ツーリングを楽しむ全てのバイク乗りのためのWebメディア

BikeJIN

Gold Wingにも乗れちゃう! AT限定大型二輪免許が排気量無制限に!!

大型二輪免許と普通二輪免許にAT限定免許が導入されたのは2005年。当時はビッグスクーターブームがまだ続いていて、ホンダ・シルバーウイング(600㏄)やヤマハ・TMAXといった400㏄オーバーのスクーターも人気が高く、400㏄以上の排気量のビッグスクーターに乗れるAT限定大型二輪免許が一躍、脚光を浴びました。

ただし、当時はAT車=クラッチ操作がいらないオートマチック車の最大排気量は、スズキ・スカイウェイブ650の650㏄。したがって、教習車にもスカイウェイブ650が採用になったのですが、それが理由(と言われています)でAT限定大型二輪免許で乗れる排気量はオートマチックの650㏄までとなったのでした。

二輪の駐車違反取り締まりが強化され、都内の路上に停まっていたビッグスクーターが一斉に姿を消したのが2006年から。あれほどのブームが瞬く間にしぼんでしまい、AT限定大型二輪免許も非常に影の薄い存在になってしまいました。事実、現在のAT限定大型二輪免許の取得者は、わずかに年間100人程度。大型二輪免許は7万人規模で推移しているのと比較すると、ごく一部の人のために存在しているような免許になってしまっているのです。また、AT大型二輪免許を取得できる教習所自体が少ないのも現状です。

AT限定大型免許の導入時に、オートマチック車の最大排気量はスズキ・スカイウェイブ650の650㏄だった。そのため、運転できる最大排気量も650㏄となっていた。写真はスカイウェイブ650LX(生産終了モデル)

2000年代中盤以降、FJR1300AS、VFR1200Fなど大排気量AT車が登場!

しかし2006年にクラッチのレバー操作なしで変速できるヤマハ・チップ・コントロールド・シフト(YCC-S)を搭載したヤマハ・FJR1300ASが誕生。2010年にはホンダ・VFR1200Fがクラッチ操作のいらないデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)を採用し、続いて2011年にホンダ・NC700シリーズもDCT採用車をラインナップするなど、大排気量ロードスポーツにもオートマチック時代が到来しました。

すると当然、650㏄以上のオートマチック車もAT限定大型二輪免許で乗れるようにならないのかという声が上がり始めましたが、残念ながらそれが実現することはありませんでした。

クラッチ操作なしで変速を可能にしたヤマハ・チップ・コントロールド・シフト(YCC-S)を搭載したヤマハ・FJR1300AS。大排気量オートマチック車の先駆けだ

フルオートマチックと手動変速を選択できる有段式自動変速機構のデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)を初採用したのが大型ツアラーのホンダ・VFR1200Fだった(生産終了車)

ついに、AT限定大型二輪免許で乗れるバイクの排気量が無制限になる!

導入以来、まったく動きのなかったAT限定大型免許ですが、7月22日に警察庁がAT限定大型免許で運転できる排気量を、従来の650㏄から無制限にする、試験車両を大型二輪免許の試験車両と同じ700㏄以上とするというパブリックコメントを発表しました。

変更する理由は、700㏄以上のオートマチック車が増えてきたことと、700㏄の教習車を用意できるようになったこと。たとえば、ホンダ・NC750Sなら、通常の大型二輪免許の教習車に使用されていますから、教習車にする際のコストも抑えられ、教習所も導入しやすいはずです。試験車両については、当分の間、従来のものを使用することができる経過措置を設けることとしています。

そして、現在、AT限定大型免許を所有している人も、運転する車両の排気量は上限なしとするとしています。これはとても朗報ですね!

ホンダのDCTのように、バイクのオートマチックはイージーなだけじゃなく、よりピュアにライディングに集中できるなどのメリットもありますから、今後はオートマチック変速を採用するバイクが増えてくるように思います。すでに、発進と停止時以外はほとんどクラッチを握らずに済むオートシフターも普及していますから、オートマチックを求めるライダーも増えてくるはずです。

こういう背景もあって、なんとも中途半端な650㏄までというレギュレーションを改め排気量無制限となったら、DCTを装備する1800㏄のゴールドウイングもAT大型限定二輪免許で乗れるようになるのです!

施行期日は今年の12月1日。みなさんもパブリックコメントに賛成の意見を送って、この改正を後押ししてください!

今後は、AT限定大型二輪免許の取得者が右肩上がりに増えていきそうな予感がします。

人気デュアルパーパスのホンダ・アフリカツイン(1000㏄)もDCT採用車をラインナップ

DCT装着車をラインナップするNC750Sは、大型二輪免許の教習車にも選ばれている。AT限定大型二輪免許の教習車の最右翼だ

アドベンチャー・スポーツモデルのホンダ・X-ADVはDCT装着車のみをラインナップ

いま日本で入手できるビッグスクーターの最大モデルがアプリリアのSRV850。トラコンも標準装備する

Nom エイ出版社バイク誌プロデューサー/ジャンケン魔人

BikeJIN、RIDERS CLUB、DUCATI Magazine、BMW BOXER Journal(現BMW Motorrad Journal)などエイ出版社発行のバイク誌の編集長を歴任。現在は、趣味誌を中心にエイ出版社発行の媒体を統括