ツーリングマップルと言えば、著者コメントや
おすすめルートが参考になるけれどそれだけが情報じゃない
地図の世界はもっと深く広い
それを知って、ツーリングをさらに楽しもう!
取材協力
昭文社
http://www.mapple.co.jp/
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ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学
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前回は最初ということもあり、「ツーリングマップルとはなんぞや」的な話で終わってしまいましたが、今回はもう少し、地図の中身にフォーカスしてお話をしたいと思います。「ツーリングマップル」といえば、やはりライダーの実走取材に基づく「コメント情報」と「おすすめルート」が最大の特長であり、支持を頂いている部分です。ツーリング途中で行き先・行き方に迷ったときや、行ったことのない土地へ旅する場合は、これらの情報が頼りになりますよね。初めてツーリングマップルを使う人は、コメントやオススメルートをたどれば、だいたい外れのない、楽しいツーリングができると思います。
でもだんだんいろんなところに行くようになると、エリアによっては「この辺コメントもルートもけっこう潰したし、もう少し、自分なりの道を見つけて走って、イイ場所、見つけたいな」って気持ちになってくるはず。
あるいは「ちょっと時間が余ったけど、この周辺にそそるコメントないなあ」ということがあるかもしれませんね。
で、ここで「ツーリングマップルもあんまり役に立てへんなあ」と見限っちゃう方もいるわけですが(涙)、待ってください。その前に、もうちょっと地図を「読んで」みましょう。
言うまでもなくツーリングマップルは地図です。コメントやルート表示ばかりに気を取られがちですが、かつて皆さんも学校で習ったような地図記号、たとえば警察・交番や郵便局、学校、それに病院や工場などの記号もところどころ、さりげなく記載されています。本を開くと1番最初のページに凡例がありますね。ここもぜひ参考にしてみてください。
どこかで見覚えがある記号。地形図のように「果樹園」や「田んぼ」のような記号はないが、実はいろんな情報が詰まっている
これらの要素は、普段のプランニング時には大して気にも留めない情報だと思います。せいぜい目印になるくらいですね。だけど、もうちょっと深読み・逆読みしてみましょう。
周囲に有名な道やスポットがあるので、ここで目を止める要素はあまりなさそうだが、ちょっと立ち止まって想像してみよう
例えば地図上に「山間部で郵便局が表示された」場所があるとします(地図参照)。この風景を想像してみてください。多分、ツーリングしたことがある人であれば、なんとなくその土地の情景が浮かんでくるのでは?
【山間の小さな集落で、古い家がこぢんまりと集まって町を作り、高台には神社かお寺、近くには小学校と中学校、横にはちょっとした川が流れていて……】
というように、イメージができてきます。もちろんこれは想像なので、現地とイメージが完全に一致するわけはないのですが、それでも案外、大まかな要素は当たっていたりするものです。郵便局が交番や学校の記号に変わっても同じように想像することができます。もちろん道路形状や、周辺との関係性も参考になりますね。
地図を読み、想像しながら現地に行くと、ふだん何でもない風景としてスルーする景色が、特別なものに感じられるようになる
たった一つ、二つの記号からここまで読むことができるのが、紙地図の魅力でもあります。このような読み方は、プランニング時に妄想旅を楽しむためだけのものではなく、実用面でも意味があります。そこに集落があることが分かれば、緊急事態が起きた時のよりどころにもなりますし、人がいると思えば速度を落として事前に危険を回避することもできます。
また、高地の集落ならば、ちょっとした棚田の風景があるかもしれないし、桜や紅葉の穴場があるかもしれません。小さな商店があって、水分補給がてら地元の方とお話ができるかもしれない。そんな妄想をしながら、実際に現地を訪れて確かめてみると、まるで宝探しのようで面白いです。実はそれこそが、真に地図を使った旅の魅力なのかもしれません。
ほかにも人家のあるなしを見分けるなら、記号だけでなく「大字おおあざ(町名)」に注目する手もあります。人があまり住んでいない場所は、町域が広くとられているので、出てくる大字もまばらです。逆に人が多い場所は、町域の区分けも細かくなるので、大字の密度が高くなります。ただこれは、コメントの配置の関係で省略される場合も多く、絶対ではありませんが。
もっと慣れてくれば、等高線から開放感のある尾根道を見出したり、逆に展望がなさそうな道のアタリを付けたり、あるいは坂道の具合を想像することもできます。
「そんな高度な地図読みなんて、よほどのマニアにしかできないだろ」と思われるかもしれませんが、案外そうでもないんです。例えば旅先で気に入った風景が、地図でどう描かれていたか、周辺も含めて改めて見てみる、という行為を繰り返していれば、だんだん「あ、ここ良さそう」と地図からひらめくようになってきます。これは旅を重ねれば重ねるほど自然にできるようになります。
先日、ツーリングマップル先々代の編集者と会う機会があったのですが、彼は「出かけるときはいつも、著者のコメントがない所に行く」と言っていました。まあ、そういう走り方もあるという極端な例ですが(笑)、実際、コメントが入っていないような場所にも、まだまだ面白いところがあるのは事実です。皆さんも「宝探し」をしてみてくださいね!
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