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進化したBMW R1250GS の魅力を紹介!

排気量アップと可変バルブ機構でユーロ5も見据えた新世代ボクサー R1250GSエンジン解説①


排気量拡大と可変バルブタイミング機構(以下可変バルブ)の採用によって
大幅なパフォーマンスアップを遂げた新型ボクサーエンジン
ユーロ5も見据えた新世代ボクサーはどう進化したのかを見ていこう

さらに厳しい環境規制ユーロ5に備えた改良

R1250GSに搭載されるニューボクサーエンジンは、ボアとストロークともに拡張することで、これまで1170㏄だった排気量を84㏄アップとなる1254㏄とした。これについてはBMWは「パワーとトルクの向上を図ったもの」としている。
その意図どおり、最高出力は125㎰から136㎰となって11㎰向上、最大トルクは12・8㎏-mから14・6㎏-mと1・8㎏-mも向上した。割合でいうと、従来モデル比でパワーは8・8%、トルクは14%も高められている。
これについては、下のグラフをご覧いただければ一目瞭然だろう。低回転域から高回転域までの全域にわたって1200エンジンよりもパワー/トルクともに大きく向上している。そればかりか、1200エンジンに見られた谷間もなくなり、滑らかな出力特性となったことが分かる。

青い線はR1200GS、赤い線がR1250GS の出力特性で、全域にわたってパワフルになったことが一目瞭然だ。出力向上だけでなく、特性が滑らかになっている点も注目したいところで、スムーズな加速特性を実現している

また、グラフから分かることは、5000回転で切り替わる可変バルブによって、それ以上の高回転域でのパワーとトルクの上昇が著しくなっている点だ。
パワーとトルクの向上だけでなく、アイドリングを100回転下げるとともに、排ガスの削減とエンジンの静粛性向上、4%の燃費向上も達成している。

1254㏄ボクサーエンジンのトピックは排気量拡大とシフトカムテクノロジー(可変バルブ)の採用だが、これに伴っていくつかの小変更も行われているのだ。
そのひとつが、カムシャフトを駆動するためのチェーンが従来のローラーチェーン(ドライブチェーン同様の一般的な構造のチェーン)から、サイレントチェーンに変更されたこと。その名称が示すとおり、静粛性に優れることを特徴としたチェーンで、エンジンノイズの低減に貢献している。

エンジン制御装置(ECU)もアップデートされると同時に、混合気の異常燃焼を検知するノックセンサーを2基装備することで、従来どおりにオクタン価95(ヨーロッパではレギュラーガソリンだが、日本ではハイオクガソリン指定)のガソリンにも対応する。

2019年に市販予定とされるR1250GSの環境規制対応について、BMWはユーロ4対応としている。しかしながら排気量拡大、シフトカムや新しいECUの採用などによって、2020年に始まるユーロ5への対応も小変更のみで可能とするエンジンになったのではないかと考えられる。新しいボクサーエンジンは、それを見据えたうえでの改良だろう。

外観から分かる変更点はシリンダー、そしてシリンダーヘッドカバーだ。プラグカバーはエンジン上部から回り込むような形状に変更され、「SHIFT CAM」の文字が刻印される

オンロードではよりパワフルにオフロードではさらに扱いやすく
排気量拡大とシフトカムの採用によって、エンジンは全域にわたってパワーとトルクが向上。さらに出力特性のムラが平均化されたことによって、あらゆるシチュエーションにおける乗りやすさ、扱いやすさがいっそう洗練された