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DysonとSuperCub C90の素敵なストーリー

 

1967年にオーストラリアに輸出された、Honda SuperCub C90が、完璧にレストアされてダイソンの日本オフィスに展示されています。

画期的で先進的、そして確かなパフォーマンスを持ったプロダクトを生み続けるダイソンの本社には、そこで働くスタッフたちにインスパイアを与えてくれる存在として、ストーリを持ったモノを「デザイン・アイコン」と呼んで展示しているといいます。そして、本田宗一郎さんを尊敬しているというダイソンの創業者、ジェームズ・ダイソンさんが、ここ日本のオフィスに置くデザイン・アイコンとして選んだのがこのSuper Cub C90(もうひとつがソニーのウォークマン)で、「この色、この形」と指定されたものをダイソンのスタッフがネットで探し求めたのだそうです。

ダイソンの日本オフィスに飾られているSuperCub C90。レストアした中島さんは、このバイクをいつも見られて触れられる人たちはとても幸せものだという

ダイソンの本社には、写真のようなさまざまなDesign Iconが飾られているのだという

DysonとSuperCubに共通するモノつくりに対する気概

とはいえ、50年以上前に生産された車両ですから、コンディションは言わずもがな。そこで、ダイソンの日本スタッフはスーパーカブのカスタマイズなどを行う「Cub工房」を主宰するモビリティ・クリエイターの中島好雄さんにレストアを依頼。9カ月の時間を経て、現在のまるで新車のような状態に仕上げられたのです。

とはいえ、その工程は生半可な難しさではなく、何しろ日本ではレストア用のパーツは何ひとつ手に入らなかったそうです。中島さんは知古を頼って、世界7カ国からパーツを集め、それでも手に入らないものはオリジナルで作ってしまったそうです。

中島さんは、このC90をレストアしているなかで、ダイソンのモノづくりとSuper Cubの作られ方はとても似ていると思ったそうです。どちらも、ただ図面上で設計するだけではなく、実際に作って使ってを繰り返しながら製品化していく。効率化を優先すると失われてしまいがちな、時間がかかっても本物を作ろうという気概がダイソンのプロダクトとSuper Cubには共通していると、中島さんは感じたと言います。

ダイソンのオフィスに置かれたSuperCub C90を見ながら中島さんのお話を聞いていたら、時代は変わっても、モノ作りに情熱を注ぐ人のマインドは同じで不変なんだと、あらためて感じさせられました。

ちなみに、日本のダイソンのオフィスには、「ホンダルーム」というミーティングルームがあるそうです。なんか、いいですね!

Cub工房の主宰者で、カフェカブミーティングなどの運営も行っている中島好雄さん。初めて乗ったバイクはSuperCubだったそうだ

Nom エイ出版社バイク誌プロデューサー/ジャンケン魔人

BikeJIN、RIDERS CLUB、DUCATI Magazine、BMW BOXER Journal(現BMW Motorrad Journal)などエイ出版社発行のバイク誌の編集長を歴任。現在は、趣味誌を中心にエイ出版社発行の媒体を統括