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  5. 12月1日、AT限定大型二輪免許の排気量上限が撤廃されました!

スマホのながら運転の厳罰化にばかりスポットがあたって、二輪免許制度の改正にはほとんど触れられなかった12月1日施行の道路交通法の一部改正ですが、AT限定大型二輪免許(以下AT大型免許)に関する規定も大きく変わりました。

ポイントはふたつあって、従来は排気量650㏄の車両を教習車として使用してきましたが、今後はMTの大型二輪免許と同様に700㏄以上の車両を教習車として使用すること。それにともなって、AT大型免許で乗れるバイクの排気量も、従来の650㏄以下から上限なしとなりました。つまり、これからはAT大型免許を取得すれば、排気量1833㏄のゴールドウイング・DCT仕様も運転できてしまうのです。

さらに、現在、AT大型免許を所持している方も排気量上限撤廃の対象となり、乗れるバイクの選択肢が大幅に広がりました。

主にスクーターに採用されている無段変速のオートマチックに加え、有段変速のホンダ・DCTやヤマハのYCC-Sといったクラッチ操作が不要な変速システムを採用するバイクが今後増えていくでしょうから(発売され始めた電動バイクも基本はATです)、現行市販車の実情に合わせた改正と言えるでしょう。

これによって、現在はごく少数にとどまっているAT大型免許取得者が増加するように思います。

ホンダのNC750Sのマニュアル車をベースとした教習車・NC750L。今後、登場する大型AT免許の教習車はNC750SのDCT仕様がベース車両になる可能性が高い

電動バイクには「大型」が新たに設定されました

この改正と合わせて行われたのが、現在は定格出力が0.6kwを超える電動バイクはすべて普通自動二輪車に区分され、どれだけパワーが大きくても普通二輪免許で乗れたのですが(そんな電動バイクがあるなしは置いておいて)、今回の改正で定格出力20kw以上の電動バイクは大型二輪自動車に区分され、運転するには大型二輪免許が必要とされました。

これは、今後、登場が予想される大パワーの電動バイクを念頭に置いたもので、すでにアメリカでは販売が開始されているハーレーダビッドソンのライブワイヤーは105HPというパワーを実現。ガソリンエンジン車ならゆうに排気量1リッターを超えるバイク以上の走行性能を達成しているのですから、車両と運転できる免許の区分分けが求められるのも当然かもしれません。

AT大型免許も含め、今回のバイクに関する道交法の改正には、電動バイクの存在がとても大きな影響を果たしているように思いました。クルマとは大きく異なって、まったくといっていいほど電動へのシフトが進んでいないバイクですが、こういう法整備の部分に関してはいつ大きな変化が生じても対応できるように、先行して準備を始めたように感じました。

3秒で0→60マイル(約100㎞/h)に達するハーレーダビッドソンのライブワイヤー。1回の充電で235㎞走行できる実用性も実現。すでにアメリカでは発売中

BMWの電動スクーター・C evolutionは、0→50km/hまでわずか2.8秒という加速力を発揮。しかし、定格出力は19kwのため普通二輪免許で運転が可能だ

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