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ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学

【第1話】ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学「今どき地図なんて……」


スマホを開けば世界中どこへでも行けるこの時代
今も紙地図を愛用するライダーがいます。紙の何がいいのか
その利点を見直して、ツーリングをもっと楽しみませんか?

取材協力
昭文社
http://www.mapple.co.jp/

ツーリングマップル?

BikeJIN読者の皆様、初めましてこんにちは!

昭文社「ツーリングマップル」の編集担当をしているマスキと申します。今回、縁あって中村編集長からご提案いただき、ありがた~くこの場でコラムを書かせていただくことになりました。全何回になるかは分かりませんが、お付き合いいただければ幸いです。

さてまずは、「ツーリングマップル? ナニソレ?」という方のために簡単にご紹介しておきます。ツーリングマップルとは、ライダーにオススメな「好景観道路」や「快走路」、「グルメ」「温泉」「キャンプ場」「歴史スポット」などなど、「あるとうれしい情報」が満載の「ツーリング用の道路地図」なのです。たとえば『海沿いを走る快適2車線で潮風が気持ちイイ!』とか、『廃道同然。ほぼ通行不可』という危険情報(ごく一部のマニアは喜びそうですが)などなど、様々なコメントが所狭しと詰まっています。かつてはライダーならだれもが知っている、「必携のバイブル」とも呼ばれたアイテムなんですよ。ええ、かつては……(遠い目)。

今はどうでしょうか。カーナビが普及して、スマホが普及して、紙の地図なんかなくたって、安心して行きたいところに行けちゃう時代になりました。「2000円も3000円も払って、道案内もしてくれない地図を買うなんて、どうかしてるぜ!そんな金があったら豪華な海鮮丼食いてえわ! そろそろオイル交換もしなきゃだしな!」って、若い方には言われちゃいそうです。いや、若くなくたって、そう思う方、当然いらっしゃいますよね。まあそりゃね、海鮮丼食いてーですよ。私だってね。

でもね、ちょっと待ってください。紙の地図を支持してくれているライダーはまだまだたくさんいるんですよ。BikeJIN読者のなかにも「もちろんガンガン使ってるぜ」って方、少なくないはず……ですよね!?

だけどやっぱり、そもそも使ったことない、使わない方にとっては、なんで今どき紙の地図が売られてるの?もっと便利なツールがあるのに、懐古主義なの?などの疑問、ありますよね。はいそこ! そこテストに出ますよ! コホン、いえ、実はそれこそが、このコラムでお伝えしたいところです。

つまり「地図を知り、地図を使うとツーリングはもっと面白くなるんです」「2000円、3000円なんてすぐに取り戻せるんです」って話を、ここでさせていただこうってわけです。

紙の地図のなにがいいの?

うっかり前置きが長くなってしまいましたが、第1回目は導入編として、皆さんもお使いであろう、超便利なスマホと、ツーリングマップルの地図を比較しながら、紙の良いところをなんとなく、アピールしてみたいと思います。まずはごちゃごちゃ言う前に、下にある両者の同じ範囲の地図を見てくださいませ。
下に並べたのは、ツーリングマップル関東甲信越版の「17富士山」のページと、それと同じ範囲をグーグルマップで表示した画面です(便宜的にパソコンモニタの画面を表示しています)。

表示情報の差は一目瞭然。ただこれは優劣の差でなく、向き不向きの差。グーグルマップだけを使っていては、気づけない情報が沢山あることが分かる。双方の良いところを組み合わせることで、ツーリングはより充実したものになる

ツーリングマップルに比べ、グーグルマップは、比較するとかなりあっさりめです。道路もどこがどうつながっているのか、ちょっと分かりにくいですね。もちろん、「拡大」すればより詳細な情報が表示されますし、「検索」すればいくらでも情報を手に入れることができます。経路も「ナビ」で一発です。スマホでプランニングするときは、キーワードでスポットを検索して、行きたい場所を定め、後はナビにお任せ、という感じでしょうか。

とても簡潔便利でいいのですが、これだと、途中のイイ道とかステキな景色を、見逃してないかどうか心配です。「行き先」だけ決めて、「行き方」はナビ任せというのは、ツーリングとしてはすごくもったいない。下手すると「旅」がただの「移動」になってる可能性も。ライダーに限らず、ナビに依存していると、そうなっちゃうことが多いんです。かく言う私も、かつてはそんな一人でした。会社の先輩に「旅行に行ってきたんです」と話すと「〇〇は見た? △△は? ええ! 行ってないの?なにしに行ってきたんだよ! 紙地図見なかったのかよー」とよく突っ込まれたものです。

さて、ツーリングマップルは、ツーリングライダーのための情報を地図いっぱいに掲載しているので、拡大や検索はできませんが、走るべき道や、そこを走っているときどんな景色があるのか、などがそのページから想像できるようになっています。なにより、位置関係が分かりやすいのが紙地図の大きなメリットですね。グーグルマップで拡大・縮小を繰り返しながら経路を考えるのは、距離感も安定せず、とても疲れます。

ツーリングはまるごと楽しむ

例えば、スマホで調べて行きたい場所を定めたら、ツーリングマップル上にそれを書き込んでみます。すると途端に、頭の中に具体的なイメージが湧いてきます。「どこを通って行くと楽しいだろう」「余裕があったらこっちも寄ってみよう」「帰りはこっちの道を通ろう」どんどんプランが組み上がっていきます(この瞬間が楽しいという方、けっこう多いですね)。ウソだと思ったらぜひ試してください。はまると、妄想ツーリングで1日が終わっちゃうことも(本末転倒ですが……笑)

そんなこんなでツーリングをまるごと楽しむのであれば、紙の地図をプランニングに使うのはとっても有効ですよ。そのうえでナビに案内させるのはイイと思います。「案内される」のではなく「案内させる」ようにしましょう

今回はさわりだけになってしまいましたが、次回以降、より深く、紙地図の世界に踏み込んでいきますので、よろしくお願いします!

ツーリングマップル2019
3月に発売した最新のツーリングマップル。地図情報の更新だけでなく、書込み用の折りたたみ地図を復活するなど、機能改善が行われている

Twitter:@touringmapple_s