも、記録にも残る、書き込みツーリングを皆さん、楽しみましょうね! それではまた(最後の台なし感……)。

うまい具合に書き込めたページは、読んで妄想する時間が意外なほど心地好く、時には酒の肴にもなるのだ

Infomation

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https://touring.mapple.net/

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