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【愛用品お手入れガイド】メンテナンス工具編 vol.1 各部位のサイズと車載工具

現代の車載工具は携帯電話とロードサービスと言われるほどで、
とくに海外メーカーの新車に装備される車載工具点数は激減している。
しかし、最低限の工具を携行することは今もやはり重要なのである

そもそも……車載工具じゃダメなの?

車載工具はメーカーの開発者が「最低限必要なもの」として装備するものだ。それだけでも簡単な点検整備は可能だが、コストの都合で低品質のものが採用されていることも多く、スパナのアゴ部分の精度不足やグリップの短さから適正トルクをかけにくく、ナットをナメるなどのミスを誘発しやすい。

愛車の各部位のサイズを把握しておこう

車載工具は最低限の点検整備をひと通りこなせる内容になっているが、すべてをいつも使うわけではない。ミラーステーの固定ナットを締めたり、テールランプレンズの着脱、レバーの調整などで頻繁に使う工具は限られてくる。どの部分の点検整備にどの工具が必要なのかを把握することが、車載工具揃えの第一歩だ。

1. ハンドル周り

ブレーキレバー調整やハンドル取り付け角調整に必要な工具とサイズを確認

2.ミラー周り

ミラーステーの固定ナット、クランプ部のナットのサイズをチェックしよう

3. 灯火類

ヘッドライトや尾灯のバルブ交換にはレンズ着脱が必須。ドライバーのサイズも確認する

4. ブレーキパット

キャリパーボルトの着脱に必要なスパナのサイズをチェック

5. オイル類

エンジンオイルのドレンボルト、オイルフィルターカバーの着脱に使う工具もしっかりと確認しておこう

6. プラグ

SR400は二面幅20.8㎜(または21㎜)のプラグレンチだ

7. ステップ周り

ペダルの高さ調節に使用する六角レンチのサイズを確認する

ハーレーはインチサイズ!

アメリカはヤード・ポンド法を採用している。このため日本や欧州メーカーのバイク整備に使うミリ工具は使えず、インチ工具が必要。これはミリ工具とはサイズがまったく異なるため共用できない。

車載工具をそろえよう!

繰り返しになるが、標準装備される車載工具は応急処置を念頭においたもので、またコストを削減する意図からも工具の品質が低く、作業の効率や正確性も低い。頻繁に使う工具を高品質な市販品に替えることで、的確な点検整備や応急処置を行えるようになる。 また、車載工具にプラスアルファの工具や道具を追加すると、トラブル対処の幅が広がる。結束バンドや針金、ガムテープは転倒による灯火類や外装パーツの破損時に大活躍してくれる道具だ。

POINT1 今ある車載工具を工具メーカーのものに変える

標準装備される車載工具をすべて市販品に取り替えると作業性が大きく向上する。ただしプラグホールが深い位置にあるエンジンの場合、車載工具のプラグレンチがもっとも使いやすいこともある

POINT2 セット工具を購入する

DAYTONA コンパクト車載 ツールセット 24 ピース
標準の車載工具にプラスすることで作業効率とトラブル対応力を高める。ロングツーリングに適したセットだ

DAYTONA 車載工具Bセット 17ピース
六角レンチを10種セットにすることでさまざまな車種に対応する車載工具セット。車載工具の代替に最適

Anex オフセットラチェットドライバー ビット9本組
狭いスペースでもビスやボルトを着脱できる薄型ラチェットハンドルに、頻繁に使う9種のビットが重宝する

車載はあくまで“応急処置”、そのあとはプロに任せよう!

車載工具による対処は「きちんとした修理作業を行える場所に自走して移動するための応急処置」と考えよう。たとえばタイヤのパンク修理後に空気圧低下が見られないとしても、新品のタイヤに交換することが理想だ。 自分では対処できないと思ったらロードサービスを利用し、ショップでしっかりと修理してもらおう。その判断も素早く行い、トラブルが深刻化しないように留意することが大切だ。

しかし、工具を揃えて整備するようになるとバイクに対する愛着が湧くのも事実。簡単なことからひとつずつ整備を覚え、工具を揃えていくことの楽しさも、やはりバイク趣味の醍醐味なのだ。

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